概要
現実のハダカデバネズミと姿形が良く似ており、真社会性を持つ。ただし人類よりは小柄であるが、現実のハダカデバネズミよりはるかに巨大。知能はチンパンジーと同等かそれ以上であり、独自の言語で会話する。
女王を中心とするコロニーを形成し、人類によって各コロニーには昆虫(というより節足動物)の名前が付けられ(木刀蛾、塩屋虻、大雀蜂など)、働きを認められた個体には「○○丸」の名が与えられている一方で、本名に当たる名前を持つ個体もおり、野狐丸であれば「スクィーラ」といった具合。
女王はネズミ同様に複乳…なのだが、どういうわけか人間同様に乳房が大きく発達している。
神栖66町周辺に10個ほどのコロニーが存在しており、中でも大雀蜂コロニーは関東でも最大級。
各コロニーどうしの関係は友好的なものもあれば、対立しているものもあり人類の歴史でいえば戦国時代に酷似している。
コロニー同士で対立が起こると女王は殺され、戦利品として幼体は労働力として育てられ、用済みになれば肥料などに利用される。
人類に対しては「かみさま」と恭順し、呪力を使うほどでもない単純作業や、集落外での様々な資材の収集などの労役に駆り出されており、連絡役には人間の言葉を話し、統率力の高い個体が選ばれる。
近年「土蜘蛛」とよばれる攻撃的な外来種の侵入も確認されている(この呼称はおそらく「まつろわぬ民」としてのダブルミーニングでもあるのだろう)。
表向きは人類に従順なフリをしつつ、自分たちの目的のために人類を体良く利用しようとする者たちも少なくはなく(野狐丸一派など)、子供がバケネズミに近付く事は良しとされていない。
全ての個体がネズミのような姿をしているわけではなく、土蜘蛛コロニーの中には毒矢を吐き出すカエル型や地面を掘り進む土竜型、木の葉型も確認されており、彼らは骨格の構造からして異なる変異種である。
学名は「Homocephals Glaber」が提案されていた。
植物のオリーブなどと同じく、23対46本の染色体を持つ。
関連項目
ボノボ:この世界の人類が参考にした生物。バケネズミと同等の知能を持つチンパンジーとは気性面で比較される事がある。
以下ネタバレ注意
真の概要
その実態は…
呪力で生み出されたハダカデバネズミの進化系…などではなく、非能力者の存在を良しとしない能力者が彼らの遺伝子を操作して生み出した生命体、要するに非能力者の成れの果てである(作中史の暗黒時代では非能力者を奴隷とした王朝が存在していたぐらいなので、非能力者はこの頃から既に弱い立場に立たされていた)。
そのため知能は元同族である能力者と大差はなく、かつて囲碁の本を下賜されただけで軍略を理解して実践しており、資料を手に入れてコンクリートや火縄銃などを次々と実用化した(個体数が多く生き残るために必死なため、蓄積された知恵や開発力は能力者以上かもしれない)。
彼らの外見が醜くされた理由とは、能力者の遺伝子に備わった「人類と認識している相手」を殺すと自身も死んでしまう愧死機構の発動を防ぎつつ、用済みとなれば殺せるようにするためであった。
スクィーラが自らを「人間」と主張し、現生人類に反旗を翻したのもこの為。