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CV:根谷美智子

ミス・ディープというコードネームを持つエージェント。

あらゆるものをすり抜けられる物質透過能力を持つ。

銃の扱いもプロフェッショナル。

OVA版

神保町のトト・ブックスでお目当ての本を読子に横取りされたのが彼女とのファーストコンタクトだった。

次に彼女と接触したのはアメリカ議会図書館。偉人、平賀源内の襲撃により廃墟同然となったところで、デジャブのような再会を果たし、コンビを組む事を告げる。

当初は同じエージェントとして、読子とはビジネスライクな関係であり、知り合ってからもそれを貫き通そうとしていた。しかし、他ならぬ読子の天然で、実は世話焼きな本性が露呈。徐々に背中を預けるチームとして信頼し合うようになっていく。

共に世界偉人軍団の脅威に立ち向かっていく事になるのだが……。

ここから先ネタバレ注意!

ウェンディ「ナンシー・幕張は……ナンシー・幕張は……っ! 全くの別人ですっ!」

実は大英図書館職員であるナンシー・幕張は既に死亡している。

読子のパートナーとして登場するエージェントのナンシーは、死んだナンシー(本物)のデータを掠め取って成り代わった存在。

その正体は、世界偉人軍団のひとり、人類の歴史における最高峰の女スパイマタ・ハリ。透過能力はマタ・ハリが生前に持っていたスパイとしての力を、特殊能力の形で昇華させたもの。

そして同時に世界偉人軍団の首魁一休宗純の愛人であった。

「世界偉人軍団」とは、要は大英図書館特殊工作部と世界の舵取りをかけて争っている読仙社が、そのために偉人の知恵を借りんとして仕組んだ組織であり、メンバーは偉人たちのクローンである。

しかし、そのトップに立った一休宗純は、大英図書館と読仙社が秘匿している知識を掠め取り、人類が自らが生きてきた戦乱と動乱から何も変わっていない事を看破。さらには醜悪にも死者である自分たちを黄泉から叩き起こした上で余計な力まで付け加え、なおかつ道具のように利用している事を察知し、そうした愚かな人間たちを空(虚無)へと導くために読仙社から離反し「色即是空」の大義の元「最期の悟り」を敢行しようとした。これが一連の出来事の真相である。

当初、読子にエージェントとしてビジネスライクであったのは、所詮は最終的に裏切る事が確定していた相手だったからだが、結局は読子の天然に振り回される事となり、結果として気持ちが揺らぐこととなった。

そして彼女は秘密裏に一休宗純に「なんとか読子を迎え入れられないだろうか?」と相談してしまう。

しかし一休宗純は彼女の抱いた友情に対して「外の世界の下らない執着に汚染された」と冷酷に切って捨てていた。そしてナンシーには彼女の意向に沿うような甘言を弄して騙し、その裏では、まだ残っていた「マタ・ハリの遺伝子プール」を用いて『新たなるナンシー』である新規培養されたマタ・ハリを作り上げて新たなる愛人としていたのだ。

つまり本作(本シリーズ)ではレギュラーキャラとしての「ナンシー・幕張」は2人いる。

(マタ・ハリが成り代わった大元のナンシーを入れれば3人いる事になる)

そして捕らえた読子の目の前で、その全てを明かしてマタ・ハリであったナンシー(姉ナンシー)は『新たなるマタ・ハリ』(妹ナンシー)によって無邪気に切り捨てられる。

この衝撃的な裏切りによって自らの愚かさを悟った姉ナンシーは、妹ならびにそれを操る一休宗純と決着をつけるため、彼らと対峙。水中戦で妹と戦い酸欠に追い込んで行動不能とする事に成功する……が、そこで妹の体に自らにはない「ある異変」がある事に気付く。

そして最終決戦で一休宗純と対峙する読子に加勢。自らのケジメをつけるため、読子に事後を託して、彼もろともに自滅する道を選んだ。

最期に読子に託したメモには「妹をお願い」という、親友にしか頼めない悲痛な最後の願いが記されていた。

TV版

続編である『R.O.D ~THE TV~』に登場するナンシーは上述したOVA版ナンシーのクローン妹。OVA版では上述のように少々感情的な性格で姉と読子の敵として登場した。

OVAのラストで大英図書館特殊工作部の医療施設に収容され「姉の親友」を名乗る読子と出会う。この時に妊娠が発覚。のちにジュニアと呼ばれる息子を生むが、彼とは大英図書館特殊工作部の「ジェントルメン復活計画」の要として引き離される事となった。

この時には姉との対決による酸欠の影響により記憶や感情が後退しており、言動が少し幼い。

ナンシーとジュニアを引き離した事は、姉ナンシーより事後を託された読子にとっては承服できぬ事であり、彼女は幾度もジュニアをナンシーに引き渡すよう、自らの上司であるジョーカーに直談判した。しかし大義と権力に取り憑かれたジョーカーから帰ってきたのは、人の命を命とも思わぬ「復活計画」のおぞましいプランニングだった。

この事に読子は激怒。大英図書館特殊工作部から離反するに至るも、ジュニアの奪還は達成できず、とりあえず妹ナンシーの心を守るために「子どもは死んでしまった」と嘘をつき、彼女を慰める事になる。

以上、妹ナンシーは読子を慕って常に行動をともにしており、完全に読子・リードマンに精神依存して生活している。

小説版

第5巻の終わりから登場。初版が2001年12月なので、同年5月に登場したOVA版から少し遅れての登場となる。

こちらは大英図書館特殊工作部に雇われたエージェントであり、読子と敵対関係というわけではないし、クローンでもない。生い立ちや特殊能力はさておいて普通に母親から生まれた人間である。

特殊能力、コードネームはOVA版と同じ。任務のないときはオーストラリアでアンティークショップを経営しているらしい。

当初、中国“読仙社”の動きを探るべく、ジョーカーによって送り込まれていたのだが、グーテンベルク・ペーパーの奪取を読仙社に許した大英図書館は、それを取り戻すべく、読子・リードマンを単身中国に送り込むことに。そのサポート役を任されたのがナンシーである。性格などはOVA版と同じクールビューティー。それでいてビジネスライクかつシビアな面も持っている。しかし読子とともに過ごすうちに感化される。という点はOVA版と同じ。

結果としてはグーテンベルク・ペーパーの奪還叶わず、読子とともに囚われの身となってしまうが、隙を突いて脱出。傭兵のドレイク・アンダーソンたちと行動を共にすることになるが、特殊工作部内のゴタゴタでしばらくは蚊帳の外に。しかしその後、読子のピンチには駆けつけた。

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