CV:茶風林
概要
花輪クンの執事。68歳(1974年を舞台にしている作中での年齢)。
花輪クンからしたわれている。普段親が家に不在の花輪クンにとっては親同然とも言える存在。
優しく温厚な性格のため、みんなから好かれている。とはいえ、ヒデじいが初めて登場した頃は、まだ花輪クンの性格が固まっておらず、「嫌なお金持ちキャラ」な側面も持っていたため、最初期のヒデじいもまる子達に少々、意地悪ともとれる発言をしたりしている(まる子達がツチノコを探す話などが該当)。
本名は西城秀治(さいじょうひでじ)。
『ちびまる子ちゃん』に度々登場する「ヒデキ」こと西城秀樹と一字違いである。
生い立ち
(本節に限り、若い頃の彼は「ヒデ」と表記する)
大学を卒業後(彼の世代からすればかなりのエリートといえる学歴である)、花輪家の執事として働き始める。弁護士兼大地主の花輪家の主人(花輪クンの祖父)からは誠実な人柄を認められ、秘書役としていつも頼りにされていた。
花輪家の使用人には後に妻となるトシ子がおり、彼女と苦楽を共にするうち相思相愛の仲になって行った。
しかし、同じく使用人に2人の仲を妬む小山貯蔵がおり、貯蔵は主人に気に入られているヒデを疎ましく思っていた。ある晩、貯蔵は主人が大切にしている高価な壺を割り、トシ子を奪うためにその罪をヒデに擦り付けて追い出そうとした。翌朝、割れた壺を目の当たりにして狼狽する主人に、貯蔵はすかさず「ヒデが犯人ですよ」と告発する。貯蔵の言い分を鵜呑みにした主人から暇を言い渡されかけるが、花輪家の洗濯係であったおヨネ(今のおヨネばあさん)の証言により真実が明らかになり、貯蔵の方がクビになる羽目に。
ちなみに貯蔵が割った壺は守銭奴の彼がこれまで貯めた貯金を全額つぎ込んでも払いきれない程の高価なものだったため、借金をして弁償せねばならなかった。この話は「壺割貯蔵」と花輪家の使用人の間で語り草になっているらしい。
後にトシ子と結婚し、春子という娘も授かり幸せな家庭を築いたが、第二次世界大戦勃発により昭和18年に赤紙が来たヒデも出戦。東南アジアの戦線に赴くことになった。
既に日本の敗色は濃厚な時期であり(当時30代後半だったヒデを徴兵することでも、もはや日本に兵がいないことを示している)、戦地では圧倒的な米軍を前に敗走を続けることになる。ある日、平岡青年とともにジャングルを歩いていた時、米兵に見つかり銃を向けられる。既に武器もなく最期を悟ったヒデは「トシ子…春子…さらば」と家族の名を心中で叫び撃たれる覚悟を決める。瞬間、その場には爆風が広がる。それは先の米兵が地雷を踏んでしまったのであり、瀕死の米兵は母国にいる恋人の写真を懐から取り出し息絶えた。妻子を持つヒデも、婚約者がいる平岡も同情し、戦争の意味に疑問を感じるしかなかった…。
昭和20年8月15日に終戦を迎えると、ヒデも妻子のもとへ帰還。親子3人での幸せな生活が再開したのであった。しかし、元々身体の弱かったトシ子は10年前に風邪の悪化による肺炎で亡くなり、16年前に既に春子は嫁にいってしまっていた。
孤独な定年を迎えて生きる気力・希望をなくしていたところに花輪クンの父は彼に生まれたばかりの和彦(花輪クン)の世話役を託した。
そして今、彼は花輪クンをこう称する。「私を助けてくれる天使」と—―。
2011年8月14日にこの話が放送された。
後編はオリジナルOPだった。
余談
- 担当声優は永沢君と兼ね役であるが、声の雰囲気は違うし絵柄から伝わる印象のギャップも手伝い、それを見知った際に驚く視聴者も多い。
- 「ちびまる子ちゃん-大野君と杉山君-」の単行本に収録されている「まる子のクラスの同窓会」にて推定80歳以上(単行本が描かれた1990年頃と仮定すれば約84歳)になってもなお、成人した花輪クンの執事を続けている。流石に劇中から16年程経っているだけあって、更に歳をとった風貌になっていた。