概要
世界の創造主と言えるエンブリヲによって創造された新人類で、思考で操作が可能な情報化テクノロジー「マナ」を扱える者達がこれに該当する。
逆にマナの扱えない者達の場合は、「ノーマ」という蔑称が与えられており、ホムンクルス達からは差別のや迫害の対象として扱われる事になっている。
ホムンクルス達の扱う「マナ」とは、一言で言うなら魔法や超能力といった特異的な精神力を組み合わせたものであり、手を触れずに物を動かす、光や熱、炎などを発生させるといった能力を発動させる。また、ホムンクルス達は互いに精神的に繋がることによって、相互理解を深め合い、戦争や環境問題に貧富の差などの諸問題も克服したとされている。
ホムンクルス達の世界では、殆どの物がマナが無ければ扱う事の出来ないものとなっており、逆に言えば何らかの現象によってホムンクルス達がマナを扱えなくなると、まともな生活を送れないだけでなく、深刻な災害レベルの混乱を引き起こす事にもなっている。
その実態は創造主であるエンブリヲの意のままに従い続ける「操り人形」としての宿命を与えられた存在であり、コントロールにはマナの力が利用されている為、言わばホムンクルス達の扱うマナは、日常生活や精神共有の「要」であるのと同時に、エンブリヲに支配され続ける事になる「呪い」とも言えるのである。
しかし、そんなマナの恩恵を受けていたホムンクルス達も、次第に「自分自身で考えて行動する事」を放棄する形で腐敗の兆候が見られる様になっていった。
特にミスルギ皇国の国民達は、独裁者同然となっていたジュリオ・飛鳥・ミスルギの行った実の妹であるアンジュの公開処刑に関して、何の疑問も抱かないどころか、むしろ熱狂的な支持をする等、もはや醜悪なまでに異常な光景を見せており、これには創造主のエンブリヲも、ホムンクルス達の堕落を実感する十分なきっかけとなっている。
第23話に至っては、マナが使えなくなりまともな行動が出来なくなったホムンクルス達が、信じられない事に、ノーマであるという理由で散々差別していたアンジュに対し、皇族である以上民である自分達を救うのが当然と、図々し過ぎる物言いをしており、当然アンジュからは拒否されている。これに逆上したホムンクルスの一人は、アンジュを(恐らく近衛兵から奪ったと思われる)猟銃で撃とうとしているが、眉間を撃ち抜かれて返り討ちで殺されている。
ただし、ホムンクルスの中には、エンブリヲの意に従わず、また他のホムンクルス達の差別意識に左右される事の無い者も存在している。
最も代表的と言えるモモカ・荻野目は、何度か操られながらもアンジュへの敬愛によって自我を取り戻し、エンブリヲに一矢報いる形で反抗し、彼を感心させていた。
また堕落していたホムンクルス達も、エンブリヲ亡き後の荒廃した世界で、最終的に自分自身で考えて必死に生きていく様子を見せていた。