概要
家庭用・業務用のソース、その他調味料の製造販売をしている。ウスターソースや濃縮ソースをはじめ、ドレッシング(和風ソース)等。(メイン画像)。大阪地盤のイカリソースを子会社に収める(イカリソースは国産初のウスターソースを作った企業である)。
首都圏でのシェアは50%を超え、一応はソース業界トップである。味付けはかなりスパイシーであり、西日本のソースと違い酸味が少なく、とんかつなどに消費される中濃ソースが主力商品。
社名の英語表記はBull-Dogであるが、日本語はブルドッグではなくブルドックが正しい。かつてはグーグルでブルドックと検索すると、もしかして→ブルドッグという誤誘導が登場することがあった。
いちおう業界首位の理由
いちおう業界首位なのは現在、グループとしての売上だからである。というのも首都圏は人口こそあるのだが、東日本における一人あたりソース購入額は低く関西、中四国の半分未満しかない。その上ブルドックにおける業務用ソースのシェアはわずか10%しかないので、それで全国の消費者にブランド拡大したい狙いがあるのである。
関西は粉もの文化の強いエリアであるとともに、とかくソースを初めポン酢にドレッシングなど、なんでもかんでも調味料をかけたがる調味料大好きであり、大手によるバリエーション豊かなソースに加え地ソースメーカーが育ってきた激戦区である。ブルドックの場合、看板商品の中濃ソースもそれだけでは魅力が薄く全く知られていなかったほど、かつて関西圏で全く知名度のないソース会社であった(イカリ、KAGOME、オリバーの3社が強かった)。後にイカリソースが不祥事などで倒産し、救いの手を差し伸べたのだが、同社の狙いとしては人口に加えソース消費の多い関西のマーケットを開拓したかったからである(ブルドックにとってソース消費の多い関西での市場確保は積年の目標でもあり、過去にも2回進出に失敗している)。
今では関西圏でも普通にイカリソースと並んでブルドックソースも売られているものの、当初の目論見であった牙城を打ち崩すには至っていない。イカリ側にも、ブルドックの製法に変えようとさせたものの、社内と取引先の猛反発に遭ったという。
それでソース業界で全国制覇した企業はないとまでいわれるようになった。
しかも、ブルドックが成し得なかった全国制覇を達成してしまった企業があった。それが一人当たりソース購入額は関西を上回る中四国を地盤とする広島発のオタフクソースであり、全国的に満遍なくシェアを伸ばしているどころか、東京地盤のユニオンソースを買収し、業界首位を逆転してしまう。それこそブルドックはイカリを買収していなければずっと業界2位の危機もあったわけである。
結局、ブルドックブランドでの全国制覇は諦め、グループとして業界首位を死守する方針に転換。イカリソースも関西ではそれまでの路線を支持させ、更に2019年には広島地盤のサンフーズ(ミツワソース・ヒガシマルソース)を買収し、黒船企業のオタフクを牽制するようになっている。