概要
スチールドラムとはドラム缶の底を叩いて凹ませて、場所によって特定の音程を出せるよう調律したトリニダード・トバゴ発祥の打楽器。
豊富な倍音を含む独特の音色を持ち、カリブ海と言えば『あの音』と思い浮かぶほど印象的である。
19世紀半ば、イギリス統治下で音楽並びに楽器を持つことを禁止されたトリニダード・トバゴの黒人たちがたまたまドラム缶の底を叩くと場所によって音程が違うことに気付いたのが起源とされる。現地では『スチールパン』または単に『パン』と呼ばれる。
楽器製作に必要な物が輪切りにしたドラム缶と金槌(石でもOK)だけ、技術的には目的の音が出るまで叩くだけ、というお手軽さだが、調律には卓越した技術が必要で決してお手軽とは言えない。