概要
『チャーチ・グリム』、『墓守犬』、『教会グリム』と表記される事もあるほか、地域によっては『カーク・グリム』、『キルコ・グリム』、『キルケ・グリム』とも呼ばれる。
教会や墓地を冒涜的存在から守る動物霊で、大抵はヘルハウンドの様な赤い燃えるような眼をした黒犬の姿を取る事が多いが、豚や馬、子羊の姿を取る事もあるとされる。
教会に属している性質から、基本的に温和な性格をしており、墓荒らしから墓地を守る以外には人を驚かせたり傷つける事は無く、道に迷った子供を助けたり、教会の葬儀の際に鳴らされる鐘の音に合わせて遠吠えを上げて、死者の魂の行き先を神父に知らせる等、人間を守護する立場にある。
だが、地方によっては教会の鐘突きを勝手に行う、蝋燭や聖水を飲食する等の悪戯をするが、上記の善行を理由に咎められる事はなく、教会関係者は見て見ぬふりで過ごすとも伝わる。
地域によってはバーゲストと同じく、死を予兆する亡霊として恐れられていると言う。
と言うのも、チャーチグリムに通ずる霊的存在は、『教会を建築する際に生け贄として捧げられた動物』とされている為、その由来が歪曲して伝わったからではと推測される。