CV:飛田展男
概要
国王軍の大将軍で、肝心の国王が子供のような性格なので事実上何十年にも渡り実権を握っている老人。
実年齢は不明だが30年以上前に従軍していたラオが通信傍受越しに大将軍が未だ健在であると知った際にまだ生きていたことを驚いていたことから、当時の時点ですでにかなりの高齢だったと思われる。
狡猾な性格であり、裏ではサンドランドの水不足にまつわる悪事を働いているという噂もある。
本人は国のための正義だとしてこのような行動をとる理由としているが、他者から見れば富と権力の亡者としか思えない。
外見
禿頭に深い皺が刻まれた肌とは裏腹に機械人間となって生き永らえており、右目から頭にかけてメカ化している他、宙に浮かぶ丸いカプセルから頭と両手を出した姿をしている。
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以下、物語の核心に触れる重大なネタバレ
⚠️警告!映画SANDLAND未鑑賞の方は直ちに引き換えする事!!
- 30年前の真実
30年前にピッチ人たちがサンドランドを破壊する為の兵器を開発している情報を手に入れた軍により、兵器の破壊を命じられ、攻撃したが大爆発が起こり彼らは全滅した…というのが公にされた経緯であるが、これは欺瞞。 博識なシーフが知る真実はひどい話であり、30年前の事件はゼウら国王軍の陰謀。 科学力の高いピッチ人らは人工的に水を作り出す装置を開発していたのだが、水独占を企む彼らは真実を隠し、シバらに攻撃命令を下す。 その結果、装置開発に使われたアクアニウムが大爆発。アクアニウムの危険性はゼウらも知っていたが、反抗的で国民の人気も高いシバ将軍たちをまとめて始末す事るためにあえて伏せ、その結果部隊もピッチ人たちもほぼ全滅(後に少数の生き残りがいた事が明らかとなる)。
さらに言えばアクアニウムの提供元も国王軍であり、この爆発は故意のもの。
ちなみに国王に対しアレ将軍がカマをかける目的でこの一件の話を振られた際、(責任逃れをしたかったのか)ゼウ大将軍が発案者であることをバラしている。
- 国王軍の水源の正体
実は本作の舞台となる国サンドランドがわずかな水で国民が軍に支配されるディストピアと化した元凶であることが示唆されている。
アレ将軍からのリーク情報を元に辿り着いた地域でベルゼブブ一行が見た物。それは巨大ダム。国王軍は水が枯渇したように見せかけて、水を独占していたのだった。
全く雨が降らなくなったと思われていたサンドランドだったが、南部の方は海に面しており、まだ降雨の起こる地域が残っていた。そこにダムを建設して唯一の川を堰き止めていた。しかも売り付ける分以上の水は海に放水していたほどである。これが水源の正体にして川が干上がった元凶であった。
この国民から徹底的に富を搾り取る強欲な政策には悪魔たちもドン引きしていたが、それに対してラオは「こんなことを考えるのはゼウぐらいだ」と確信めいた推測を述べている。
- 末路
原作漫画
長らく富と権力を肥やしていたが、ひた隠しにしていた水源にラオが急接近、しかも目撃情報から彼の同行者は砂漠で最も恐れられている悪魔ベルゼブブだと判明。
もはや秘密がバレるのも時間の問題となり、彼らを殲滅すべく未完成の生物兵器虫人間の投入を決意、空輸手段が無い為自らの飛行機械で運び、彼らを自ら抹殺を図る。
虫人間はその圧倒的な身体能力でベルゼブブを追い詰めるものの、一方的に痛めつけられた彼は理性が飛ぶほどに激怒、暴走状態となり今度は逆に虫人間を圧倒する。大暴れしてようやく理性を取り戻したベルゼブブは戦いはもう止そうと話をつけようとするが、ゼウは虫人間を見捨て制御装置代わりに体内に仕込んだ自爆装置を起動し虫人間は大爆発。どうにか高い身体能力を持つベルゼブブは一命をとりとめるものの、大きく負傷してしばらく動けなくなってしまう。
その隙にゼウはラオの戦車の真上に周りこみ爆弾を投下し彼の抹殺を図る…
が!
突如どこから飛んできた砲弾がゼウの飛行カプセルを撃ち貫いた。
その弾が飛んできた方向を見ると情報をリークしてくれたアレ将軍の部隊が!
実はアレ将軍が水源の情報を流す直前、ラオとシーフから30年前のピッチ人の起こした爆発事件は、ピッチ人とシバ将軍の共倒れを画策した国王軍の陰謀だったと知らされる。彼の亡き父はシバ将軍の部下であり、彼も謀略に巻き込まれ命を落としていたのだった。当初は半信半疑だったが国王にカマをかける目的で通信をした結果、30年前の一件は本当だったと確証が取れてしまった。これにより、非道な政策に従わされていただけでなく国王軍のトップらが父の仇だったと知り、大将軍に対し反旗を翻したのだった。
こうして謀略を張り巡らせ富と権力を得た男は、自分の計略の犠牲になった人物の遺族の手によって地に叩き落とされたのだった。
2023年劇場版アニメ
こちらでも原作同様にラオとベルゼブブの水源接近阻止のため未完成の虫人間投入して抹殺を図るのは同じなのだが、虫人間の研究所がアクアニウムを動力とする地中移動可能な移動要塞化。さらに虫人間が複数個体出撃と、アニメ映画らしくより大規模な作戦へと変更されている。
やはり原作通り圧倒的な身体能力と数の暴力で追い詰めるが、ベルゼブブが暴走され一斉に戦闘不能、そしてゼウに強制自爆させられてしまう。
だが戦いの隙を付きラオが研究所に侵入、屋根の上で直接対決となる。一度は戦いで優位に立つが、こちらでもアレ将軍の反乱による砲撃でカプセルを撃ち抜かれて形成逆転。
要塞に墜落し追い詰められ命乞いするゼウに対し、これ以上の犠牲を望まむラオはとどめを刺すのを中止してしまう。だがそんな彼の優しさをつきゼウはカプセルのパーツをパージし上空へと逃走、残りの虫人間を一斉自爆させて付き従っていた兵士もろとも全員の口封じを画策。だが、爆発に巻き込まれたダメージが回復したベルゼブブが突撃、天高く吹き飛ばされてしまった。
ベルゼブブに吹き飛ばされる前に彼からは「悪魔よりワルだなんて、許されると思うか…?」と言われ、そもそも不殺主義であるベルゼブブがそれを破り命を奪わざるを得ないほどの悪人である事が強調される形となった(映画版の方針で直接の死は描かれていないが、『THE SERIES』にてそのまま死亡した事となっている)。
- SAND LAND: THE SERIESでの追加設定
元々ダムのあった基地は南のフォレストランドとの国境沿いに建設された要塞であり、フォレストランド軍の侵攻を食い止める役割も果たしており、やがて水源の利権を求めたゼウによりダムが建設され、フォレストランドとの不可侵条約を締結させた事により長年平和を維持していた。
ゼウの「平和を乱すような真似をするな」という台詞もここから来ていると思われるが平和維持と独裁を履き違えたらダメだろ...。
そしてゼウが死んだ事で警戒が緩んだのを機にフォレストランド軍が動き出し、フォレストランド編が始まる事となる。
- 真の関連タグ
異界滅神ジャゴヌバ…キャラデザ、声優、黒幕繋がり。