より進化したこの大会
まだまだビッグなサプライズが…キミたちを待っている!!
集え、野球を愛する者たちよ!!
(ゲーム内OPより引用)
概要
eBASEBALLパワフルプロ野球2022のパワフェスの登場人物。
CV:平林剛
2022版パワフェスの主催会社であり、宇宙開発事業やAIロボットの開発等も執り行う「レイヴン・テクノロジーズ(通称レイヴン社)」を一代にして大企業にまでのし上げた敏腕CEO。
名前の由来はそのままワタリガラスの英名であるレイヴン。髪型やレイヴン社のロゴ、クロンが鳥っぽいデザインなのはそのためであろう。
豪快で陽気な性格をしており、発想も桁外れ。
レイヴン社が所持するドーム「RAVENドーム」はそれ自体が大気圏を自由に突入・離脱出来る巨大な宇宙船にもなっており、ドーム内には重力制御装置も組み込まれ地球上と同様の野球の試合が可能。
こういったサプライズが出来るのも「発明のヒントは思わぬ所に転がっている」と言う持論を持っているが故であり、矢部明雄からガンダーロボの映画の話を聞いた時には現在開発中のロボットの参考にしようと、お茶目な一面も見せている。
主人公の事も応援しており、チャレンジャーズの活躍へのお礼としてレイヴン社が開発したAIロボットのクロンを通じて選手のスカウトも斡旋してくれる。
しかしその一方で彼の息子であるアラン・レイヴンからは快く思われていない。
彼曰く「パワフェスをレイヴン社のPRに利用して金儲けを企んでいる」事が気に入らないとの事だが…?
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ネタバレ
以下、2022版パワフェスの重大なネタバレ要素を含む為閲覧注意。
「GREAT PRESIDENT!!」
最終決戦の後で
アラン・レンジャーズとの決勝戦の後、乱入してきた零武と彼の率いる野球ロボット軍団。
アランと共に零武UNIVERSEを下し、白熱した試合にて飛行ユニットが爆散しながらも主人公達の健闘を称える零武。しかし零武はオーバーヒート寸前。
零武を矢部が体を張って止め、アランの投球を主人公が鋭いバッティングで打ち返し、その打球でオーバーヒート寸前の零武を食い止めた。
…かに思われた次の瞬間。破壊された零武から、ハワード・レイヴンの姿が現れる。
驚きを隠せない主人公達、あとやっぱりオチ担当になった矢部(正体がハワードだったことに絶句したところで零武の頭パーツ…ヘルメット部分?が落ちてきて矢部くんの脳天を直撃する)を尻目に、白熱した戦いに満足したハワードは豪快に笑う。
実は零武は宇宙一の野球ロボットでは無く、レイヴン社が開発した身体能力向上・AIオペレーションシステムを搭載した最新鋭の野球特化型パワードスーツであり、零武UNIVERSEのチームメイトとして引き連れていた「R-○○(以下R)」もクロンによって集められた野球選手のデータを参考にレイヴン社で作成された野球用AIを搭載した野球ロボットであった(余談ながら、元が参加チームの面々だったせいか?一部の収録キャラの立ち位置に近い、コメディリリーフ役のRがデモムービーに存在する)。
何故突如表彰式に乱入し、試合を挑んできたかを問いただすアラン。それは嘗て幼い頃アランがハワードに目を輝かせて語った「いつの日か宇宙一の選手と野球をしてみたい」と言う夢を叶える為。
レイヴン社を創設し、宇宙開発事業やAIロボットの開発に邁進し、会社を一代で大企業にのし上げたのも。宇宙一の選手がどういったものかを考え、彼なりに答えを出し、零武スーツや野球ロボットR達を作り上げたのも。
全ては大切な息子であるアランの幼い頃の夢を実現させる為の、ハワードなりの答えだったのだ。
そして主人公もハワードの思いを汲み取る。零武スーツを纏い戦いを挑んだハワードと、彼が率いたロボットR達。野球を心から愛しているからこそ、零武スーツやロボットR達を造る事が出来たとアランを説得し、彼らもまたハワードとの試合を心から楽しめた。
「レイヴン社のRPの為にパワフェスを開催し、ビジネスに利用しようとしていた」のも全てはアランの誤解であり、誰よりも大切な息子の事をずっと想い続け頑張ってきた父親の愛情、そして試合を通じて分かち合えた互いの野球にかける情熱を理解したアランはハワードと和解し、抱擁を交わした。
大破してしまった零武スーツは日本円にして総額30億円相当の価格だが、幼い頃の息子の夢の成就と白熱した戦いによって得られた充実感、そして息子との和解を成し遂げたハワードにとってはその損失ももはや些細なものなのだろう。
パワフェス終了後、CEOとして多忙な日々に戻る事となったハワードだが、再びアランと会った時に彼とキャッチボールをする約束をした事がアランの口から語られる。
パワフェスで父親の愛情を理解し、和解したアランの心境の変化も窺え、その約束をとても楽しみにしていると同時に、野球には人と人とを繋げる力があるのだと実感したとの事。
…些細なすれ違いで生じてしまった、野球にかける熱い情熱を持つ親子の溝。
それを埋め、その親子の絆を再び取り戻せるかはプレイヤー次第である。
余談
当初から開発陣からも「今回のパワフェスのボスは闇落ちではない」事が示唆されており、戦う動機も歴代ラスボスの様に「敗者の無念や悪しき思いに取り憑かれ、無念を晴らす為に戦う」のでは無く「大切なものに向けた自分なりの回答を示した上で、純粋に勝負を仕掛ける」とこれまでに比べ明るく、異例とも言えるラスボスとなっている。
その証拠に、これまでのラスボスは試合の後に主人公達から諭されて無念が晴れると共に悪しき思いが浄化される形だったのが今作はハワードの思いを汲み取った上で、アランの誤解を解く為に主人公がアランを諭すと言った形になっており、最終戦の前の零武も観客達に危害を加えるつもりは無いと明言している(とは言え、敗北した場合は勿論ゲームオーバーとなってしまうが)。
またチームメンバーも、これまでのボス達はその力で仲間に加入していないサクセスキャラ達を洗脳し最大レベル相応の実力まで引き上げた上でチームメイトとして加えて勝負を挑んでくるが、零武UNIVERSEのチームメイトであるロボットR達は他モードでのモブ選手同様、高い水準でランダムにステータスや特殊能力が決定される(代わりに決勝戦のアラン・レンジャーズのチームメイトが高レベル相当のサクセスキャラで固まる。こちらは普通にパワフェス主人公同様に勧誘してベストナインを作っただけ)。
本心から「野球しようぜ!」という理由で挑んでくるラスボスはパワフェスモードではおそらく初だが(それ以外は悪行の手段として野球を選択していると解釈できる)、それ以外もあらゆる点で、これまでのパワフェスのボスのイメージを大きく変えたと言えるだろう。そして次回作でも...
試合時の零武のセリフも、特にアラン・矢部に対してのセリフを良く聞くと零武の正体の伏線が張られている。
- アランに対して
・「さぁ来い!我が太陽よ!」(アランが打席に立つ時)
太陽は英語でsun。発音はson(息子)と同じ為、それを掛けた言い回しだろう。
・「この瞬間を待っていた!」「お前の事は手に取る様に分かるぞ?」(アランが打席に立つ時)
クロンの話から、零武スーツやロボットR達を作成していた時にも嬉しそうにアランの事を話していた事が語られる。アランとの真剣勝負は幼い頃の息子の夢を叶える為の大舞台、彼にとってとても楽しみにしていた瞬間と言っても間違いないだろう。
・「大きくなったなぁ…」(アランがホームランを放つ)
立派な野球選手となった息子の成長ぶりは、対戦相手と言えどやはり感慨深いモノなのだろう。アランの打席が回ってきたなら、何とか本塁打を放ちたい所。
- 矢部に対して
・「ガンダーロボの10倍はイケてるだろう?」(矢部が打席に立つ時)
試合中の零武のバージョンアップのシークエンスには零武と追加飛行ユニットの合体も含まれ、まさに矢部が語ったガンダーロボの映画のワンシーンそのまま。
・「ええい、矢部!いつまでも愚か者であれ」(矢部が打席に立つ時)
上記の零武のバージョンアップのアイデアも、元々は矢部が語ったガンダーロボの映画のワンシーンを取り入れたもの(Stay Foolishは実在する電脳関係企業の最高幹部、スティーブ・ジョブズの発言でもある。これのオマージュとのダブルミーニングという意味もあるのかも)。
言い換えれば上記の挑発も「童心を忘れるな」と言う彼なりのアドバイスなのかも知れない。
また無印零武のとき限定ながらパワーカーブが持ち球種にあるが、これはアランの決め球であるため「野球人になったお祝いかなにかでハワードが伝授したのではないか」とする解釈もある。これも親子の絆描写と言えるだろう。
- その他、汎用セリフ
・「もう少し若ければ…」(投球時、スタミナが残りわずか)
ロボットならば年齢は関係ないハズ。零武の正体を示唆するセリフの一つとなっている。
次回作・『2024』におけるパワフェスでは悪意あるらしき存在のサッたんがほか3チーム同様に零武をも復活させることが予告されていた…が、実際には零武は隠しボスと事情は大きく異なった。
また出現条件が「マネージャーにクロンがいる」「アランがチームに入っている」(※この2人は1度でも今回のパワフェスを全クリしていれば出現する可能性が出る)と非常に緩い。というかこれ条件を考えると特に試合外の目的はないけどもう一回やりたくなっただけ、としか思えない。
どうやらハワードは相変わらず野球狂の良きCEOを続けているようだ。
関連タグ
零武:野球への情熱と息子への愛情が込められた、ハワードの自慢の発明。
パワードスーツ:要するに零武の正体はロボットではなくこちらとなる。
パワプロ2024:次回作。「野球には人と人とを繋げる力がある」という親子の結論は、400人以上のレジェンド選手たちによって、世代を飛び越えてパワプロの中で「あの時応援していた選手」同士での夢の対決ができるという形でプレイヤーに対しても結実することとなった。