概要
愛称はKORAIL。
全線で標準軌の1435mmを採用。複線化されている線区では、日本と同じ左側通行になっており、ソウルメトロ(右側通行)などとはねじれが発生している。
主な路線
KTX(韓国高速鉄道)
- 京釜高速線(京釜高速本線) : ソウル駅と釜山駅とを結ぶ。日本でいう東海道新幹線に相当する重要路線。
- 湖南高速線(湖南高速本線) : ソウル駅から大田駅経由で木浦駅へ向かう。ポジション的には日本でいう東北新幹線か上越新幹線に相当する。
- 仁川空港鉄道 : 「KORAIL空港鉄道」「仁川國際空港線」ともいう。ソウル駅と仁川国際空港とを結ぶ空港線。日本でいう成田エクスプレスに相当する。
在来線
- 京釜線(京釜本線) : 韓国2大都市の代表駅であるソウル駅と釜山駅とを結ぶ。日本でいう東海道本線に相当する重要路線。
- 湖南線(湖南本線) : 西大田駅と木浦駅とを向かう路線。韓国第2の幹線で、ポジション的には日本でいう東北本線か山陽本線に相当。
- 中央線(中央本線) : ソウル郊外の清凉里駅と韓国東南部の慶州駅とを結ぶ路線。首都圏の区間は電鉄線化されている。
- 慶全線 : 韓国南部の三浪津駅と光州松汀駅とを結ぶ路線。光州松汀駅で京釜線と合流し釜山駅方面へ直通する。
など
首都圏電鉄線
日本の旧国鉄でいうところの国電にあたる線区。
- 京釜電鉄線・京元電鉄線:ソウルメトロ1号線を介して、逍遥山駅と温陽温泉駅とを結ぶ路線。ポジション的には日本でいう京浜東北線。もともとの京元線(京元本線)は龍山駅から漢江に沿って清凉里駅を経て、北朝鮮区間に路線が伸びていたが、朝鮮戦争によって新炭里駅で分断され、さらに首都圏電鉄化ののちに龍山駅〜清凉里駅の区間は中央電鉄線の一部になっている。
- 京義線(京義本線):ソウル駅と都羅山駅とを結ぶ路線。こちらも南北分断路線で、現在は首都圏電鉄化され、多くは中央電鉄線へ直通する。
- 京仁線:1899年に日本の資本で開業した、韓国最初の鉄道路線。現在は全線が首都圏電鉄の一部で、九老駅と仁川駅とを結び、中にはソウルメトロ1号線を介して逍遥山駅に発着するものもある。終点の1つソウル寄りにある東仁川駅まで約25kにわたり複々線化されており、各停や急行に加え、首都圏電鉄で唯一、特急も運行されている。
- 水仁線:文字通り、水原駅と仁川駅とを結ぶ路線。かつては韓国最後のナローゲージ路線として知られていたが、1995年12月末に一旦廃止。交流電化・1435mmへの改軌などの路線改良を経て、首都圏電鉄線の一部として2012年に再開業した。
など
車両の特徴
- 現有車両共通:戦後すべて番号だけで管理しようとしたため、番号体型は複雑怪奇である。頻繁な改番もザラであり、新形式にまとまった番号枠を明け渡すために既存形式の番号をしょっちゅう改番してきている。鉄道庁時代まで、機関車・気動車・電車をすべて「動力車(割当番号100~9999)」の一括りの枠で管理していたため枠が枯渇しやすかったという背景もある。機関車だけならなんとかなるため2018年の現状でもこのままであるが、電車などについては完全に枠組みが破綻し、大きく飛んだ英国式の6桁車番に変わった。逆に日本時代から引き続き使われた蒸気機関車については形式のカナ表記をハングル+数字(パシコ→퍼시5など)に書き直した以外殆どそのまま用いており、枠の枯渇とは無縁であった。
- 客車:戦前の朝鮮総督府鉄道時代以来、客車の車体に車番表記が無いように見える。実は台車の側枠に書いてあり、客車については現在でも例外は電源車・暖房車くらいである。また古く戦前から近距離普通列車に特化した客車(日本国鉄のサハ48形にステップを付けたような車両)を多用しており、日本とは逆に優等車両の格下げが進むとラッシュの乗り降りに不適な長距離型の客車がローカル列車に多くつながるという現象が見られた。
列車種別の特徴
首都圏電鉄を除く在来線には、急行格のセマウル号(セマウル運動に由来)、快速・普通格のムグンファ号(国花のムクゲに由来)がある。
かつて普通格はトンイル号(統一に由来)やピドゥルギ号(ハトに由来)だったが、ピドゥルギ号は廃止、のちに普通格を継いだトンイル号も、ムグンファ号に統合または、電鉄線網の拡大に伴いそちらの一部に組み込まれるなどして消滅した。なおピドゥルギ号は最後まで非冷房車で運行されていた。
その他
KORAILでは「声優を使った案内放送の制作は約1ヶ月がかかるため、工事情報とか、ちょっとした変更に対応しづらい」との理由で自動放送のTTS化が行われており、従来の放送が聞き納めとなっている路線が多数ある。ちなみにTTSは日本で言うReadspeaker(旧Voicetext)であり、日本でも聞き覚えのある音声だが、やはり合成音声のため、発音がぎこちないなどの苦情が多い。