概要
タイ王国の国鉄は1890年に設立された鉄道局がはじまりである。1897年3月26日にタイ初の鉄道であるバンコク・フワランポーン~アユタヤが開業した。この当時からイギリスとドイツの主導権争いがあり、バンコク・ファランポーンを拠点としドイツの支援を受ける北線鉄道局とバンコク・トンブリーを起点としイギリスの支援を受ける南線鉄道局の2つの組織が並立していた。1917年に両社が合同しシャム王国国有鉄道局が誕生した。1927年には2つの鉄道をつなぐ連絡線が開通し名実ともに統一組織となった。
1942年、タイを占領した日本軍は「泰緬連接鉄道」の建設を決定し、1943年にタイ・ノーンプラードゥック~ミャンマー・タンビュザヤの鉄道を完成させた。工事は劣悪な環境の中で捕虜の強制労働・「ロウムシャ」の酷使によって多数の死者を出し死の鉄道と呼ばれた。これが悪名高い泰緬鉄道である。
このような死の鉄道はタイ国内ではこの他にチュムポーン~カオファチーにクラ地峡横断鉄道が建設された。
日本の敗戦後クラ地峡横断鉄道は撤去、泰緬鉄道は一時期「西線」と呼ばれしばらく連合軍によって運行が続いたものの後に大半が撤去され、残存区間はタイ国鉄に5千万バーツで売却、1949年から58年にかけて再整備が行われ,
南本線ナムトック支線として再出発した。
1949年には唯一の私鉄だったメークローン鉄道が国有化され「メークロン線」「マハチャーイ線」と改称された。
1951年に現在のタイ国有鉄道(通称:SRT)と改称される。
1979年に泰緬鉄道で使用されていたC5644が大井川鐵道に買い取られ、日本への帰国を果たした。