ブラストダーム
ぶらすとだーむ
ファイレクシアがドミナリア侵略の前線基地として創り出した人工次元である人工次元ラースに生息する体長10メートルを超える大型の獣。背部一面や足の一部はまるで泡立っているかのような状態で黄褐色の胴と尾を有し、群青色の四肢に、物を掴める指がそれぞれ3本、頭部・顔面は白く、突き出た下あごに発達した牙2本、後頭部は板状に張り出している。
先に言っておくと初めてカード化した際のレアリティはコモンである。
カードとしては2000年エキス発売のパンション:ネメシスが初出。
ブラストダーム
マナコスト | (2)(緑)(緑) |
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カードタイプ | クリーチャー — ビースト |
パワー/タフネス | 5/5 |
能力 | 消散3(このクリーチャーは、その上に消散カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。あなたのアップキープの開始時に、それから消散カウンターを1個取り除く。できない場合、それを生け贄に捧げる。) |
ブラストダームは呪文や能力の対象にならない。 |
消散で基本的に3回しか殴れないとはいえ、フィニッシャー級サイズのクリーチャーが4マナしかも除去耐性持ちは当時としては破格の性能。
呪文や能力の対象に取れないので除去耐性もあるが、一方で強化することも難しい。しかし、全体強化カードでの支援は可能であり、当時のスタンダード環境では『ヤヴィマヤの火』(※1)で速攻で殴るスタイルが主流となる。さらに『火炎舌のカヴー』や『古代のハイドラ』などの赤のカードと組み合わせて、相手のクリーチャーを一掃しながら速攻で殴りまくる「ファイヤーズ」と呼ばれるデッキが猛威を振るった。
メタゲームの変遷でファイアーズが増え始めるとヤヴィマヤの火を抜いたり、ブラストダームの代わりにインベイジョンで登場した『翡翠のヒル』(※2)を代打としたデッキも登場する。プロフェシーにマナ域が近いファッティがいたような気がするが多分気のせいだろう。
このカードが非常に恐れられていた背景に、当時の環境はコントロール主体のデッキが多く、クリーチャーも全体的に小型であったという事情があり、ブラストダームの攻撃が非常に通りやすかったためである。特に青パーミッションや黒コンの場合、ブラストダーム1体が場に出るだけで投了レベルであった。
(※1):味方の全クリーチャーに速攻を付与するエンチャント。これを生贄にすることでクリーチャーの強化も可能。これによりダームは出たターンにもぶん殴ることが可能に。
(※2):(2)(緑)(緑)5/5で一体につき自分が緑呪文を唱える際に追加で1マナ要求されるクリーチャー。ブラストダームと違い被覆がないので黒には弱い一方で一定ターン経過してもし自然消滅しないし緑呪文で強化できるので直接対決では勝てる場合もある。さらにはタフネスのおかげで火炎舌にも耐えられるし緑が4マナ出せるころには他の色は2~3マナでヒイヒイやりくりしてる頃なので、その時に出る5/5は相手陣地に強力なプレッシャーをかけられるなかなかの良クリーチャー。但しヒルサイクルはインベイジョンで出たのだが他の色のはより低マナ域で作られてしまったため相手クリーチャーと比べてそれほどアドバンテージを稼げず、翡翠のヒル以外は自分の首を絞めるだけのカスレアサイクルとなってしまった
タイムシフトカード
時のらせんブロック第2セット次元の混乱にて、”時の裂け目”を通りパラレルワールドからやってきたブラストダームに似た生物カルシダーム。
名前の由来は「carci-(石灰・カルシウムのような)」+「-derm(皮膚)」の合成語で、その名の通り石灰のように白く硬い皮膚を持つ。
カルシダーム
マナコスト | (2)(白)(白) |
---|---|
カードタイプ | クリーチャー ― ビースト |
パワー/タフネス | 5/5 |
能力 | 消失4 (このパーマネントは、時間カウンターが4個置かれた状態で場に出る。あなたのアップキープの開始時に、それの上から時間カウンターを1個取り除く。最後の1個が取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。) |
カルシダームは呪文や能力の対象にならない。 |
マナコストが緑から白に、消散が消失に変わったものの、実質居られる時間は3ターン&除去耐性は変わらない。
しかし当時の環境はクリーチャー主体のデッキが多いことや、ファイヤーズのような、このカードに適したデッキが白に少なかったこともあり、目立つ活躍を見ぬまま環境を去った・・・
とはいえ、時代は変われど4マナ5/5除去耐性持ちというスペックは十分強力。
色が白くなったことで前とはまた違うデッキとの組み合わせも可能である。