名称の意味について
まずパーラーカーの語源となっている「パーラー(Parlor,Parlour)」には、英語で以下のような意味がある。
- 家庭に設置されている客人をもてなす部屋。応接間など。
- 消費者に飲食物を提供する喫茶店など。
つまり「パーラーカー」とは客間風の内装を持ち、一部の車輌では軽食などを提供する特別客車を指す。パーラーカーは主にアメリカで多く見られ、現在でもアムトラックやカナダ・VIAレールの一部の列車でその姿を見ることが出来る。
わが国におけるパーラーカー
南海電気鉄道電7系電付6形
1924年製造の木造電車。ファンの間では俗に「クイシニ」と呼ばれる車輌。
前方より運転台、手荷物室、一等室(6人用個室×2室)、食堂、便所、デッキが並んでおり、まさに日本版パーラーカーと呼ぶにふさわしいものであった。しかし大型の電9系が登場したことで5年後には通勤型電車に格下げされてしまう。
東武鉄道トク1形
1929年製造の展望貴賓車。展望室が食堂を兼ねているためパーラーカーの一種と呼べる。
アメリカにのインターアーバンにも、サクラメントノーザン鉄道の「Bidwell」などといった展望タイプのパーラーカーがあったが、わが国においてはこういったタイプのパーラーカーは珍しかった。乗車の際は多額の料金(現在の価値で一人あたり十数万円程度)が必要であった。
なお、こちらもパーラーカーとして活躍できたのはわずか6年程度。その後は戦争の激化によっていったん休車となり、戦後は密閉式展望室に改造の上バーサロンカーとなった。が、戦後もわずか2年程度しか使われず、最後は西新井工場で物置となっていた。
国鉄151系クロ151形→181系クロハ181形
国鉄が特急「こだま」に連結していた特別車両。