概要
本作の主人公トルフィンの父親。
かつては北海最強の軍団である『ヨーム戦士団』の大隊長の一人で、「戦鬼（トロル）」の二つ名で恐れられていた。当時は敵に容赦ない冷酷な生粋の戦士だったが、ヨーム戦士団首領の娘で妻のヘルガとの間に長女ユルヴァ（トルフィンの姉）が生まれてからは考えが変わり、戦場が嫌になるのと同時に「本当の戦士」とは何かを見出し、妻子を連れてヨーム戦士団を脱走してアイスランドの村に移住し、そこでトルフィンが生まれ、平和な日々を送っていた。
しかし、ヨーム戦士団を掌握すべく政敵暗殺を目論むフローキが手勢を率いてアイスランドに現れ、偽の招集命令を出された上に村を人質にされたためやむなく応じる。レイフ達と密航したトルフィンとともに出征するが、途中立ち寄ったフェロー諸島でフローキに暗殺を依頼されたアシェラッド率いる兵団に待ち伏せを受ける。
現れた二隻の内一隻分を一人（しかも、素手）で制圧しアシェラッドに決闘で勝利するが、ビョルンに人質に取られたトルフィンやレイフ達の命と引換えに自らの命を差し出したため、最期は弓隊の矢の雨を浴びて立ったまま死亡する。ちなみに、倒したアシェラッドの戦士達は一人も殺していなかった。
その高潔な生き方と凄絶な死は、トルフィンを復讐に生きさせる元となった一方で、アシェラッドをして彼に理想の君主を見出させるものだった。
