概要
CV:山口勝平(ドラマCD)
魔法使いの少年。13歳。一人称は「俺様」。
本編の1週間前、魔物に襲われていたところをウリックに助けられた。
だがその時の返答が「助けてもらってやったんだ、ありがたく思え」という超俺様発言だった。
その後憲法152条に則って「恩を返す」とウリックの手助けを買って出るが、「わがまま」「態度がでかい」など、およそ恩返しをするとは思えない振る舞いで、道中ウリックを振り回していた。
その正体は法力国家アドビスの王子。しかし法力ではなく魔力を持って生まれたため、国の者たちからは畏怖の念を持たれていた。
歴代初めての出来事であったため、父もシオンを溺愛すれど接し方がわからずギクシャクしてしまい、
シオンもそれを感じとったのか、父とは距離を置いていた。
ちなみに二人はちゃんと血の繋がった親子である。
聖石に選ばれたことから、なんらかの運命を背負って生まれてきたと推測される。
来歴など
幼少期に魔力を暴走させてしまった時に勇者ザードと出会い、暴走を止めてもらったことからザードとの交友がはじまる。
ザードから妹の話を聞いていて、自分に何かあれば守ってやってほしいと頼まれており、
ザードが亡くなった後、彼の言葉を守るために度々城を脱け出して、影からウリックをサポートしていた。
このため最初からウリックが女であること、本名がイリアであることを知っていた。
城の中でのシオンは道中見せていた態度はまったく見せず、皆の求める王子であろうとしていた。
昔は法力に代わる何かで自分を認めてもらおうとしたが、途中でムダだと諦めてしまっている。
この城での振る舞いを知ったウリックとレムは驚愕していた。
ただ二人に見せていたナルシスト気味な振る舞いは、それまで抑圧されていた彼の素直な気持ちの現れでもある。
ザードのことは尊敬しつつも、遠まわしな優しさにいつも助けられていて敵わないことから「キライ」だと述べている。
シオンがイリアのことを知ったのは幼少の頃、突然ザードから妹がいることを聞かされたのが始まり。
その子の好きな本だと一冊の本を手渡され、ザードの妹であるから高度な内容の本を読むと思ったが、
ただの絵本であったことを知り愕然とする。
「くだらない」とバカにするが、ザードから「読むたびに泣いている」と聞かされ、
何故、子供だましの本を何度も読んで何度も泣くのかわからず悩んだことが、イリアを意識する始まりとなった。
それは「皆が求めるアドビス王子」になろうとして、「自分の素直な気持ち」を忘れていたシオンにそれを思い出させるきっかけともなった。
それからはイリアの話を聞くうちに、次第に怖さが薄れイリアに興味を持つようになった。
この時から普通の女性とは違う感情をイリアへ持つようになったが、本人にきちんと明かさないままで終わらせている。そんな複雑な心情のためか、しばしばザードへ嫉妬するような態度を見せる。
またイリアは覚えていないが、幼い頃に二人は出会ったことがあり、
ケガをしたシオンと居合わせ、そのケガを見て大泣きし、手当をしてくれたのがイリアだった。
ちなみに町中でウリックを見かけ、一目でそれがイリアであると見抜いている。
ウリックを死なせないため、決戦前に「仇打ちはやめてアドビスで共に暮らさないか」と誘うが、
兄の仇を討つというウリックの決意は固く揺らがなかったので、シオンも最後まで付き合うことを決意。
ディアボロスがいるという異世界へ辿り着き、ディアボロス復活の真相を知ると同時に、
そこで出会った赤い仮面の魔法使い「イールズオーブァ」こそが、ザードを殺し、
現在のオッツ・キイムに混乱を招く存在であると知る。
イールズオーブァの強さを目の当たりにし戦えなくなったウリックをレムと共に居城から逃がし、一人イールズオーブァと対峙。互いにオッツ・キイムの未来を知る者同士故「共に魔物が統一する世界という未来を目指さないか」と誘われるも、ウリックと出会い変われたシオンはその手を取ることはなく、互いに相容れぬまま戦いは激しさを増していく。
最後はシオンの体が耐えられない程の強大な魔法を使うことで、イールズオーブァと刺し違える。
ウリックに「自分の代わりに世界を旅してほしい」こと、そして「生きてくれ」と言う言葉を残し、
僅か13歳という短い生涯に幕を下ろした。
完全版第2巻ではシオン目線によるウリックに対する心情が描かれた。
能力
城にこもりきりだったので体力方面は不得意かつ、1回魔法を使うと疲労し、時には吐血するぐらいの虚弱体質。代わりに独学で得た豊富な知識と頭脳でパーティを支える頭脳担当。
その知識と頭の回転と口の上手さは、ウリックを幾度となく助けている。同じように幾度もからかっている。
水魔法「ラーグ・イス」をはじめとする攻撃魔法を得意とし、後に基盤の神殿で聖石「水晶」を入手したことで、より強大な魔法を使えるようになる。
だがしかし女性が苦手という弱点を持つ(本人は「女嫌い」と称した)。
半径1メートル以内にいられると普段の態度や口の上手さはどこへやら、カチコチに固まり上手く話せなくなる。ひとたび1メートル以上離れると「魔法ぶっ放すぞ!」とすぐさまいつもの態度である。
レムは種族柄体が小さいため、はっきり視界に入らない限りは普段通りの態度。
ウリックについては、あらかじめ知ってはいたが、後に本人の口から語られたことで「うわあ!」と一声あげるぐらいには動揺するようになった。
それでも他の女性に対するように「魔法ぶっ放す」は言わなかった。
口癖は「いやだい」、特技は「いやだいダンス」。
「いやだいいやだい」と言いながらじたばたする。ちなみに父も1回披露してる。
普段だと子供の駄々にしか見えないが、戦闘では魔物を驚かす効果があるなど、結構使える特技。
このいやだいダンス、ドラマCD第1巻のボーナストラックとしてウリック、シオンの二人によるボーカルで作曲された。
曲名はずばり「いやだいRAP」。シオンのツンデレ具合がよくわかる一曲である。
読者の間で伝説と言われている「いやだいRAP」はこちら。
刻の大地
姿はイリアの回想などで登場。また異世界へ行く前の休息の一時が描かれた。
彼がこれまで学んだことを書き記した手帳は、魔法使いたちにとって重要なアイテムとなっている。
家族は父のほか義母のルハーツ王妃、義妹のミト王女が登場している。
ミトはシオンと仲良くなりたがっていたが、ルハーツはシオンを疎ましく思っていたため、
その機会が訪れることはなかった。
夜麻作品トップレベルの人気を誇るキャラクター。ファンレターでも彼のことがよく書かれていたという。
完全版の人気投票でもぶっちぎりトップを独走。寄せられたコメントも長文が多い。
「レヴァリアース」の連載終了から15年以上経過するが、今も根強い人気を誇る。
彼の境遇、イリアへの思い、命をかけた決意と行動の結末に、多くの読者が涙を流した。
「イリアと幸せになってほしかった」という読者も多く、現在も再登場の声が多い。
使用魔法
「ルーン文字」を組み合わせた名称が多い。
ラーグ・イス・・・・・・水魔法。初期はよく多用していた。
ラーグ・イス・ハガル・・・・・・ラーグ・イスの上位版。
ダェグ・ケン・・・・・・光を放つ魔法。至近距離だと眼つぶしにもなる。
ソーン・イス・ユル・・・・・・アドビスで使用。シオン曰く「大きな魔法」らしい。
ケン・ラーグ・・・・・・基盤の神殿で使用。
ケン・ティール・ウル・・・・・・基盤の神殿で使用。
シオン語録
「ま、助けてもらってやった。ありがたく思え」
「デマゴーグという集団秩序を混乱に陥れる心理的な刺激に対し、社会集団の内部で最も理性的に対処すべき壮齢期層の人間が、誰よりも先に耐性が破れて、暴力等の攻撃衝動による発散に逃げ出して、恥ずかしくねーのかよ」
「うん、命にかえても守る」