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概要

バターの匂いがただよう西洋料理のような、西洋欧米)的なもの、み西洋かぶれなもののこと。

詳しくは後述するが、彫りの深い顔立ちや重たくこってりした色彩表現などがそう称されることが多い。

古くは明治時代から使われている表現であり、現代で一般的な表記である「バター」ではなく「バタ」なのは、実際に当時「バタ」という表記が使われていたことに由来すると考えられる。詳しくはニコニコ大百科の同記事を参照のこと

「バタ臭い」と言うと否定的な意味で用いられることも多く、人種の多様性が広く訴えられるようになった現代の価値観から言えばやや差別的な表現として避けられる傾向があるが、そういったものを好む人が伝わりやすさのために、あえてこの言葉を使うこともある。

具体的には

絵の世界においては、ディズニーなどの海外アニメカートゥーンアメコミの絵柄を基準とした絵に対して使われる。

「バタ臭い」と称される絵を描く絵師の多くは海外絵師であるが、海外アニメやアメコミの影響を強く受けた日本人の絵師も多い(初期のタツノコプロなど)。また、日本で制作された作品や日本のスタジオが輸出用にわざとそういう風にすることも(GONZOの一部作品など。コンピュータゲームの海外版パッケージやポスターにも多い)。

美意識の主流は時代によって変わるものの、特に19世紀以降の西洋では概ね「八頭身黄金比率・ギリシャ彫刻風の彫りの深い顔・高身長体型」が美形とされやすい。

対して日本では「美白で肌が美しい・鼻は低く口は小さい(凹凸が少ない扁平顔、平面顔)・目は細い・下ぶくれ」なことが飛鳥時代〜江戸中期における「美人」のイメージとしておおむね共通しており、江戸後期ではシャープな顔立ちが好まれるようになった。体型については栄養状態の変化などもあるが、どちらかと言えばふくよかで小柄な女性が好まれていた。

写真・印刷技術の向上により西洋的な美形のイメージが伝わった明治以降は、西洋的な理想に近い「ぱっちりした二重で目が大きい・鼻が高い(彫りが深い)」顔立ちが「美人」の類型として広まるようになったが、現代でも美白や大きすぎない口元、(シャープではあるが)頬骨や顎などが目立たない輪郭といった部分は変わらず支持されている。

参考

絵画、つまり二次元的表現においても西洋的な美が完全に反映されたかといえばそうではなく、西洋風の強調された陰影・色彩表現や密度の濃い画面構築などは(油彩画などを除いて)それほど受け入れられなかった。

また、特に欧米発の「バタ臭い」とされる作品は、顔の凹凸が強調されたものが多い。

例として、「特段高齢でない人物であっても、ほうれい線や眉間などにシワを描く」「鼻を大きめに、ディテール(凹凸やシワ)を細かく描く」「鼻から眉にかけてのラインを繋げて描く」「唇を強調する(正面からでもわかるほど凹凸を描写したり、話す際に大きめに動かしたり、唇に濃い色をつけるなど)」「顎が割れている」「顔の陰影が濃いめに描かれる」といった要素が含まれやすい。

これは日本人含め(東)アジア系の、彫りの深くない骨格からすると少々違和感のある表現であり、現実の人間より頭身や顔の描き方などを大きくデフォルメすることが多い漫画アニメ(カートゥーン)においても同様である。

日本発の表現の中で、比較的リアルな頭身に近く、かつデフォルメが進んだ現在の漫画、アニメやゲームなどで主流の画風、特にいわゆる「萌え絵」に分類される画風では「目が大きい(また描き込みが細かい)・鼻や唇は小さく目立たない・頬骨や顎などは強調しない・皺や陰影は必要以上に濃くしない」といった特徴があり、これは西洋風の美的観点と同時に、古来からの日本の美的観点に近い要素も含まれているといえる(もっとも、萌え絵の顔のバランスはなど小動物に近いとも言われている)。

逆に言えば、顔にシワが少なく、鼻や口は小さくシンプルに、唇は描かず、顔に落ちる陰を最小限にすることで、海外からみた「Anime」的なイラストに近づくと言える。

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