概要
初登場は「Detective Comics #583」
本名:アーノルド・ウェスカー。
多重人格な腹話術師。
気の弱いアーノルド(本体)と攻撃的なスカーフェイス(人形)の二つの人格を持つ男で、スカーフェイスの命令に従い続けた結果、ギャングのボスにまで上り詰めた。
人形であるスカーフェイスはトンプソン短機関銃のミニチュアを持っているが、これは実銃で、実際に銃撃する事が可能である。また、スカーフェイスはつばの広い中折れ帽子をかぶっているが、その内部にはデリンジャーを隠している。
アーノルドは左右どちらの手でもスカーフェイスを操れるが、「B」の発音が出来ず、「G」になってしまう。そのためスカーフェイスは「俺がゴス(ボス)だ!」「ガットマン(バットマン)とロギン(ロビン)」と、「BをGに置き換えた発音」で喋る。
誕生の経緯
もとはアーノルドは、幼児期に親を失い、感情を極度に抑える環境下で成長していた。そのためか、ストレスに対処する手段として、新たな人格を自分の中に形成し、多重人格者になってしまった。
最初は酒場でのケンカから有罪になり、ブラックゲート刑務所に送られ収監。そこで終身刑の囚人・ドネガンと同房になる。
ドネガンは、落雷で黒焦げになった絞首台から、木材を拝借。それを用い、人形を彫っていた。アーノルドは人形から聞こえる声に従い、ドネガンを殺害。その人形に「スカーフェイス」の名と、声とを与えた。
のちに脱走。アーノルドは「嫌々ながら」スカーフェイスの命令に従い、ゴッサムシティでのギャングのボスの地位にまで上り詰める。
後にバットマンに捕えられ、ゴッサムの法廷で正気を疑われ、アーカムで治療を受ける事に。
そこで行われた心理分析では、「アーノルドの反社会的人格が、スカーフェイスの人形をパイプ役として利用し、暴力的な犯罪を行っていた」と結論付けられる。
しかし、アーノルド本人は「スカーフェイスの材料となった(絞首台の)樹には、吊るされた313人の霊が憑りついている」と主張している。
後に「ノーマンズランド」では、大地震を起こした(と主張する)もう一つの人格「クェイクマスター」が生じたり、ベインがアーカムの患者を解放した時(スカーフェイスの人形が取り上げられていた)、新たな共犯者「ソッコ」が生じたりもしている。
コミックやアニメイテッドなどで、スカーフェイス自体を破壊され、退場した事もあった。が、新たな人形をアーノルドが作る事で復活する。
他のベントリロクエスト
ベントリロクエストには、アーノルド以外にも存在する。
二代目「ペイトン・ライリー」
アイルランド人ギャングのボスの娘で、「マフィア・プリンセス」として育った。
ゴッサム平定を夢見て、イタリア人マフィアのジョニー・サバティーノと結婚。しかしうまく行かず、ジョニーに父親を殺され、自身も重傷を。
しかし、射殺されたアーノルドの死体のそばに残されたスカーフェイスの人形を拾い、二代目ベントリロクエストになる。
彼女もまた、腹話術でスカーフェイスを喋らせている。Bの発言が可能なため、初代のような言葉遣いはしない。アーノルドと異なり、自ら進んでスカーフェイスを愛し、スカーフェイスからも「シュガー」と呼ばれている。
三代目「シャウナ・ベルザー」
「New52」から登場する。
初代、二代目と異なり、超能力者。「死体を自在に操る」強力なテレキネシスを有している。
また、声を操ることができ、他人の声を自分のもののように聞かせたり、腹話術のように声を飛ばしたりできる。
双子の兄、ファーディーは人気子役で、両親は兄ばかりをかわいがり、シャウナは無視されていた。周囲からもいじめられていたが、ある日に自身に超能力がある事を知り、それを用いて周囲および兄と両親、自分をいじめていた者たち全てを殺害する。更に、学校でピエロを目指していた級友を毒殺、その腹話術人形を奪って、兄と同じファーディーと命名。犯罪者のパートナーを得て、自身もシリアルキラーのヴィランと化した。