概要
『トリニティ・ブラッド』の登場人物。
異端審問局副局長。ヤゲロー大公国クラクフ(現ポーランド)出身で、本名パウラ・ソコウォースキー。カテリーナとは同年齢。
風貌は図書館司書のような物静かさでありながら扇情的な肉体を持つ。実務能力に乏しいペテロに代わり異端審問局を実質的に指揮するうえ、上司フランチェスコの信頼も厚く、彼の秘書も兼務する。また、格闘技や暗器の扱いに長けた暗殺者でもある。
『ノウ・フェイス』において
「かくて主、我らに命じて曰く、我が民よ、いざ行き征きて異教の民を討ち滅ぼせ……」
「男を殺せ。女を殺せ。子供を殺せ。乳飲み子を殺せ。牛も羊も駱駝も驢馬も、殺せ、殺せ、殺せ――エィメン」
(吉田直『トリニティ・ブラッド Rage Against The Moons Ⅲ ノウ・フェイス』角川スニーカー文庫、197ページ)
元ネタはウルガタ(ラテン語訳聖書)のサムエル記上第十五章第3節。
nunc igitur vade et percute Amalech et demolire universa eius non parcas ei sed interfice a viro usque ad mulierem et parvulum atque lactantem bovem et ovem camelum et asinum
ルビは「ヌンク・イギトゥル・ワーデ・エト・ペルクーテ・アマレク・エト・デモリーレ・ウニウェルサ・エ」「ノン・パスカル・エイ・セド・インテルフィーケ・ア・ウイロ・ウスケ・アド・ムリエレム・エド・パルウルム・アケト・ラクタンテム・ポウエム・エト・オウェム・カメルム・エト・アシヌム」になっているが、ラテン語原文はより正確には「ヌンク・イギトゥル・ウァーデ・エト・ペルクテ・アマレク・エト・デモリーレ・ウニウェルサ・エイウス・ノン・パルカス・エイ・セド・インテルフィケ・ア・ウィロ・ウスクェ・アド・ムリエレム・エト・パルウルム・アトクェ・ラクタンテム・ボウェム・エト・オウェム・カメルム・エト・アシヌム」となる。
元の聖書の内容は以下の通り。
1:サムエルはサウルに言った、
「ヤハウェは私を遣わして、あなたに油を注ぎ、その民イスラエルの王とされた。今、ヤハウェが言われる言葉を聞きなさい。
2:万軍のヤハウェはこう言われる、『わたしは、アマレクがイスラエルにしたこと、すなわち、イスラエルがエジプトから上って来たとき、その道を妨害したことに対し、罰を与える。
3:さあ、行ってアマレクを打ち、アマレクに属するすべてのものを聖絶せよ。容赦してはならない。男も女も、子供も乳飲み子も、雄牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ』」。
(『〈旧約聖書Ⅴ〉サムエル記』池田裕訳、岩波書店、1998年、p. 77)
苗字
出身国ポーランドは東ヨーロッパ地域ではチェコ、スロヴァキア、ハンガリーと並びカトリックの国。ポーランド語の女性の人名は性変化するため、「ソコウォースキー」という音に近いものからSokołowski(「ソコウォフスキ」)と仮定した場合、Sokołowska(「ソコウォフスカ」)となる。