概要
インド神話に登場する神犬、もしくはラクシャーサ(羅刹女)の1柱。
霊獣としてのサラマー
インド神話に登場するインドラが飼っている雌の犬で、司法・冥界の神であるヤマに仕える二頭の冥界の番犬サーラメーヤたちの母犬。
古代インドの聖典であるヴェーダの1つ、『リグ・ヴェーダ』の記述によれば、インドラの使者として財宝を隠し持つパニ族の下に交渉の為に出向き、あくまでも強固に財宝を隠し通そうとする彼らと対等に渡り合い、彼女を懐柔しようとするパニ族の首領の甘い言葉も跳ね付け、パニ族が奪い去った雌牛や財宝を取り戻したとされている。
ラクシャーサとしてのサラマー
『マハーバーラタ』と並ぶインド2大叙事詩の一つ『ラーマーヤナ』で言及されるラクシャーサの1柱で、ヴィビーシャナの妻その人。
ラークシャサの王ラーヴァナに連れ攫われたシータに友好的であったとされている。