ポール・バーホーベン監督のSF映画。
アーノルド・シュワルツェネッガー主演。妻役はシャロン・ストーン。
1966年にフィリップ・K・ディックが発表した短編小説『追憶売ります』(We Can Remember It for You Wholesale)を映画化したもの。
タイトル画像のように、顔がガバッと左右に割れる視覚効果が話題となった。
2012年にレン・ワイズマン監督、コリン・ファレル主演でリメイクされている。
なお、1990年のバーホーベン版は非常に評価が高かったが、2012年のリメイク版は酷評されている。
因みにバーホーベン版は下手なホラー映画が真っ青な死体量産映画であり、バーホーベン監督らしいエログロ描写に溢れている。オッパイ三つの女で結構話題になったとか。(2012年版にもオッパイ三つ女は登場する。)
あらすじ(1990年度版)
平凡な建築士ダグラス・クエイドは、毎夜、行ったこともない火星での悪夢に悩まされていた。思い詰めた彼は、人工的に旅の記憶を植え付けるリコール社を訪れる。だが「火星で活躍する秘密諜報員」の記憶を移植する処置の途中、封印されていた記憶が蘇った。地球での幸せな暮らしこそが、あとから植え付けられた記憶だったのだ……
登場人物(1990年度版)
ダグラス・クエイド/カール・ハウザー
「諜報員。おいくらだ?」
本作の主人公。地球で働く平凡な建築士。毎晩火星での悪夢に悩まされており、解決の為にリコール社を訪れる。しかし、リコール社からの帰りに同僚であるハリー、妻であるローリーから立て続けに襲われ、「ダグラス・クエイド」と言う人間は元々存在していないと言う事を知ってしまう。逃避行の最中、火星の夢で見た相手、メリーナと再会し、自分はコーヘイゲンの側近だったハウザーであると知った。
メリーナ
「このロクデナシ! どれだけ心配したと思ってるの!?」
演:レイチェル・ティコティン
本作のヒロイン。火星レジスタンスのメンバー。火星総督ヴィロス・コーヘイゲンの圧政に仲間と共に立ち向かう。非常に戦闘能力が高く、射撃だけでなく徒手格闘もかなり強い。再会当初はハウザーがクエイドにされたことを信用せず追い返すが、のちにクエイドの窮地に駆けつけ、そこから彼の最高のパートナーとなった。
ローリー
「火星の悪夢を見たとは思えないわね。いつも火星のニュース見てるもの」
クエイドの妻。だが実際は監視役で、上司であるリクターとは情を通じていた。リコール社から帰ってきたクエイドを襲うも返り討ちにされ、気絶させられた。その後、火星でクエイドを不意打ち的に確保するも、メリーナの乱入を受けたが彼女を無力化。そのままトドメを刺そうとしたところにクエイドに邪魔される。そしてクエイドに「自分達は結婚していたんだから」と言って不意打ちをかまそうとするも、通じず脳天を撃ち抜かれた。
リクター
「あンの野郎、ぶち殺してやりたいぜ」
コーヘイゲンの部下。部下であるローリーとは情を通じており、他人が彼女に触れる事を嫌う。それ故にクエイドを激しく敵視している。戦闘能力は高いが直情的な性格で、火星の宇宙港でクエイドを銃撃した際に誤って窓ガラスを割って死者を出してしまったり(劇中の火星は真空に匹敵する低気圧なので、適切な装備なしに外に出ると死ぬ)、思い通りにならないと怒鳴ることも多い。リアクターでの戦闘でクエイドを追い詰めるも、リフトと梁に腕を挟まれて千切れて落下した。
ヴィロス・コーヘイゲン
「クエイドを殺そうとした挙句に取り逃がしやがって!」
演:ロニー・コックス
火星総督。火星でしか採掘できない「タービニウム」と言う鉱石の売買で巨万の富を得ているが、その実態は入植者に圧政を敷いている暴君。自身を悩ますクアトー率いるレジスタンスを壊滅させる為、側近のハウザーをクエイドとして地球に送り込んだ。火星のリアクターを稼働させようとするクエイドを阻止する為に予め設置していた爆弾を起爆したが、クエイドに邪魔されリアクターの破壊はならず、代わりに隔壁が破壊された。最終的に隔壁にあいた穴から吸い出され、苦悶の中で無惨に死んだ。
クアトー
演:マーシャル・ベル
「クエイド……リアクターを起動してくれ……」
レジスタンスのリーダー。火星の放射線の影響で人間が変異して生まれたミュータントで、レジスタンス構成員のジョージと肉体を共有している。記憶を操る超能力の持ち主で、それを使ってクエイドの記憶からリアクターの情報を取り出した。火星政府の襲撃からクエイド達を逃そうとしたが、ベニーによってジョージを殺され、自身はリクターに殺された。
ベニー
演:メル・ジョンソンjr.
「ようクエイド! 俺だよ! お前さんの親友、ベニー様だぜ!」
火星のタクシー運転手。実はミュータントで左腕が変異しており、義手をはめている。ミュータントでありながらコーヘイゲンと通じていた。火星の坑道でクエイドとメリーナを待ち構え、掘削機で押し潰そうとしたが、落ちていたドリルを拾ったクエイドに掘削機の油圧ホースを破壊されて攻撃力を奪われ、同じドリルで側面から刺し貫かれた。実は四人の養子を迎えているという裏設定がある。
登場銃器
- グンツGA9マシンピストル
クエイドが襲いかかってきたハリーから奪って使用。ローリーも使用。
火星当局の兵士が使用。クエイドも敵から奪って使用。ハンドガードなどが装着され、未来の架空銃のようなテイストになっている。
リクターが使用。パーツが追加され、未来の架空銃のようなテイストになっている。
火星レジスタンスが使用。拳銃サイズまで小型化されたものも登場。
火星当局の兵士とリクターが使用。プロップ用の追加パーツが取り付けられている。
語録(1990年度版)
- 「ローリー、夢の中の女にジェラシーかい?(I can't believe you're jealous of a dream)」
- 「毎晩夢の中で何してるの?(It's not funny, Doug! You dream 'bout her every night!)」→「それは君には言えない(And I'm always back in the morning)」
- 「引っ越そう(Let's do it)」→「どこへ?(Do what?)」→「火星だよ(Move to Mars)」→「あなた、せっかくの素敵な朝をブチ壊しにする気?(Honey, why do you have to spoil a perfect wonderful morning?)」
- 「ハリー! ハリー! リコール社って知ってるか!?(Harry! Harry! You ever hear of Rekall?!)」→「何だって?(Recall?)」→「リコール社だよ、偽物の記憶を売ってるっていう(Y'know, where they sell those fake memories)」→「ああ、あれか! リコール、リコール、リコールってやつ? 行くつもりか?(Oh Rekall! Rekall, Rekall, Rekall. You're thinkin' of goin' there?)」→「行くかもな(I don't know. Maybe)」→「やめとけ(Well, don't)」→「何故だ?(Why not?)」→「友達が特別コース試したんだが、廃人になっちまった!(A friend of mine tried one of their special offers. Nearly got himself lobotomized!)」→「マジかよ?(No shit?)」→「脳みそをいじられるんだぞ! 絶対やめとけ!(Don't fuck with your brain, pal. It ain't worth it)」→「そうだな(I guess not)」
- 「そこまでは無理だろう(C'mon, don't bullshit me)」→「脳が区別できないんです、本物ですよ(No, I'm telling you, Doug, your brain will not know the difference)」
- 「トリップは初めてですか?(Is this your first trip?)」→「まあね(Mmm-hmm)」→「今まで失敗したことはほぼないので、ご心配なく(Well don't worry. Things hardly ever fuck up around here)」
- 「めちゃお楽しみのトリップになるぜ! 帰りたくなくなるかも?(Oh boy, is he gonna have a wild time. He's not gonna wanna come back)」
- 「死ぬぞ! みんな死ぬ! 正体がバレちまった!(Get off, you! You blew my cover!)」→「何をやってんだ、この程度の記憶インプットでドジりやがって!(Th'fuck is goin' on here?! You can't do goddamn double implant?!)」
- 「この人、火星に行ったことがあるんだわ! 本当に行った事が!(Listen to me. He has been going on and on about Mars. He has really been there)」→「何を寝ぼけてんだ馬鹿が。記憶をインプットされて諜報員になったつもりでのぼせやがった!(Use your head, you dumb bitch. He just acting out the secret-agent portion of his Ego Trip!)」→「残念だけどそれはないわ(I'm afraid that's not possible)」→「何故だ(why not?)」→「まだ記憶をインプットしてないからよ!(Because we haven't implanted it yet!)」
- 「はっきり言うわ。この人、誰かに記憶を消されたのよ!(I've been trying to tell you. Someone has erased his memory)」→「待ってよねえ、『誰か』ってまさか当局のことじゃあ……(Excuse me. "Someone"? I mean, we're taikin' 'bout the fuckin' Agency)」→「おだまり!(Shut up!)」(スパン!
- 「このままじゃヤバい、こいつの記憶から俺たちやリコールのことを全部消しちまえ!(Renata, cover up his memory that he's got of us or Rekall)」
- 「ここはどこだ?(Where am I?)」→「タクシーの中です(You're in a Johnnycab)」→「俺はこんなところで何を?(I mean, what am I doin' here?)」→「申し訳ありません。もう一度言ってもらえますか?(I'm sorry, would you please rephrase the question?)」→「どうやってタクシーに乗った?(How did I get in this taxi?)」→「開いたドアからお乗りになりましたふほほほほ(The door opened. You got in)」
- 「何だよ一体!? 俺が何をしたって言うんだ!?(What th'hell's going on?! What th'fuck did I do wrong?! Tell me!)」→「したよクエイド! 火星の事をゲロっただろ!?(You blabbed Quaid! You blabbed 'bout Mars!)」→「正気か!? 俺は火星に行った事なんてないんだぞ!?(Are you crazy?! I don't even know anything 'bout Mars!)」
- 「よく聞いてあなた。リコールの奴らに頭をいじられて、まだ幻想から抜けきれていないんだわ(Listen to me, sweetheart. Those assholes at Rekall have fucked up your mind. You're having paranoid delusion)」→「これが幻想だというのか(You call this a delusion?)」
- 「言え。言うんだ!(Talk. I said, talk!)」→「あたしは妻じゃない!(I'm not your wife)」→「嘘をつくな(Th'hell you're not)」→「本当よ! 6週間前まで会ったことすらなかったのよ! 結婚生活は全部偽の記憶よ!(I swear God, I never saw you before 6weeks ago. Our marriage is just a memory implant)」→「馬鹿にしてるのか? 結婚式は!?(You think I'm stupid? Remember our wedding?)」→「当局が用意した偽の記憶よ(It was implanted by the Agency)」→「恋に落ちたことは?(Falling in love?)」→「偽の記憶よ(Implanted)」→「友達も、仕事も、8年間添い続けたことも、全部偽の記憶だって言うのか?(Our friends, my job, 8 years together, I suppose all of this was implanted, too?)」→「仕事は本物よ。当局が用意したの(The job is real. The Agency set it up)」→「ふざけるな!(Bullshit)」
- 「あんたの人生は全部夢だったって訳(Sorry, Quaid, your whole life is just a dream)」
- 「まさかあたしを撃たないでしょ? 一度は夫婦だったのよ(You wouldn't shoot me, would you, Doug, after all we've been through?)」→「確かに楽しかった……(Some of it was fun)」(ガッ!→「離婚成立だ!(Nice knowing you)」
- 「一体全体どうなってんだ?(What th'fuck is goin' on down there?)」→「裏切り者の始末をしようとしただけです(I'm tryin' to neutralize a traitor, sir)」→「殺すつもりなら火星にいる時に殺しとるわ(If I wanted him dead, you moron, I wouldn't have dumped him on Earth)」→「奴は危険です。記憶が戻ったようですし(We can't him run around. He knows too much)」→「ローリーは戻ってないと言っとるぞ(Lori says he can't remember jack-shit)」→「今はね。1時間もすれば、奴は全て思い出すはずです(That's now. In an hour, he could have total recall)」→「いいか、リクター。クエイドを生け捕りにして、記憶を植え付け直せ。わかったな!? ローリーには妻役を続けさせろ(Listen to me, Richter. I want Quaid delivered alive for re-implantation. Have you got that?! I want him back in place with Lori)」→(ダイヤルをいじる)→「聞こえてんのか!?(Did you hear me?!)」→「なんでしょう。聞こえませんが(What was that, sir? I couldn't hear you)」→「リクター、何してんだ!?(Richter, what're you doin'?!)」→「クエイドを見つけたぞ(I got Quaid again)」→「磁気嵐のようですなぁ。チャンネルを変えます(I'm switching to another channel, sir. I've got sunspots)」→「かけ直せ! かけ直せよ!?(Call me back! Call me back!)」→「だめだこりゃあ(I'm losing you)」
- 「おおっと待った、これは俺んだ(Excuse me, ma'am, but this is mine)」→「名前でも書いてあんのぉ?(I don't see your name on it!)」→「無くても俺のだ!(Someone left it for me!)」→「あたしが先に見つけたんだよ(Go find your own bag!)」→「大事なものなんだ! 離せ!!(Excuse me, ma'am, but I need it!)」→「くたばっちまいな、ターバン野郎!(Fuck you, you asshole!)」
- 「あの野郎、近くにいるぞ(Son of a bitch's gotta be around here somewhere)」→「(キョロキョロ)いた、奴だ(That guy there)」
- 「こんばんわ、行き先はどちらでしょう?(Hallo, I'm Johnnycab. Where can I take you tonight?)」→「出せ! 早く!(Drive. Drive!)」→「すみません、もう一度言って頂けませんか?(Would you please repeat the destination?)」→「どこでもいい! 早く出せ!(Anywhere! Just go! Go!)」→「番地をどうぞ(Please state the street and number)」→「畜生、クソッタレ!(Shit. Shit!)」→「そのような番地は存じません(I'm not familiar with that address. Would you please repeat…)」
- 「お疲れ様でした。18クレジットになります(The fare is 18credits, please)」→「ツケだ、ポンコツめ(Sue me, dickhead)」→「なーーーっ!(Aaaaaaaaaaaaaah!)」(ドカーン!→「またのご利用qあwせdrftgyふじこlp(We hope you enjoyed the ride. Ha Ha!)」
- 「ごきげんよう、こちらハウザー。いま君は頭に濡れタオルを巻きつけてこのビデオを見ていることと思う。君の名前は知らんが、ビッグサプライズだ。君は君ではない。私なのだ(Howdy, stranger. This is Hauser. If things have gone wrong, I'm talking to myself, and you've got the wet towel wrapped around your head. Now, whatever your name is, get ready for the big surprise. You are NOT you. You're ME)」→「なんだって?(No shit)」
- 「この頭の中には、コーヘイゲンをファックできる情報が詰まっている。しかし不幸なことに、君がこれを見ていると言うことは、先手を打たれたと言うことだ(See, there's enough shit in here to fuck Cohaagen good. Now unfortunately, if you'er listenin' to this, that means that he has got to me first)」
- 「計画を教える。とにかくまず火星へ飛べ(Now, this is the plan. Get your ass to Mars)」
- 「私の言う通りにするんだ。そうすれば、私と君をファックした連中を殺せる(Just do what I tell you, and we can nail that son of a bitch who fucked you and me)」
- 「滞在予定は何日ぐらいですか?(So how long do you plan to stay on Mars?)」→「2週間よ(2weeks!)」
- 「見ろよあれ(Look this shit!)」(クアトー万歳の落書きを見て)→「なんなんだこりゃ(What th'hell's this?)」→「クアトーはここでは英雄です。火星のジョージ・ワシントンですな(The Marsians love Kuato. They think he's fuckin' George Washington)」→「殺しちまえよ(Kill the bastard)」→「ホホッ顔さえ分からないんです(Nobody knows who he is)」
- 「野菜や果物の持ち込みはないですね?(Have you any fruits or vegetables onto the planet?)」→「2週間よ(2weeks!)」→「なんですって?(Excuse me?)」→「2週間よ……にしゅううかんよおおおお(2weeks. Twoooooooo weeeeeeeeeekssssss)」
- 「受けとれぃ!(Catch!)」→「ビックリするのはこれから♪(Get ready for surprise!)」(ボカーン!
- 「リクター、俺はツイとる。何故かわかるか?(Richter, do you know why I'm such a happy person?)」→「いいえ閣下(No, sir)」→「太陽系一幸せな仕事をしとるからだ。タービニウムが採れる限り、やりたい放題だ。まあ実のところ、レジスタンスどもだけが目の上のたんこぶでな。奴らが勝ちゃあ、俺らは詰む。それを現実にしてぇのか貴様は!(Because I've got the greatest job in the solar system. As long as the terbinium keeps flowing, I can do anything I want. Anything. In fact, the only thing I ever worry about is that one day, if the rebels win, it all might end. And you're fuckin' makin' it happen!)」
- 「成功させられるよな?(Do you think you could play along?)」→「もちろんです(Yes, sir)」→「よかった。でなきゃぶっ殺しとるところだ(Great, 'cause otherwise, I'll erase your ass)」
- 「よう旦那タクシーかい?(Hey, man, you need a cab?)」→「あっちの方が先なんだ(Well, what's wrong with this one?)」→「奴には5人のガキはいねえ(He ain't 5kids to feed)」
- 「おいコラ、俺の客だぞ! おいベニー、横取りすんなや!(Hey, hey, hey, man, that's my fare! Hey, asshole, that's my fare!)」→「これでも喰らえや!(Eat this!)」(ファックサイン)→「ベニー、コノヤロー!(Damn you, Benny!)」→(ドカーン! キャー! ワー!)→「火星にようこそ!(Welcome to Mars, man!)」
- 「それで、行き先は?(So where to?)」→「最後の楽園(Last Resort)」→「ヌヘヘッ着いて早々好きだねえ!(You're gettin' off to an early start)」
- 「火星は初めてかい?(First time on Mars?)」→「まあね。いや、実際は来たことが……そんな感じだ(Yes. Well, actually, no. Well, sorta)」→「ヌヘッ! 火星に来たかどうかも覚えてねえってのぉ?(Damn! The man don't even know whether he's been to Mars or not)」
- 「未来を知りたくないか?(Do you wanna know the future?)」→「過去を知りたいね(What 'bout the past?)」
- 「星座を当ててあげる(I bet I can guess your birthday)」→「何だって?(What is it?)」→「牡牛座でしょ(You're a Taurus, right?)」→「どうしてわかるんだい?(How did you guess?)」つ⑩
- 「どうも、ハウザー。相変わらずヤる事ヤってるみたいね? 最近コレのお相手は?(Hello, Hauser. Still bulgin', I see. What you been feadin' this thing?)」→「ブロンドだ(Blondes)」→「相変わらず欲求不満なんじゃない?(I think it's still hungry)」
- 「メリーナ、メリーナ……メリーナ! 言わないといけない事がある(Melina, Melina, Melina! I gotta tell you something)」→「何よ?(What?)」→「君を覚えてないんだ(I don't remember you)」→「何を言ってるの?(What'er you talkin' 'bout?)」→「君のことも、俺達のことも、自分のことさえ覚えてないんだ(I don't remember you. I don't remember us. I don't even remember me)」→「何なの、記憶喪失? じゃあどうやってここに来たの?(What, did you get amnesia? How did you get here?)」→「ハウザーの書き置きだよ(Hauser left me a note)」→「アンタがハウザーでしょ?(Hauser? You're Hauser)」→「もうハウザーじゃない。今はクエイド、ダグラス・クエイドだ(Not anymore. Now I'm Quaid. Douglas Quaid)」
- 「妻ですって? アンタ結婚してたの?(Did you say wife? Are you fuckin' married?)」→「本当の妻じゃないんだ(No, she wasn't really my wife)」→「本当の妻じゃないですって? 馬鹿にしないでよ、それ妻ってことじゃない(Oh, she isn't really your wife? How stupid of me. She was Hauser's wife?)」
- 「メリーナ頼むよ、みんなが俺を殺そうとしてるんだ(Merina, please. People are tryin' to kill me)」→(カチャン)「あたしもよ(Really?)」
- 「お前もどうせ夢だっていうんだろう?(Well, I suppose you're not here, either)」
- 「OK、仮にあんたが正しくて全部夢だとしよう、この引き金を引いても問題はないわけだ(Alright, let's say you're tellin' the truth, and this is all a dream, then I could pull this trigger, and it won't matter)」
- 「あたしがこの星大嫌いなの知ってるでしょう、ええーっ!?(Y'know how much I hate this fuckin' planet)」(ガッ
- 「まさかこのあたしを撃てないわよね。あたしたち夫婦なのよ?(Sweetheart, be reasonable. After all, we're married)」→(ズドン!)「離婚したって言ったろ!(Consider that a divorce)」→「今のがアンタの奥様!?(That was your wife?)」→(頷く)→「最低の女ね(What a bitch)」
- 「よせ! 撃つな! ドームが割れちまう!(No! Don't do it! You'll crack the fuckin' dome!)」
- 「あんたがクアトーだろ(You're Kuato, right?)」→「違う。クアトーはミュータントだ。姿を見て驚くなよ(Wrong. Kuato's a mutant, so don't get upset when you see him)」
- 「何が望みだクエイド?(What do you want, Mr. Quaid?)」→「アンタらと同じだ、記憶だ(The same as you, to remember)」→「だが、どうして?(But why?)」→「自分を取り戻したい(To be myself again)」
- 「さあ心を開くのだ、いいかね。心を大きく開くのだ、心を開くのだ……心を開くのだ……(Now, open your mind to me. Please. Open your mind. Open your mind. Open your mind. Open your mind. Open your mind)」
- 「ガキが4人もいるんでよ(I got 4kids for to feed)」→「5人目はどうしたんだ?(So what happen to No.5?)」→「ハハハこりゃミスったぁ。結婚もしてねえよ。さあ、両手を上げろ(Oh, shit, man. You got me. I ain't even married. Now put your fuckin' hands in the air)」
- 「テメェはもう終わりだ、占いはあの世でやんなよ(Forget it, man. His fortune-telling days are over)」
- 「よくやったハウザー。君はヒーローだ(Well, my boy, you're a hero)」→「死ね(Fuck you)」→「そう謙遜するな。クアトーは死んだんだ。これでレジスタンスもおしまいだ。全部君のおかげだよ(Don't be modest. Kuato is dead. The resistance has been completely wiped out, and you were the key to the whole thing)」→「嘘ついてるよ(He's lyin')」→「この、二重スパイ野郎……(You two-faced bastard)」→「そう責めてやるな、何も知らないんだから(You can't blame him, angel. He's innocent)」
- 「君が最も信頼できる人物がいる(Someone you trust wants to talk to you)」→「今度は誰を出す? お袋か?(Who is it this time? My mother?)」→「やあクエイド。このビデオ見ているという事は君の案内でクアトーを殺れた訳だ。へっ期待に応えてくれたな。酷い目にあったと思うが勘弁してくれ。私たちの仲だ。君のこれからの幸せと長寿を祈りたい所だよ。残念なことにそれは叶わぬ夢だ。つまり君の身体はもともと私のだ。返してもらいたい。君には申し訳ないが優先権は私にある。ではアディオスアミーゴ。私の身体を守り抜いてくれてありがとう。あっそうだ夢の中でまた会えるかもな。ごきげんよう(Howdy, Quaid. Now, if you're listenin' to this, that means that Kuato is dead, and you have led us to him. I knew you wouldn't let me down. Sorry for all that shit I've put you through, but, hey, what're friends for? I'd like to wish your happiness and long life, old buddy, but unfortunately, this is not gonna happen. You see, it's my body you've got there, and I want it back. Sorry to be an Indian giver, but I was here first. So, adiós, amigo. And thanks for not getting yourself killed. Hey, maybe We'll meet in our dreams. You never know)」
- 「落ち着けクエイド。ハウザーはいい奴だ(Relax, Quaid. You'll like being Hauser)」→「クソッタレのゲス野郎だ!(That guy's a fuckin' asshole!)」→「そう言うな、俺の親友だぞ。豪邸に住んで、ベンツに乗っとる。メリーナが好きなんだろ? じゃあ、毎晩可愛い愛人とファックしな(Not true. He's one of my best friends. Besides, he's got a big house and a Mercedes. And you like Melina, right? Well, you get to fuck her every night. That's right. She's gonna be Hauser's babe)」→「タマ潰してやる!(I'll bust his balls)」→「ダメだよお嬢さん、矯正するんだから。君は素直で尊敬されて賞賛されるようになる。それが女性のあるべき姿(Uh-uh, princess. We're havin' you fixed. You're gonna be respectful, compliant and appreciative. The way a woman should be)」
- 「なあドクター、今の記憶はすっかり?(Excuse me, doctor. Is he gonna remember any of this?)」→「無くなりますよ(Not a thing )」→「そりゃあ良かった(Oh, really?)」(ガッ→「ああクエイド、今夜パーティーがある。メリーナと一緒に来い。伝えといてくれ(Oh, Quaid, I'm having a party tonight. Why don't you drop by? Remind him, Doc)」→「わかりました(Sure)」→「パーティーで会おう(See you at the party )」
- 「まだ元の君か?(Are you alright? Are you still you?)」→「さあどうかしら。どう思う?(I'm not sure, dear. What do you think? )」
- 「ヌハハハ、後が無いぜ! 行くぜかわいこちゃん!(Ha Ha Ha! I'm comin'. I'm comin' for ya, baby!)」
- 「チクショーこのポンコツドリルが! ようクエイド! 今押しつぶしてやる!(Damn this piece of Martian junk! Hey, Quaid, I'm gonna squash you!)」→「ベニー! ここだ!(Benny, here!)」→「何をする! どこだ!?(Where th'fuck are you?!)」→「くたばれー!(Screw you!)」
- 「タービニウムでできた巨大なリアクターだ。コーヘイゲンはこれで空気を作れると知っていたから、起動しなかったんだ(This whole thing is one big reactor made outta terbinium. And Cohaagen knows it makes air. The bastard won't turn it on)」→「でしょうね。火星に大気があったら、奴の権力も終わりよ(Of course not. If Mars had an atmosphere, he'd lose control)」
- 「はっはっはっは! 今度は本物だと思うか? そうだ!(Ha Ha Ha Ha Ha! you think this is the real Quaid? It is)」(ババババ!
- 「地獄に道連れだぜぇー(Yeah, you're comin' with me!)」→「ぎゃああああああ!(Noooooooo!)」(両腕ブチブチ! 落下)→「パーティーで会おうぜリクター!(See you at the party, Richter!)」
- 「信じようが信じまいが関係ない! 30秒後にお前は死ぬ! 私はここを爆破して家に戻る。ちょうどティータイムだ(Who gives a shit you believe?! In 30seconds, you'll be dead. Then I'll blow this place up and be home in time for cornflakes)」
- 「こんな結末になるとはな。俺はハウザーに戻って欲しかったんだが、クエイドでいたいらしい(I didn't want it to end this way. I wanted Hauser back. But no. You had to be Quaid)」→「俺はクエイドだ(I am Quaid)」→「ちがーう! 誰でもなーい! ただの愚かな夢だ。夢は必ず最後に覚めるものだ(You're nothing! You're nobody! You're stupid dream. Well, all dreams come to an end)」
- 「ヤメロー! キドウスルナー! ミンナシヌー! ミンナシンデシマウゾー!(No! Don't do it! We'll all die! Everybody will die!)」
- 「信じられない、夢みたい…… どうしたの?(I can't believe it. It's like a dream. What's wrong?)」→「嫌な考えが浮かんだ…… もしこれも夢だったら……?(I just had a terrible thought. What if this is a dream?)」→「じゃあ夢から覚める前に早くキスして!(Well then, kiss me quick before you wake up)
あらすじ(2012年度版)
核兵器に代わって化学兵器が多用された結果、大部分が居住不能となった第三次世界大戦後の地球。世界は富裕層が住む「ブリテン連邦(UFB)」と貧困層が住む属国「コロニー」に二分され、コロニーの住民は地球の核を通る巨大エレベーター「フォール」でUFBへ出勤し、馬車馬のように働く毎日を送っていた。
ロボット警官「シンセティック」の製造工場で働く機械技師ダグラス・クエイドもそんな一人だ。しかし彼は毎晩見る、会った事もない女性との逃避行の夢に悩まされていた。思い詰めた彼は、妻ローリーや同僚ハリーの制止も聞かず、人工的に記憶を植え付けるリコール社を訪れ、「秘密諜報員」の記憶を買った。記憶移植処置の最中、クエイドは警官達に襲撃されるが、身に覚えのない超人的な戦闘術で一掃。何がなんだかわからぬまま家に帰ると、今度は妻であるローリーが襲いかかってきた上、「お前の記憶は作られたもので、私は妻を装ったただの監視役だ」と告げられる。追われる身になったクエイドは、必死に自らが何者かを探す。そんな中、彼は夢に出てきた女性に助けられた……
登場人物(2012年度版)
ダグラス・クエイド/カール・ハウザー
「俺が俺でないなら、俺は一体誰なんだ?」
演:コリン・ファレル
本作の主人公。コロニー在住の機械技師。毎朝UFBに出勤してロボット警官「シンセティック」の工場でライン作業に従事していた。毎晩見る、見知らぬ女性との逃避行の夢に悩まされており、解決の為にリコール社に訪れる。しかしそこで警察に襲われ命からがら逃げ帰ると、今度は妻であるローリーに襲われ「"ダグラス・クエイド"なる人間は存在しない」ということを知ってしまう。後に自身がUFB代表ヴィロス・コーヘイゲンの右腕だったが、今は裏切り者として追われている筈のカール・ハウザーだと知った。
ミネット"メリーナ"・レイノルソ
「私を知っているの?」
演:ジェシカ・ビール
本作のヒロイン。UFB政府に対して抵抗運動を行うレジスタンスの一員。UFBの高速道路で追われているクエイドを助け出し、それ以降は行動を共にしている。実はハウザーがコーヘイゲンを裏切った最大の理由であり、彼とは恋仲だった。レジスタンスの一員だけあって、非常に高い戦闘能力の持ち主。
ローリー・クエイド
「この私が、あんた如きとこんな肥溜めに住むと思う?」
UFB警察のコロニー当局で働く警官でクエイドの妻。だが実際はクエイドの監視役で、序盤で本性を表して以降は幾度となくクエイド/ハウザー達を追い詰める。リメイク版ではリクターが出てこないので、ローリー自身にリクターの役割が割り振られている。最後の最後までハウザーを追い詰めたが、最終的に銃を奪われた挙句、胸を撃ち抜かれて息絶えた。
因みに演者のケイト・ベッキンセイルは撮影当時レン・ワイズマン監督の妻で、「普通、嫁を悪役に起用するか?」と言っていた。ベッキンセイルの主演作で代表作『アンダーワールド』シリーズもワイズマン監督が監督している。
ヴィロス・コーヘイゲン
「いいか、ローリー。クエイドを連れ戻して記憶を植え付けなおせ」
UFBの代表。表向きは清廉潔白な名政治家として振る舞っているが、自らの治世の為ならテロに見せかけた殺戮を行い、それによる治安強化を謳ったシンセティック増産というマッチポンプも辞さない外道。見かけと地位によらずかなりの行動派で、並の警官ならば瞬時に複数名を叩きのめすハウザーですら防戦一方になる程の高い戦闘能力を持つ。UFBの人口増加を解決する為にコロニー住民を殺戮しようと目論んだが、ハウザー達に阻止され、UFBのコロニー支配の象徴である「フォール」と運命を共にして果てた。
マサイアス
「ハウザー、よく戻ってきてくれた」
演:ビル・ナイ
コーヘイゲンに対して抵抗運動を行っているレジスタンスのリーダー。腐り切ったコーヘイゲンとは対照的に人格者。コーヘイゲンの罠にかかって死亡した。メリーナの父という設定があったそうだが、本編ではカットされた模様。
用語(2012年度版)
- コロニー
二分された世界の片方で、オーストラリア大陸に存在する。「植民地」の名の通りUFBの属国であり、貧困層が住んでいる。居住不可区域である「ノーゾーン」から流れてくる汚染大気の影響で常に空は淀み、酸性雨が降り注いでいるという、サイバーパンクディストピアめいたスラム街が広がっている。住民は中国系を中心としたアジア系が多数を占めており、看板は英語よりも中国語で書かれたものが多い。
- ブリテン連邦(United Federation of Britain)
二分された世界の片方で、ブリテン島とフランスに跨いで存在している。略称はUFB。コロニーとは対照的に大気はクリーンで、超高層建築物が乱立している未来的なメガロポリス。住民は白人と黒人の富裕層が大多数を占める。最近深刻な人口増加と土地不足に悩まされており、属国コロニーへの侵攻を企てている。
- ノーゾーン
第三次世界大戦で多用された化学兵器によって汚染され、人類が居住できなくなったエリア。地球の大部分を覆っており、劇中登場したエリアはかつて英国の首都ロンドンであった。
- フォール
コロニーとUFBを繋ぐ巨大エレヴェイター。地球の核を通過する重力列車であり、コロニー市民からは「UFBによる属国支配の象徴」と見做されていた。最終的にコーヘイゲンと共に地球の核へと落ちていき、爆発四散した。
- シンセティック
UFB警察が用いるロボット警官。銃弾を通さない強固なボディと、筋肉質な成人男性を片手で持ち上げるパワー、機敏な動きを可能にする敏捷性を備える。胸部にバッテリーパックがあり、胸部の装甲板を外されるとこれが露出し、取り外されると機能停止するという欠点がある。UFBはこれを用いてコロニーへの侵攻を企てていた。
- リコール社(Rekall)
偽の記憶を売る会社で、コロニーに本店を構えている。社長はマクレーン(バーホーベン版と同じ名前だが、こちらではアジア系)。売り文句は「Is it real? Is it Rekall」。
登場銃器(2012年度版)
ハウザーが使用。銃身下部のレイルにアタッチメントが装着されている。
メリーナが使用。コンペンセイターが装着されたフルオート可能なカスタム版。
ローリー達UFBの警官が使用。ステンレスフレームの50DSモデル。クエイドも警官から奪って使用。銃身下部に発光するユニットが装着され、グリップは黒いラバーである。
UFBの警官とシンセティックが使用。ハウザーも警官から奪ったものを使用。劇中では対象を拘束するワイヤーを放ち、拘束した相手を自在に操れるアタッチメントや、「アイボール」と呼ばれる3Dイメージングカメラのアタッチメントが登場。
レジスタンスが使用。フルサイズのA3と短縮版のMP5Kが登場。