概要
第5章「V.劫火」において登場した、神栖66町の水路に潜んでいた鯨を思わせる大型の水棲生物。
その大きな身体に不釣り合いな、まるで蚊のような頭部を持ち、名前の通り細い口吻から炭の粉末を勢いよく噴き出して水を濁らせ、大気中においても噴出可能で視界を遮ってしまう。
アニメ版では終盤の第二十話「冷たい日だまり」から登場し、黒と赤の縦縞模様の蛭のようにも見える姿であった。腹部の下には尖った短い支持肢のようなものが数本ある。
なお独自展開が多い漫画版には登場しなかった。
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小説の下巻およびアニメ未視聴者は注意
ネタバレ
その正体は生活に水路が用いられている神栖66町を襲撃し、そこに住む呪力を持つ人間を殺害することに特化した、全く違った姿に調整されたバケネズミの変異種であった。
口から噴き出す炭の粉末は、人間が呪力を使うのに必須な視界を遮るばかりではなく、口先の火花点火器官を用いて自身および周囲を粉塵爆発で吹っ飛ばす自爆テロを行うのに使用された。
かつて関東に侵入して暴れ回った外来種のバケネズミ「土蜘蛛」が使役していた、自爆能力を持つ風船犬やその他様々な外見や能力を持った兵士たちは、女王が任意で産み分けることによって誕生している。
呪力使いの人間の支配にあがなうため、表面上はギリギリ駆除されない範囲で勢力を拡大していた塩屋虻コロニーによって、このときのために人に紛れて暗殺を行うヒトモドキとともに計画的に生み出されたものであった。