ファントマとは、
- "Fantômas"。20世紀前半にフランスで発表された小説作品のシリーズ、および作中に登場する正体不明の怪人。映画化もされている。
- ゲーム作品「ZONE OF ENDERS」に登場するロボット。本稿で記述。(綴りは【PHANTOMA】)
- TVアニメ「機動武闘伝Gガンダム」に登場するモビルアーマー →ファントマ(MA)
- てにをはが投稿した可不オリジナル曲。
概要
連合宇宙軍が運用している軍用量産型LEV(Laborious Extra-Orbital Vehicle)。
代表的な機種である「ファントマ」のほか、改良型の「ファントマⅡ」、水中用の「シーファントマ」などが存在する。
ファントマに関しては単に「LEV」と呼称されることが多い。
もともとLEVは宇宙空間における作業用として開発されたロボットであり、火星開拓や中継ステーション、コロニーの整備、民間の宇宙ステーションの整備や警備などに使用されていた。作業用のLEVであっても戦闘機に迫る程の機動性と速力を併せ持つうえ、戦闘用のLEVは各種兵装を換装することで高い汎用性を誇っていた為、西暦2167年以前はファントマこそが最強の兵器とされていた(AX/2001/10/特別号)。
しかし、既存技術の延長上に過ぎないLEVに対し、メタトロン技術によって超常的な性能を得た機動兵器オービタルフレーム(OF)が登場したことで状況は一変する。ファントマ1機の戦力は量産型の無人OF「ラプター」1機との戦力比較で50分の1程度でしかないとされており、最新型のファントマIIですらラプターには全く太刀打ちできない。バフラム軍はそんなラプターを含むOF群を大量生産できるようになった為、連合宇宙軍とバフラム軍のパワーバランスはひっくり返ってしまったのである。
性能および機体の特徴
移動時は脚部による歩行のほか、ホバー機能で地上を滑走することも出来る。推進機関を搭載しているので跳躍や短時間の飛行も可能だが、飛行による長距離移動は不可能。
バフラム軍がOFを開発する際にファントマを参考にしたためか、カメラアイの形状はラプターのものに酷似している(ラプター側がファントマのカメラアイを模倣したという方が正しい)。
装備
- 対OF用ライフル
- LEV用に設計・製造された実弾ライフル。威力・速射性に優れている。
- スタンガン
- LEV用に設計・製造された大型スタンガン。OF用サブウェポン「ゲイザー」に匹敵するパワーを持ち、対象を高電圧で行動不能にすることができる
- ボム
- 肩部ユニットに格納された円盤型爆弾。
・オプション
- ミサイルランチャーユニット
- LEV用に設計・製造された垂直発射式ミサイルランチャー。
- 姿勢制御用スタビライザー
- LEV用の設計・製造された姿勢制御装置。精密射撃を行う際にも機能する。
劇中での活躍
「Z.O.E-ZONE OF THE ENDERS-」(AD.2172)
ムービーシーンにのみ登場。コロニー<アンティリア>の外部と市街地と工場エリアを護衛する姿が描かれる。バフラム軍の無人OF『ラプター』と有人型OF『ネイト』を迎撃したが、あえなく撃破されている。
「ANUBIS-ZONE OF THE ENDRS-」(AD.2174)
アーマーン要塞攻略の為、テイパーの機体やベクターキャノン奪取を目的とした「エイトヘッド小隊」の機体など、複数のファントマが火星に潜入していた。道中で彼らを護衛するステージがいくつかあり、終盤のステージ「荒野乱戦」ではファントマ部隊と協力し、アーマーン要塞を護る無人OFの大群に挑むことになる。凄まじい数の波状攻撃からLEV全機を護り切れるかどうかはランナーの技量次第だが、ファントマの攻撃力も意外と侮れないものがあり(特にミサイルランチャーが強力)、ラプターどころかナリタやレオパルドなどの高性能機を撃破する事もある。
また、ファントマⅡをベースにした可変LEV「ビックバイパー」も登場している。
アニメーション作品では
「Z.O.E-2167.IDOLO-」(OVA作品)
バフラム軍の実戦訓練シーンに登場。ライフルやボムなどによる攻撃や砲台の装甲板を剥がして盾代わりに使うなど多彩なアクションを見せた。また、終盤では連合宇宙軍のダイモス要塞に侵入し暴走する『バフラム軍の試作型OF』に対し、思惑が一致した連合宇宙軍とバフラム軍のLEV部隊が迎撃。数十機がかりで包囲した上での集中砲火で撃墜に成功した。本来これだけの大群であってもLEVでOFを撃墜することは困難なのだが、相手が試作型故に一次装甲しか装備していなかったのでダメージを与えられた模様。
「Z.O.E-Dolores.i-」(AD.2173)
輸送船の格納庫内、駐留ポイントの格納庫内にてフレームモードで保管されている姿が描かれている。水中用のシーファントマや陸戦型のファントマG型、推進器と武装が対OF用になった強化型のファントマⅡも登場。火星にて大型OFを見事な連携で撃破する場面も描かれた
主な搭乗者
※括弧内に登場作品を記載
- ラダム・レヴァンス【Z.O.E-2167 IDOLO-】
- ヴァイオラ・ギュネー【Z.O.E-2167 IDOLO-】
- ディンゴ・イーグリット【ANUBIS-ZONE OF THE ENDERS-】
- リチャード・マリネリス【ANUBIS-ZONE OF THE ENDERS-】
- リドリー・ハーディマン(ノウマン)【ANUBIS-ZONE OF THE ENDERS-】
- ジェイムズ・リンクス【Z.O.E-Dolores.i-】
- バーン・ドルフォーム【Z.O.E-Dolores.i-】
- テイパー【ANUBIS-ZONE OF THE ENDERS-】
- エリー・ケイトン【ANUBIS-ZONE OF THE ENDERS-】
小話
ラフスケッチの段階では、LEVではなくMETAL BLADEというネームだった。デザインも完全な人型で、スタビライザーもモーションコントロールスラスターというものになっている。
「今現在のテクノロジーの延長上にある兵器」をコンセプトとしており、「異次元の技術で作られた兵器」であるOFとの差別化を強調している。そのため推進器のデザインに関しても、あえて現代のロケットと大差ないラッパ状のものになっている。
バリエーションの中には、大型砲とディスクレドームを装備したタイプやOFの技術が組み込まれたタイプなども考えられていた。