概要
チリにあるジュラ紀後期の地層・トキ層から2004年に発見され、2015年にチレサウルス・ディエゴスアレジと命名された。属名は「チリ産のトカゲ」を意味し、種小名は化石を発見した当時7歳のディエゴ・スアレズに由来する(なおディエゴ少年の両親は地質学者で、チレサウルスの命名者に名を連ねている)。
現在見つかっている化石は亜成体のもので全長1.6メートルほどだが、成体は2~3メートルに達し、歯や顎の構造から植物食だったと考えられている。また、前肢はティラノサウルス科のように二本指となっていた。
しかしながら分類は2022年現在、恐竜であること以外は謎に包まれている。
植物食傾向を示しながら獣脚類的な歯列、鳥盤類的な大腸を収容するためのスペースが設けられた骨盤や後ろ向きの恥骨、基盤的な竜脚形類のものと類似した前肢など、様々な恐竜に似た特徴を併せ持っており、分類は現時点でも不明である。
当初は基盤的な堅尾類として記載されたが、2017年には基盤鳥盤類と解析され鳥盤類は竜脚形類より密接に獣脚類と関連しているとする論文が出された。一方、2018年には基盤竜脚形類という解析結果が出たが、のちに鳥盤類説に同意している。
2022年には、最初の研究の系統解析に用いられた恐竜の種類の選択が作為的すぎるとする指摘がなされており、基盤堅尾類とする研究はさらに疑わしくなっている。