ノノノノ
のののの
世にも珍しい、スキージャンプを題材とした漫画である。
連載開始当時は女性がスキージャンプでオリンピックに出られず、その状況設定を下敷きにしている(現実世界ではその後の2014年大会で可能になっている)。
エルフェンリートというヤングジャンプの歴史に残る凄まじく強烈な作品を送り出した岡本倫がまさかのスキージャンプ漫画と言う事で「どんな作品になるんだ!?」と一部で話題になっていた。
そして蓋を開けてみれば、グロこそ無いものの主に精神的に酷い目に遭うヒロイン、あまりにも強烈な次週への引き、全く自重しない変人奇人とやはり岡本倫の漫画だった。
作品全体の出来もなかなか好評で、「マンガノゲンバ」に作者共々取り上げられるという誰もが予想し得なかった現象が起きた。
余談だが、雑誌連載時における原稿での担当編集によるアオリ文のセンスが非常に良く、作者ともども非凡な才能を見せていた。
また、作中では2002年の冬季オリンピックがアメリカのアンカレッジでの開催となっており、現実とは少し異なる世界となっている。
しかし作品自体は中途半端なところで終了してしまい、作者自身も打ち切りであったことをほのめかすコメントを出している。単行本ではこのラストが修正されており、五輪の正式種目として採用されたことも踏まえて、それなりに大団円に近いものになっている。
強風が吹く夜のジャンプ台で、スキージャンプをする少年・野々宮悠太。スキージャンプ界に突如現れた、無名の新星である彼の夢は、オリンピックのジャンプ種目で金メダルを獲る事。しかし、彼にはある秘密があった。
それはその少年が実は少女「ノノ」であること。
オリンピックスキージャンプ競技は男しか出場できない…ならば、女であることを隠すしかない…
男として振舞わなくてはいけない苦悩。サポートしてくれる周囲の思いやり。同じ目標を持つライバル達との友情。それらをすべて背負い込み、糧としながらノノは成長する。
かつて、日本中の期待を背に五輪に挑んだものの、メダル獲得すら出来なかったノノの父「悠介」。
父とノノの夢のために、名と存在をノノに譲るべく自ら命を絶った双子の兄「悠太」。
そして、叶わなかった彼らの夢を代わって実現しようと決意するノノ。
2人の思いを背負いながら、ノノは金メダルを目指す…