声:小形満(『ドラゴンクエストⅩ』オフライン版)
概要
プクランド大陸の大国メギストリスの都を統治している王。ラグアス王子は彼の息子、アルウェ王妃は妻に当たる。
剣の腕前はプクランド大陸一であり国民からの人望も高いが、予言や伝承を嫌悪しておりアルウェとラグアスにそれを話す事を禁じている。特にラグアスとはこのことで折り合いが悪い。
かつてアルウェがひょんなことから手に入れた「願いが叶うノート」に「本物のお姫様になりたい」と書いた事で彼女と結婚(ナブレット団長が経営していたケーキ屋の看板娘だったアルウェに一目惚れしたとのこと)。
更にアルウェの二つ目の願い「プクランド大陸を救うイケメンが子どもとして生まれてほしい」によりラグアスを授かった。
イッドと辺境を視察に行った際に魔瘴を浴びてしまったため体調を崩しており、非常に顔色が悪い。
プクリポにしては王らしく威厳ある風貌であり、先述の通り予言絡みの事になろうと家族であろうとお構いなしに怒る怖い一面あるが、アルウェとの結婚祝いに城をケーキ風に改装したり、アルウェの死の直後にラグアスを気遣うなど繊細で優しい一面も持っている。
しかし、その直後息子が母の死を予知していたことを打ち明けたことに激怒して二度と話しかけるなと言い放ち、かねてからの折り合いの悪さは決定的な確執として表面化してしまうことになった。
メインストーリーでは当初余命幾ばくもない事から自らの命で大陸を守るべくキラキラ大風車塔で儀式を行おうとしている。
そこで塔の魔物討伐を主人公達に命じ、その一件はイッドの策略である事を告げられても聴く耳を持たずに追い出す(これ以前にも預言者であるフォステイルを出禁にしている)。
そして儀式の間で本性を現したイッドに吹き飛ばされ、イッドが倒されたところで今までの非礼を侘び、自分をノートの力で蘇生しようとする息子に対し、自分を救うよりもまず大陸を救うように言い残して死亡した。
Ver.6.3ではかつてその甘味故に大陸中のプクリポを肥満化させたアラモン糖の素材「アラモンド鉱石」が採れる鉱山、アラモンドを封鎖していた事が明かされた。
しかし廃坑になったことで現在は悪党達の巣窟になっている。
関連キャラクター
イッド
プーポッパン王に使えている人間の老人。
プクランド大陸を覆うとしている魔瘴を止めようとしており、プーポッパン王にも慕われている…というか完全に信じきっており他人の意見には耳を貸さない。
しかしその正体は大陸を魔瘴で覆い尽くすことを企んでいた魔軍師イッドであった。
評価
はたして彼は毒親だろうか?
周囲に対し徹底的に耳を貸さず、あまつさえ一方的に主人公らを追い出したりするなどの強硬的かつ独善的な姿勢から王としての資質に疑問を持たれることも多く、特に息子であるラグアスに対しての接し方から毒親呼ばわりされるなどあまりいい印象を持たれない王であるが、果たして彼は独善的な王であり、毒親であったと言えるのだろうか。
まず、王がなぜあそこまで頑なに予言や予知、そしてアルウェ王妃のノートの存在を否定するのかその動機や内面の葛藤については一切触れられていない。
そのため表面上の描写だけでは印象の悪さの方が際立ってしまうという側面があるが、恐らくこれは、ラグアス王子の内面の葛藤と成長に焦点が当てられたシナリオであるため、あえてぼかしているものと思われる。
そのため王がどういう人物であるかはプレイヤー自身の想像に委ねられているに等しいため、どうとらえるかプレイヤー次第ではある。
ならばこうは考えられないだろうか?
王があそこまで頑なになっていたのは「王妃との結婚がノートの力によって叶えられたことを知ってしまった」がゆえだと。
実際、アルウェがノートの力で結婚を果たしたと触れ回っていたと語るNPCがいるため、王自身が耳にしてしまっていてもおかしくはないのである。本人にしてみればこれほどショックなことはないだろう。
彼からすれば、自分の意思で好きになったはずの相手との結婚が、実はノートの力で強引に為されたものだと言えてしまう。
そこに疑念や不信が生じてしまうのは当然と言ってもよく、それが全ての発端となった予知の力に対する嫌悪に繋がるのも無理からぬことである。
ノートの存在を認めれば家族への愛情が偽りだということの証明になる。だからこそ予言もノートの存在も否定せざるを得ない。そのようなジレンマを抱えていたが故の言動だったと考えれば納得もいく。
何よりも、確執の中にあってもラグアスに家庭教師を付けたり、未来の王たる息子ではなく自分が儀式の贄になるべきだと主張(周りは引っ込み思案の無能で母の死から立ち直ろうとさえしないラグアスが死ねばいいと公言するものすらいたにもかかわらずである)しているところからも、息子の身を常に案じていたことはうかがい知れる。
こうした面を見れば息子を軽んじるだけの毒親とは決して言いきれないだろう。
ある意味、興味本位で使われたノートの力に人生を歪められ翻弄されてしまった被害者だったとも言えよう。
余談
名前の由来はタイ料理のプーパッポンと思われる。
また声優の小形氏は『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(2020年版アニメ)でネイル村の村長の声を担当した。