「実際良いぞ、ルースター。それに優秀だ。」
演:グレン・パウエル
日本語吹替:中村悠一
概要
『トップガン』シリーズの登場キャラクター。
本名はジェイク・セレシン（Jake "Hangman" Seresin）で、コールサインはハングマン。アメリカ海軍に所属するF/A-18E/Fのアビエイターである。
※以下、本記事には映画のネタバレが含まれるため注意。
活躍
『トップガン マーヴェリック』（2022年）
某ならず者国家のウラン濃縮プラントの破壊する極秘任務を実行するトップガン卒業生であるアビエイター達の候補の一人として登場（階級は大尉）。絞首刑執行人を意味する『ハングマン』のコールサインを与えられているが、同じトップガンを卒業したフェニックスからは、対抗心から『バッグマン（鞄持ち）』と揶揄されている。
今回、選出されたアビエイターの中では、唯一撃墜記録を誇る等（フェニックス曰く、撃墜した相手は朝鮮戦争時代の旧式戦闘機だったらしいが）、実力は確かだが、若き日の主人公、マーヴェリックを思わせる自信過剰な性格。加えて、その性格から相手の事情を鑑みず、下に見る様な軽口を叩きがちで、アビエイターの間でも軋轢を生んでしまう傾向にあった。特にルースターとは折り合いが悪く、彼の慎重過ぎる操縦に対して「トロい」と批判したり、マーヴェリックとの確執に度々触れていた。
マーヴェリックの下で、『渓谷を低空飛行で抜けた後にプラントへ急降下爆撃を行い、ハイGで渓谷を脱し、地対空ミサイルを回避する』という高難易度の本ミッションを達成するための厳しい訓練を受けるが、訓練の際も無茶な操縦を行ったり、僚機を見捨てる等、周囲を顧みない問題行動を起こしていた。
更にマーヴェリックとグースの過去をネタに「過去に拘っている時間は無い」と軽口を叩いたことで、アビエイター達の間に摩擦が生じさせてしまう。
しかし、マーヴェリックの後ろ盾となっていたアイスマンの死後、彼に飛行禁止を言い渡した上で後を引き継いだサイクロンは、高高度の水平飛行からの爆撃という無難なミッション内容に変更を試みるも、マーヴェリックが独断で単機でのデモンストレーションを体を張って成功させた事で、彼の提案をしてミッションが遂行可能であると否が応でも認めざるを得なくなる。その際はハングマンをして「凄い」とこぼしていた。
そして、いざ迎えたミッション当日。マーヴェリックを飛行編隊長として、単座機と複座機のペアを二組の計4機で飛ぶ事が決まり、当然自分が選ばれると信じ切っていたハングマンだったが、マーヴェリックがウイングマンとして選んだのは、彼が無理だと断じていたルースターで、自分はスペア機として待機となった。彼が選ばれた当初こそ、悔しさを滲ませる様な表情を見せていたが、作戦の直前にルースターと対峙すると、「地獄を見せてやれ!」と選ばれた彼に激励を飛ばした。
遂に作戦が実行される中、マーヴェリック率いる飛行編隊（以降、コールサインよりダガーズ）は、見事ウラン濃縮プラントの破壊に成功し、待機していたハングマンは、成功の無線を聞き、笑顔でガッツポーズを決めるが、爆撃が完了した矢先、ダガーズは待ち受けていた地対空ミサイルの飽和攻撃を受ける。回避機動中に徹するダガーズだったが、マーヴェリックがルースターを庇い、撃墜されてしまう。捜索を行おうとするルースター達に対し、哨戒中の第5世代戦闘機にマークされたため、司令部は撤退を決意。それに対し、待機するハングマンは、援護のために発艦を要求するが、不許可となってしまう。
しかし、マーヴェリックは生きており、後を追って撃墜されたルースター共々、敵軍のF-14を操縦して脱出。哨戒中の敵戦闘機とドッグファイトになるが、辛くも全装備を使い切って撃墜する。
ところが、更にもう1機に襲撃され、必死に逃げる中、マーヴェリックは海上で脱出をしようと上昇するが、脱出ハンドルが動かず、二人は死を覚悟するも、突如ミサイルを発射した直後、敵戦闘機は撃墜される。爆散した機体の後ろから現れたのは、ハングマンの操縦する機体だった。
「こんにちは、ご搭乗のお二方。此方、貴方の救世主。」
そして、無事に空母に帰還したハングマンとルースターは、ようやくお互いを認め合い、握手を交わす。
余談
劇中で度々、ルースターを見下す様な軽口を見せていたが、フェニックス共々、彼のマーヴェリックとのわだかまりがあると気づいたのは、ハングマンだけであり、ミッション前のシーンでの激励からも分かる通り、実際は彼なりにルースターを気に掛けていた事が示唆されている。
