概要
正式タイトルは『ジョーカーの国のアリス~Wonderful Wonder World~』。
ルイス・キャロル作の児童文学作品『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をベースにQuinRoseから発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲーム(乙女ゲーム)である。
『ハートの国のアリス』『クローバーの国のアリス』の続編で、次作に『ダイヤの国のアリス』、ファンディスクの『おもちゃ箱の国のアリス』の原作設定では今作の国が下地になっている。
2009年10月31日にPC版、2011年10月27日にPSP移植版が発売された。
前作の世界観を引き継ぎ新たに『エイプリル・シーズン』が訪れた不思議の国を舞台に、主人公と住人らとの物語が描かれる。
今作では『クローバーの国のアリス』で弾かれたメリー=ゴーランドとユリウス=モンレーの二人が復活。更に新たなキャラクター『ジョーカー』が加わり、ストーリーに影響を及ぼしていく。また主人公の過去や『ハートの国のアリス』シリーズ全体における不思議の国の謎の深部にも大きく触れる展開となっている。
シナリオは五月攻。
ストーリー
不思議の国のアリスを踏まえつつ、まったく異なるストーリー展開の恋愛アドベンチャーゲーム。
メルヘン調な世界なのに、帽子屋がマフィアだったり銃撃戦が珍しくもなかったりと物騒な世界。現実主義で、夢見がちなところが皆無な主人公。
「ジョーカーの国のアリス」では、本来ならこの世界には有り得ない、四季に絡む物語が展開。サーカスと共にエイプリル・シーズンが到来し、嘘つきの季節が訪れる。
表では楽しく賑やかなサーカスと、裏にある監獄。主人公は、不思議の国に相応しく矛盾だらけの四季を過ごしながら、少しずつジョーカーに囚われていく。
キャラクター全員が知人という関係からのスタート。それぞれの形で主人公を大切に思っている。主人公をジョーカーから守ろうとしたり、更に突き落とそうとしたり、想い方は様々。四季の移り変わりも、それぞれまったく違う形で楽しませてくれる。
主人公は今まで、キャラクター達との付き合いが長くなっている。全員とある程度仲がよく、それでも今まで恋愛関係に陥っていない。相手のことは憎からず思いつつも、踏み出すことのなかった関係。恋愛面においては、そこであえて踏み出す部分、『ちょっと意識していた友人と恋に踏み出す』部分について深く描かれている。
甘酸っぱかったり、切なかったり、危険だったり……。キャラクターによって、言動や展開も様々。四季を通しての恋というだけでなく、ジョーカーの存在や、前作で離れてしまった相手の存在も影響してくる。
楽しくも、穏やかではない季節。いつ別れるとも知れない刹那感が加わり、今までとは違った形の恋愛模様になる。
常識の通じない世界で、現実主義の主人公に、まともな恋愛は出来るのか―――。(PC版公式サイトより)
ジョーカーの国
『ハートの国のアリス』『クローバーの国のアリス』にあった時間帯変化に加わり、新たに季節が展開される『エイプリル・シーズン』が訪れている。
領土はそれぞれ『春のハートの城』『夏の遊園地』『秋の帽子屋屋敷』『冬のクローバーの塔』『サーカスの森』の五つに分かれており、各領土によって訪れている季節が異なっている(森に季節は存在しない)。
また今回は領土間を自由に移動する事が出来ず、他領土を訪れるには『サーカスの森』に行ってジョーカーとのカードゲームに勝利し季節を変更しなければならない。
国を司る領主は何らかの催事を行わなければならず、今作では一定期間毎にサーカスの森でサーカスが開催される。純粋にイベントを楽しむだけかと思いきや、住人達からはあまり快く思われていない。
登場人物
アリス=リデル | 『余所者』の少女(名前変更可)。卑屈で自虐的、特に色恋沙汰関連を敬遠している。ハートの国へ誘拐された当初は元の世界に帰ろうとするが、最終的にこの世界に残る事を決めた。CV:無し |
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ブラッド=デュプレ | 『帽子屋』。帽子屋ファミリーのマフィアのボス。頭は切れるがかなりの気分屋で、常に気怠げな雰囲気を漂わせている。主人公の初恋の人間と瓜二つの容貌。所属は帽子屋屋敷。CV:小西克幸 |
エリオット=マーチ | 『三月ウサギ』。帽子屋ファミリーのNo.2。誰もが認めるウサギ耳を本人だけが認めていない、気のいい兄貴分。大のにんじん料理好きだがにんじんそのものは嫌い。所属は帽子屋屋敷。CV:最上嗣生 |
トゥイードル=ディー・トゥイードル=ダム | 二つ名は不明。帽子屋屋敷の門番。基本は青服青目で休憩好きなのがディー、赤服赤目でお金好きなのがダム。悪戯好きなトラブルメイカー。所属は帽子屋屋敷。CV:福山潤 |
ビバルディ | 『ハートの女王』。ハートの城の女王。無慈悲で残酷、敵味方問わず斬首刑を執行する傲慢な美女。可愛いものや猫が好き。所属はハートの城。CV:甲斐田裕子 |
ペーター=ホワイト | 『白ウサギ』。ハートの城の宰相。主人公をハートの国に引っ張り込んだ張本人で、盲目的に彼女を愛している。主人公以外は皆嫌いな潔癖症。所属はハートの城。CV:宮田幸季 |
エース | 二つ名は不明。ハートの城の騎士。壊滅的な迷子癖を持つ不幸体質だが、物事を前向きに考えるいい人。時計屋ユリウスとは友人で頻繁に彼の元に通っている。所属はハートの城。CV:平川大輔 |
メリー=ゴーランド | 『侯爵』。遊園地のオーナー。陽気で朗らかと比較的常識人だがこと音楽が関係すると色々な意味で壊れる。服装と音楽センスはマイナス寄り。所属は遊園地。CV:堀内賢雄 |
ボリス=エレイ | 『チェシャ猫』。森の代わりに現れた遊園地に再び住む居候。なぞなぞ好きで自由奔放、飄々としたイマドキの猫で銃が大好き。滞在場所が夏になったせいで少々バテ気味。所属は遊園地。CV:杉山紀彰 |
ピアス=ヴィリエ | 『眠りネズミ』。一見癒しキャラに見えるが仕事は血生臭い。気弱で自分に自信が無いが思い込みが強く、不眠症を患っている。元は帽子屋屋敷に滞在していたがとある理由で家出中。所属は遊園地。CV:保志総一朗 |
ナイトメア=ゴットシャルク | 『夢魔』。クローバーの塔の領主。奇妙な言葉で主人公を惑わす半面、常に具合が悪くしょっちゅう吐血している。読心術を持ち、他人の夢に入り込める能力を持つ。所属はクローバーの塔。CV:杉田智和 |
グレイ=リングマーク | 『トカゲ』。ナイトメアの部下。事ある毎に逃げ出すナイトメアの仕事を忙しなくこなし、保護者のように彼の世話を焼いている。元暗殺者で剣の腕はエースと互角。所属はクローバーの塔。CV:中井和哉 |
ユリウス=モンレー | 『時計屋』。別名葬儀屋。根暗で偏屈で皮肉屋、人間不信気味のワーカホリックといった根っからの職人気質。ハートの騎士エースとは友人兼彼の上司の関係。所属はクローバーの塔。CV:子安武人 |
ジョーカー | サーカスの団長兼監獄の所長。催すサーカスで住人を楽しませながら、裏では罪人を取り締まる役人の顔を持つ。同姓同名が二人居るため主人公は「ホワイトさん」「ブラックさん」と呼び分けている。所属はサーカスの森。CV:石田彰 |
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