ピアノ線とは、ピアノの部品の一つである。
解説
ピアノの音源となる金属製の線の事。
19世紀までは鉄線や真鍮線が主流だったが、現在は鋼鉄(炭素鋼)製である。
これを弦として張り、内部機構のハンマーが弦を叩く事によって、ピアノは音を奏でる。
副次的用途
また非常に用途が広く、細めのワイヤーとして、またコイルバネの材料としても使われる。
そのほか、遠目では視認しにくい事から、舞台装置を宙づりにして浮いているように見せるといったトリックの一種にも利用される。
本格的なバニースーツの肩紐としても使われており、イラストで見られる胸部がペロンとめくれるシーンはこの肩紐とスーツ自体がカッチリしていることもあって、現実ではほぼありえないのである。
戦闘でもブービートラップの一種として、相手の首を締め上げたり、刎ね飛ばしたりといった用途にも使われた事がある。
一部では絞首刑に処する為の絞首用ワイヤーとして使われたとか。
特撮において
通常はカメラアングルで見えないようにしたり、背景と同じ色を塗って目立たないようにするが、間違って見えてしまうと格好のネタにされてしまう。今はデジタル修正できるが、アナログ時代のものはよく写り込んでいる。
このピアノ線による操演は長い間日本の特撮における重要な存在であったが、CGに取って代わられつつあり惜しむ声も多い。
なお業界用語で、TVドラマで次の展開があからさまにわかるような露骨さやスタッフの「(お涙頂戴やエロ要素など)こういうのが見たいんでしょ」的なあざとさを、特撮のトリックがわかって興ざめする事に例えて「ピアノ線が見える」と揶揄されている。
創作での扱い
創作作品でも、もっぱら副次的用途で有名である。
特にミステリーでは、テグスと並んで犯人がトリックに利用する鉄板アイテムの一つに数えられる。
またバトルものでは、“鉄線使い”の得物として登場する事がある。