ノウマン
のうまん
「有史以来、人類は様々なエネルギーを手に入れ、文明はその力に導かれて歩んできた…」
「では、メタトロンほどのエネルギーが導く文明の行き先は何だ?」
シリーズのほぼすべての作品で黒幕またはラストボスを務めるZ.O.Eのキーマン。
「オービタルフレームの父」にして「アーマーン計画」の発案者でもあるリコア・ハーディマンの息子。
父の遺志を継いで(いるかは怪しいが)アーマーン計画を推進している。
最強のオービタルフレーム・アヌビスを駆るランナー(パイロット)でもある。
冷酷非情を絵に描いたような人物で、不要となった者や裏切り者は勿論のこと、そうでなくとも必要ならば容赦なく切り捨てる。
その一方で理知的な実力主義者であり、ディンゴ・イーグリットやレオ・ステンバックと言った敵対するランナーにも一目置いている。
私生活や趣味嗜好は不明だが、dolores,iではN.U.T.基地の支給品のコーヒーに文句を言う姿が見られる。
ANUBISでの変わり果てた言動からネタキャラとしても一級品で、ホモ疑惑アリ。
というか海外版ではディンゴにハッキリ「I love you」と言い放っている。アッー!
声優がコロコロ変わるのも特徴。
能力
極めて優秀な軍人。高級士官・前線指揮官・ランナーのどの分野においても非の打ち所がない。特にランナーとしては最強格である。シリーズ初期から様々な謀略を続けてあらゆる邪魔者や敵対者を始末し(ノウマンの父親もジェフティとアヌビスの開発中に不審死を遂げているが、さて……?)、ランナーとしても優れた技量を誇り、それに乗機アヌビスの性能が合わさる事でZ.O.Eシリーズ最強の存在と化している。優秀なランナーが搭乗したジェフティですら、ゼロシフト機能が使えない状態では全く勝ち目がない。
前線指揮官としても高い洞察力と観察眼を持ち、部隊に紛れていたスパイを唯一人見破った挙句、密かに惨殺するという所業も行っていたらしい。
いつの時期かは不明だが、アヌビスとのより深い一体化とゼロシフトの負担軽減のために自らに人体改造を施し、ANUBIS時点では精神だけでなく外見まで変わり果てている。
改造の程度は不明だが、“初期設定では”内臓を全て除去し歩行には杖が必要なほどだった。
真意
その真の目的はアーマーンの空間破壊による太陽系全域の破壊。
要するに世界の滅亡である。
しかし、彼を凶行に駆り立てた動機は地球と火星の歪な社会構造の打破や楽園の創造と言った大義ではない。世界への復讐でも、ましてや火星の王になろうなどという野心ですらない。
動 機 な ど 無 い
いや、厳密には作中初期はあったのかもしれないが、長くメタトロンと接し続けたことでその副作用による狂気に蝕まれてしまい、いつしか「メタトロンとの同化による究極の破壊」を望む狂人と成り果ててしまったのである。
もっとも、彼が最初から大量殺戮に近い思想を持っていた可能性はある。
メタトロンによる精神汚染の原理は、メタトロンが本来持つ接触した人間の精神を記録しフィードバックする特性が悪い方向に作用し、自身の欲望や願望の中で特に強い部分を極端に肥大化させ更に機体の破壊能力をあげてしまうというもの。
すなわち、ノウマンは多かれ少なかれ最初から世界に破壊をもたらすような欲望・願望を持っていた可能性は否定出来ないのである。
いずれにせよ確かなことは、リドリー・ハーディマンがメタトロンに魅了され、その力に飲まれていったという点である。
直接対決は無印とANUBISのみだが、上述どおりほぼ全ての作品に関わっている。
前史
作品というわけではないがIDOLOの約一年後、西暦2168年頃。
ジェフティ・アヌビスの製造に用いられるメタトロンをコロニー「アンティリア」に護送するようディンゴの部隊に命じた。帰路、護送部隊はカリストで連合宇宙軍の大部隊に包囲されるが、ノウマンは作戦の偽装のためにこれを見殺しにした。
まだ旧式のLEVで構成されていた護送部隊は物量の前に全滅し、ディンゴはかろうじて生き延びたもののケン・マリネリスの父親は戦死した。この二つの事実が後に命取りになるとは想像もしていなかっただろう。
ZONE OF ENDERS Z.O.E
木星圏にてアンティリア奪還作戦を指揮。
主人公のレオ・ステンバックが実質的なラスボスであるヴァイオラを撃破した後、満を持してアヌビスを駆りジェフティの前に登場。
この時点ではゼロシフトのないジェフティに勝ち目はなく、逃走を余儀なくされた。
声のみの出演であり、姿は設定資料集などで拝めた。
Z.O.E Dolores,i
ナフス(=ラダム)に接触してアヌビスのデータを渡す。
その後、軌道エレベーターに向かうナフスの前に現れるも、自身の計画に支障はないと判断したか。引き下がった。
戦闘面ではウアスロッドに搭乗し、模擬戦でセルキスに搭乗したレベッカを圧倒した。
この頃はまだ自身が狂気に蝕まれつつある自覚があった模様。
Z.O.E 2173 TESTAMENT
直接の登場はないが、本作の黒幕。
ルートによって経緯や詳細は異なるが、自身の信奉者であるアマンテ・フールレアを手駒として邪魔者達の抹殺及び火星の反地球意識を高めることに成功する。
ANUBIS ZONE OF THE ENDERS
本 番
小杉ボイスの怪演が光る光る。
この頃は完全にメタトロンの力に飲まれ、言動の9割9分が狂気で満ちている。
残り1%?なんだろう…┌(┌^o^)┐
とにかく火星全土を焦土に変えつつ、連合軍を蹂躙。その裏で文字通り世界を滅ぼすアーマーン計画の成就も間近であったが、かつての部下ディンゴがカリストで生き延びていたことから計画にほころびが生じる。
それでも自身の艦に乗り込んできたディンゴを返り討ちにし、不安要素だったジェフティを回収、むしろ計画は万全となったかに思われた。
しかしアーマーンの始動寸前、バフラム一兵士で父の死に疑問を抱いていたケンによってディンゴは蘇生しジェフティは再強奪。更には同じくバフラムの科学者であったロイドがアーマーン計画の真意を知り、ジェフティにゼロシフト能力を付与した。
一方、ノウマン側もバシリア州のウーレンベックカタパルトを利用した策によりジェフティを破壊しようと試みたが、半壊したジェフティ、そしてそれを駆るディンゴとの一騎討ちに敗れるという想定外の敗北を喫してしまう。
半壊したアヌビスをアーマーンと一体化させる事で強化形態アーマーンアヌビスへと生まれ変わらせるも、ディンゴ側もアヌビスのメタトロンを奪ってジェフティの内なる力を解放したネイキッドジェフティの力を手に入れる。そして遂にアヌビスと同格の力を得たジェフティにアーマーンへ乗り込まれ、激闘の末に敗北。爆発の閃光の中へと消えていった。
それぞれ立場は違うとはいえ、本来ならバフラム側であったはずの者たち、そして自らが利用した者達(とその縁者)に討ち取られたのは皮肉と言える。