概要
木村博氏によって書かれた論文、六人社刊『民間伝承』四十五巻二号「伊豆の妖怪譚」に掲載される怪異。
静岡県熱海市下多賀に伝わっているもので、夜磯(夜の潮干狩り)をしていると、突然覆い被さってくるものなのだという。
スマブクロとは麦を脱穀したときに出るフスマを入れる袋のことで、この袋のような姿をしている妖怪であると想像されている。
この妖怪はツイッターの伝承妖怪お題絵において、平成26年4月のお題として出され、妖怪絵師によって新たな姿が与えられた。
なお同地域には、「ナライブシダ」という晩秋から初冬にかけての冷たい風が吹く頃に、夜に神社下の浜を歩いていると現われるイナブラさん(稲叢さん)という類似した怪異が記述され同一視されている。
急いで逃げようとすると急いで追いかけてきて、立ち止まるとむこうも立ち止まるといわれるが、覆い被さられた者は死体すらも残らないという怖ろしい言い伝えもある。