概要
騎士団の中でも神殿を守る「神殿騎士」に所属する女性騎士。
弱冠18歳にして周囲を纏め上げるカリスマを持っており、本人も生真面目な性格で騎士団の理想を世界に広めることを正義と疑わない。
あまりにも生真面目すぎて、進む方向を誤れば途端に危険人物になってしまう好例。
「理想は過ぎると毒になる」とはよく言ったもの。
キャッシュ編では、七大驚異の征服を掲げるがレオンに利用される形となり、ルートによっては途中で見捨てられる。
あるいは、七大驚異の力に魅了されかけた所を、キャッシュの指摘により、考えもしなかった七大驚異の凶悪な一面を垣間見ることになる。
ルビィ編では、七大驚異征服のための活動をしている最中に、現地で手に入れた「テトラフォース」という四角錐型のエネルギー体の力に冒され、狂気を帯びていく。
彼女の性格が真っ直ぐだったために染まりやすかったことが強く影響しており、逆に適当な性格のルビィは手に入れてもなんともなかった。
最後はとりつかれたようにルビィと対峙。
テトラフォースは、目的意識を強くまっすぐ持った者ほど悪影響を与える性質を持つ。そのため、純真過ぎたゆえに狂気の純度もまた後戻りできないレベルまで高くなっていった。結果、野心家・根っからの悪党・存在自体が害悪を及ぼす性質のいずれでもないにもかかわらず、カオス・ルーラーに憑依されたのち、現世に戻ってくることはなかった者の1人となった。
ちなみに混沌に飲み込まれながらも生還して和解することができたのはキャッシュ編のレオン、ジュディ編のクライド、アーミック編のユンの三名。彼らの場合は主人公もしくは仲間に打算抜きで心配してくれる存在がおり、敵対した上記の3名も各々のシナリオではそのメンバーに対しては敵意以外の特別な思いを抱いていたことから絆が出来ており、そこから何とか生還に繋がったと思われる。
そう考えると若くしてエリート街道を突き進んだ結果逆に自分に対して等身大で付き合ってくれる人間がいなくなってしまい、ルビィに対しても友情を築く前に精神を汚染されて自身が更なる高みに上り詰めるにあたっての障害としか看做せなくなってしまったのもルビィ遍の彼女の不幸といえるかもしれない。一方キャッシュ編ではありのままの自分を見て諭してくれるキャッシュという師匠が出来たので、是非とも自分を見つめなおし周囲の人間との交流を深めてほしいものである。
前座としての強さ
カオス・ルーラーの前座としては唯一部下を四人引き連れ複数対同時に相手どることになる。
が、このゲームはモンスターの攻撃回数の計算も少々特殊で最大で7回にしかならない。しかもジーンのほうには状態異常を起こす攻撃がなくHPは750しかないので高レベルの技を少し叩き込むだけですぐにLPががりがり削れる状態になってしまう。更にはジーンも部下もピュリファイというHPを回復する術を使ってくるが最大HPがHPだけに攻撃を受ければすぐに0になるし、LPまでは回復できないので半ば手抜き行動になってしまっている。
彼女から受け継ぐ(そしてピュリファイなどにかまけて彼女本人はそこまで使ってこない半分宝の持ち腐れ状態の)百花繚乱もただLPを削る攻撃でしかないため全員のLPにかなりの余裕があるルビィ編ではそこまでプレッシャーにならず、かなり戦いやすい部類に入る。
余談
アンサガのシステム的な前身に「ワイルドカード」というゲームがあるのだが、そこには「ジーン・ノーマン」という同じ名前のキャラが登場する。
ワイルドカードはほとんどストーリーが存在しない純粋なハクスラゲーなのだが、その中でジーン・ノーマンは珍しく加入イベント等で掘り下げられており、「正義感あふれる女騎士」という点も同じであることから、ジーン・ムーアのモチーフになったキャラクターの可能性が高い。
ただしジーン・ノーマンは純粋な味方キャラで、むしろ仲間の「ケネス・パウルス」の暴走に反発して騎士団を脱退し、その後ケネスは黒幕候補になるという顛末(上述通りストーリーがほとんど無いので推測)であり、このケネスとジーン・ノーマンを合わせたのがジーン・ムーアだと思われる。
関連
イスカンダール:アンサガ世界の古の英雄(かつルビイ編の仲間。つまり彼は自分を尊敬していたが道を外れ堕ちたジーン・ムーアと戦う)で嘗てはジーンと似たような「正義の名のもとに世界を統一する」という思想だったが、彼の場合は人の意見を聞く耳を持っており最大の盟友であったリース・トーレスの勧めで出会った古代人の末裔から文明崩壊の真相を告げられ考えを改めたという過去がある。いわばルビイ編のジーン・ムーアのIFともいえる存在。