概要
バティバット(Batibat)とはフィリピンのイロカノ族が伝承する、寝ている人に跨がって悪夢を見せるという太めの老婆の姿をした夢魔。
なお悪夢はこの夢魔と結びつけられ、バングンゴット(bangungot)と呼ばれている。
一説には山羊のような脚の、ずんぐりむっくりした怪物であるともいわれる。
その正体は樹木の精霊であるといわれ、よく考えずに彼女が宿ったものを基礎や支柱などの建材として家を建ててしまうと、毎晩のように樹木を通して室内に侵入してくる。
家の者は胸の上に座られるなどして悪夢を見せられ、夜中に目が覚めても身動きが取れない所謂金縛り状態となる。
さらに、酷い場合には窒息死し、翌朝には冷たくなって発見されるのである。
もし襲われていることに気づいたら、親指を強く噛んだり、意識して足の親指を小刻みに動かすことで助かるとも伝わっている。