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マリア・ユーフォリア

まりあゆーふぉりあ

マリア・ユーフォリアとは、ライトノベル作品『現実主義勇者の王国再建記』の登場人物である。
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「これからは我慢せず、したいようにしようと思います。だから……私の全部、受け止めてくださいね。」

プロフィール

フルネームマリア・ユーフォリア
肩書グラン・ケイオス帝国女皇(~文庫16巻)→フリードニア王国第三側妃(「世界解明の章」~)
異名帝国の聖女フリードニアの天使
出身グラン・ケイオス帝国
生年月日大陸暦1526年(大陸暦1541年時点で14歳、大陸暦1547年で21歳の為)
種族人間族
性別女性
初登場話文庫2巻 戦後へのプロローグ
CV金元寿子


概要

グラン・ケイオス帝国女皇。6代目にして初の女性君主。
ゆるフワにウェーブがかかった金髪が特徴的な美少女で、純白ドレス(アニメでは薄ピンク)を着ている。

父親はグラン・ケイオス帝国5代目皇帝だが、魔王領出現の過労で亡くなり、マリアが14歳の若さで6代目皇帝(女皇)となる。
当時は、年若い少女の即位を危惧する声が多かったが、

・人間族優位だった帝国の方針を転換し、他種族でも才有る者を登用する
・『対魔族人類共闘宣言(通称、「人類宣言」)を提唱し、迫る魔王領の脅威に対して人類全体での共闘を呼びかける。
・弱者救済政策により社会的弱者を救う

これらの功績に加え、美しい容姿や貧富も種族も問わず接する優しい心根で『帝国の聖女』と呼ばれるようになった。

国民の要請を受けて即座に歌姫になれるほど、歌や踊りのレベルが高い。技量だけならジュナに劣るものの、見ている者を惹き付けるカリスマ性は他を圧倒している。

女皇として

ローリスク重視な現実主義』のソーマと対を成す、『ハイリターン重視の理想主義者』。
より多くのメリットや人に優しい結果を重視した政策をとる傾向が強く、中世ヨーロッパに剣と魔法が絡んだ作品世界において、普通に商売として成り立っている奴隷制度の完全撤廃を望み、また魔王軍に対して人類全員が一枚岩になって戦うべく『人類宣言』を打ち立てるなど、その在り方は比較的低年齢層のファンタジー作品に出てくる味方側の王様に近い。

かといって比較的高年齢層向け作品なこの作品において出てきやすい「お花畑」な頭かと言われれば全く逆。優秀な妹ですら「真逆ゆえに相性が悪い」「勇者のイメージにそぐわない」とするソーマを、「真逆だからこそ組めれば死角がなくなる」「エルフリーデンの勇者の定義からすればまさに適格」と見抜く慧眼の持ち主。ことソーマが勇者という定義に合致するかどうかにおいては、当事者のエルフリーデン陣営はおろかソーマ自身すら「あってない」と認識しており、エルフリーデンの伝承における定義から合致しているとみなしているという認識だとわかるのは、彼女及び直接聞いたジャンヌだった時期が長らく続いていた。

また理想主義ではあるが現実が見えてないわけではなく、物語の発端であるソーマが召喚されたケースも、他国がエルフリーデンに悪感情を向け始めていることとエルフリーデンのがけっぷち状態を考慮した結果、眉唾物だった英雄召喚を「試み」させて、その事実でガス抜きを果たすことが目的。
ソーマ達との直接対面の時にはソーマ達が想定外とするレベルで裏を見抜き、またソーマが縁起でもないと苦言を呈すレベルの「口約束」をかわすなど、要所要所で異世界最大最強の国家の盟主としての素質を見せている。

本質

ちなみに本質は年相応の少女でもあり、割とノリも軽い。
フリードニア王国の放送番組を真似した結果マリアの生活についての番組が人気であったこともあり、いつの間にかアイドル活動じみたことまでやらかしている。
また食いしん坊でもあり、王国との会談後の会食でもかなり八茶けてたくさん食べていた。

……それは裏を返せばできるがゆえに何もかもやってしまえるからせざるを得なくなっているということであり、帝国の聖女という大いなる看板故に良くも悪くも持ち上げられてしまうことにつながっている。
あまりにも有能であるがゆえに何もかも一人でする環境になってしまっており、その点においてはソーマと明確に異なる方向性で、妹たちも思うところがあるがどうすることもできない状況。
フウガはそんなマリアの在り方を「身を焦がして輝く炎の鳥」と形容している。

現実主義者であるソーマとの相性は、理想主義者という水と油を思わせるスタンスと反してかなり良好。まさに上述の「死角がなくなる」をソーマ側も理解していることもあるが、「自室にベッドを持ち込むずぼらっぷり」「"英雄"や"聖女"ではなく"人間"でいたい」など割と似通っている部分も多く、副官であるジャンヌとハクヤは、ベッド持ち込みの事実をきっかけにすごい勢いで意気投合してフラグを立てたほど。のちにクーに振り回されるレポリナなども含めた横着君主被害者の会などというものが設立されたとのこと。

マリアが「帝国の聖女」であることを重視する家臣達と違い、自身の面子は然程気にしていない。良い政策は他国のものでも自国に取り入れる方針で、奴隷制度の有名無実化や道路整備による輸送力の向上、宝珠を使った番組制作等でフリードニアを参考にしている。

人間関係

ユーフォリア家

先代皇帝
父。グラン・ケイオス帝国5代目皇帝。魔王領出現時の皇帝。戦が不得手な文官肌で、穏やかな気性の人物。侵攻作戦の失敗で多数の死者を出した心労により、本編開始の5年前(大陸歴1541年)に急逝。魔族が所有する兵器によってできた轍(と轢き殺された人や動物の死体)を目撃していた。

ジャンヌ・ユーフォリア
妹。凛々しい目元とポニーテール以外は姉と瓜二つ。姉が疎い軍事を統括する。内政と軍事を姉妹で役割分担することで、先代が過労で倒れた「皇帝」という業務を切り盛りしている。

トリル・ユーフォリア
末妹。研究室から出てこない、研究の失敗ばかり繰り返すトラブルメーカー。
駐フリードニア大使に任命する。
大虎ケイオス戦争後は、マリアの意向でユーフォリア王国に帰国する。

フリードニア王国

ソーマ・カズヤ
盟友。後に夫となる。理想主義と現実主義で分かれていながら同じ価値観を共有できる理解者。
「勇者召喚」要請の件で負い目がある一方、衰退していたエルフリーデンを短期間で東の強国に押し上げた手腕や秘密同盟提案に希望を見出だす。

ハクヤ・クオンミン
フリードニア王国の宰相。「秘密同盟」を共有する。
後に妹・ジャンヌと結婚した為、義弟となる(ただし、ハクヤの方が年上)。

リーシア・エルフリーデン
フリードニア王国第一正妃。バルム・サミットで初対面して、交流を深める。

アイーシャ・ウドガルド
フリードニア王国第二正妃。食関係で気が合う。

ジュナ・ドーマ
フリードニア王国第一側妃。第一の歌姫(プリマ・ローレライ)。

ロロア・アミドニア
フリードニア王国第三正妃。パワフルになったマリアに振り回される。

ナデン・デラール
フリードニア王国第二側妃。歌姫として活動していた頃の放送をナデンが見ていた為、歌って踊れる女皇様という印象を持たれている。マリアが婚約・結婚後は、移動手段としてマリアに振り回される。
フリードニア王国西部に行った時は子供の相手をしていた。

ユリガ・ハーン
フリードニア王国第四正妃。帝国を崩壊させた男の妹になので、ユリガは緊張状態だった。
しかしマリア本人は、ソーマが受け入れてくれた計画にユリガも協力してくれた為、特に遺恨はなく、むしろ姉妹のような関係を築きたい意向である。

グラン・ケイオス帝国

クレーエ・ラヴァル
対魔王領強硬派の臣下。ジャンヌやギュンターと共に軍事を預かる将軍で、帝国空軍の主力グリフォン部隊の指揮官。「帝国の聖女」の熱烈な信奉者。忠義が行き過ぎて後に離反し、ハーン大虎帝国の家臣・虎の翼となる。

活躍・経歴

過去(本編開始前)

  • 文庫2巻、5巻

父の急逝に伴い弱冠14歳で即位。魔王領侵攻作戦の失敗や先帝崩御により混迷する帝国を再度まとめ上げ、「対魔族人類共闘宣言」を提唱し人類国家を主導する盟主の立場に就く。弱者救済政策で人望を集め、自然と帝国の聖女と呼ばれるようになる。
ルナリア正教皇国からの「聖女認定」の打診を拒否したため、以降敵視される。

現実主義勇者の王国再建記

  • 文庫3巻第2章(ジャンヌのセリフより)
  • アニメ登場話:第1部第1話・第13話
  • 大陸歴1546年、20歳

「人類宣言」非加盟国であるエルフリーデンが「魔王領防波堤」の恩恵を受けながら「戦争支援金供出」の義務を果たさないことに対する他の加盟国の反発を危惧。
魔族に対し人類が団結する体制を維持するため、エルフリーデンに対し「戦争支援金の支払い」もしくは「秘儀により召喚された勇者の身柄・所有権の帝国への譲渡」を要請し、「エルフリーデンは帝国を支援した」という体裁を作らせようとする。
眉唾物だった「勇者召喚の儀」が成功し、ソーマ・カズヤが召喚されると、無関係の異世界人を巻き込み二度と故郷へ帰れなくさせてしまったことを後悔する。

  • 文庫2巻 戦後へのプロローグ
  • アニメ登場話:第1部第12話
  • 大陸暦1546年、20歳前後
「人類宣言」加盟国アミドニアが条約の間隙をつく形で非加盟国エルフリーデンへ侵攻したことに心を痛める。
アミドニア公王を名乗るユリウスからの依頼を受け、非がアミドニア側にあることは承知の上で、政策の要である「人類宣言」の威信を守るため、領土返還交渉の使者として陸軍総帥ジャンヌを自身の名代として派遣する。

  • 文庫3巻
  • アニメ登場話:第2部第16話
  • 大陸暦1546年、20歳前後
ヴァン返還交渉終了後に帰国したジャンヌと、勇者とは何なのか話し合う。
エルフリーデン王国と秘密同盟を結ぶ。放送による首脳会談にてソーマと対面し、エルフリーデンによるアミドニア併合の裏事情を聞き、「人類宣言」の欠陥を指摘される。

現実主義勇者の王国改造記

  • 文庫5巻、6巻、7巻
  • 大陸暦1547年、21歳

 3月頃、ルナリア正教皇国がフリードニア王国に聖女を派遣することを、ソーマから聞く。
ルナリア正教皇国に対しては、大義名分を掲げて、弱者を守ると言いながら人々を闘争に駆り立てる国だと悪印象を持っている。また、聖女として崇められるよりも、人のまま人として愛されたいと語っていた。
 フリードニア王国を参考に玉音放送で音楽番組などを制作、国民の要望に応え歌姫(ローレライ)として番組に出演し「歌って踊れる女皇」になる。
 5月頃、放送会談でトルギス共和国元首ゴウラン・タイセー、その息子クー・タイセーと初対面。王国・帝国・共和国の三国による医療同盟を締結、終盤に北で魔物の動きが活発になっていることをソーマに告げる。

  • 文庫8巻
  • 大陸暦1547年、21歳
魔浪の発生により、放送会談でソーマに対し「秘密同盟」に基づく東方諸国連合への援軍派遣を要請する。

  • 文庫9巻群像編三:帝国の穿孔姫、ですわ!
  • 大陸暦1547年、21歳
研究しては失敗してトラブルを起こす妹・トリルに手を焼く(仕事を終えて寝ようとしていたところを破壊音で邪魔される)。トリルを駐フリードニア大使に任命、ソーマに二国間の共同研究を打診する。

  • 文庫10巻第2章
  • 大陸暦1548年、22歳前後
サンドリアの父を騙した詐欺師と裏で繋がっていた有力貴族を処分した。

現実主義勇者の大国建造記

  • 文庫11巻
  • 大陸暦1548年、22歳前後

魔物学シンポジウムを視聴する。その際、末妹トリルがルドウィンとジーニャの結婚生活を邪魔していたことを知る。
フリードニアの政策(盆パレード)に協力し、帝国に残る魔族の情報を提供する。魔族に関してソーマに隠し玉があるらしいことを見抜く。

  • 文庫12巻
  • 大陸暦1548年、22歳前後
ギムバールの提案により、傭兵国家ゼムでソーマと会談する。
そこでソーマ達が九頭龍諸島連合に艦隊を派遣することを聞く。盟友を信じると決め、信頼を裏切れば協力態勢を白紙にすると釘を刺す。
また九頭龍諸島連合(各島の指導者達)に和平の仲介を依頼される。僅かな情報からソーマ側の思惑を看破し、依頼を受け入れる。
会談後は、アイーシャと食関係で意気投合する。
懇親会の間に、ソーマと縁起でもない“口約束”を交わす。その口約束の詳細は4年後(文庫16巻)にて果たされることになる。

  • 文庫13巻
  • 大陸暦1549年、23歳前後
フリードニア艦隊と九頭龍諸島艦隊の共闘が両国王によって宣言された同時刻、ヴァロワ城政務室にてジャンヌと「フリードニアによる九頭龍諸島への艦隊派遣」の裏事情を話す。
オオヤミズチ討伐後のソーマとの放送会談にて、魔王領解放により名声を得ているフウガに触発された一部家臣から、魔王領への派兵を進言されていることを明かす。

  • 文庫14巻
  • 大陸暦1549年、23歳前後
東方諸国連合統一で多数の加盟国が失われたことで、帝国の威信そのものである「人類宣言」が有名無実化する(この時点での加盟国はフラクト連邦・メルトニア王国・ゼムのみ)。フウガ達が魔王領解放に積極的なため「人類宣言」の優位性も失うことになる。

  • 文庫15巻
  • 大陸暦1550年、24歳前後
ガーラン精霊王国からの使者ゲルラ・ガーランから「父なる島」解放の助力を要請されるが、民族差別を禁じる「人類宣言」を掲げているため他種族を蔑視する方針の国と協調することは出来ず、拒否する。
精霊王の呪い発生時は、バルム・サミットでソーマ、フウガ達国家主席と会談する。

現実主義勇者の帝国建立記

二年間の情勢

  • 文庫16巻プロローグ
  • 大陸暦1550年~1552年(24歳~26歳)

「人類宣言」の縮小に伴い国内重視の方針を採り、海洋同盟の諸国から医学や技術等を学ぶため、大国としての矜持を気にせず教えを乞う。国内の改善・発展により民衆からの支持は揺らがなかったが、フウガを危険視し魔王領への積極的関与を進言する強硬派の騎士・貴族階級の心は離れていった。

大虎ケイオス戦争

  • 文庫16巻第3章~エピローグ
  • 大陸暦1552年、26歳

ハシムのプロパガンダによって奴隷制度を撤廃する。奴隷が使い潰されない土壌は既に出来ていたが、ハシムの放った密偵が流布した噂により奴隷を所有していた有産階級の者達からの支持が無くなる。
属国二国の噴火と帝国北部の地震がほぼ同時に起こり、本国と比べて国力のない属国の支援を優先し、本国への支援はフリードニアに要請する。しかし、「フリードニアからの救援物資を属国に分配せず帝国で独占した」という噂が広がり、フウガ勢力拡大で揺らいでいた属国二国は独立運動を起こす。

ハーン大虎王国からの侵攻に対し、陸軍総帥ジャンヌにルナリア正教皇国側からやってくるフウガ軍主力を食い止めるよう命じ、北部へはクレーエ将軍にグリフォン部隊の約半数を率いさせて派遣した。
その後、フウガ軍および寝返ったルミエール、クレーエ、北部の騎士・貴族軍に帝都を包囲され、帝国民の安寧を願いながら飛び下りを図る。

しかし、ナデンに乗ったソーマに救出される。更に海洋同盟の武力介入により戦争が終結する。


ネタバレが含まれます。



聖女から天使へ



ネタバレが含まれます。



ゼムでの会談の際にソーマに告げた「縁起でもない口約束」。
その実態は将来帝国を割れる状況下になった時、割った帝国の片側との正式な同盟の締結である。

もともと帝国は大陸でもっとも強大な国家だが、長年の拡張路線とそこからくる迷走で疲弊し歪みを抱えている国家だった。
遠からず分裂し内乱が起きる可能性もあり、間違いなく衰退の時期を迎えている国家でもあった。
しかしそのタイミングで魔王領が出現。旗頭となる形で帝国自体もまとまったものの、大敗の影響で父親である先代皇帝は死去。
マリアはそのカリスマ性と能力を発揮し、魔王領の不安を支える旗頭という求められた役割もあって、帝国は立て直される。
そしてマリアが主導した「人類宣言」により、ある程度のまとまりを得ることはできた。
その必要性はマリア自身が認めており、当時必要不可欠であったことも理解している。
そして分け隔てなく平等に接し、多くの者たちから聖女と呼ばれた彼女は一種の神格化された存在として憧憬すら向けられていた。

だが、彼女は本当は平等に接したいわけではなかった。むしろ依怙贔屓がしたいぐらいだった。
本当に助けたいのは自分が大事に想い自分を大事に思ってくれる、街に暮らす普通の人々や町を追われた難民たちのような社会的弱者。
そんな人たちの希望になりたいと思っていたからこそ、しかしそれを良しとしない者たちにもいい顔しなければならなかった。
そんな彼女にとってどうでもいいような最強国家というお題目にこだわる者にすらいい顔をしなければ、助けたい人々を助けることもできない。

しかしそんなとき、自分達が何とかしてガス抜きをするべく考えた苦肉の策が、希望の光ともいえる人物をこの世界に遣わせることになる。
自分の苦労をともに背負ってくれるような、そんな期待をさせてくれる存在。
エルフリーデン王国において「時代の変革を導くもの」である勇者―ソーマ・カズヤ―
そんな彼と直接顔を合わせ対話することができた時、同時に東方諸国連合内で頭角を現したフウガの勢力が台頭してきたことから、マリアはソーマに一つの口約束をかわす。

フウガの勢力、もしくはそれ以外の形で「人類宣言」とは別の人類を支える柱ができれば、
帝国が世界を牽引する必要はない。
むしろ形骸化した制度やプライドは捨て去ることの方が国のためになる。
旧き時代の最強の国家に執着する者たちを少しずつ領地替えして一つの地方に集めてきた。

ひとえにそういった勢力が帝国と事を構えるのなら、それは帝国の北側にある魔王領のある程度解放してきたときだとあたりをつけて。

ソーマから伝えられた人類宣言の欠点をあえて放置し、むしろ逆手にとった数年がかりの策。
数少ない懸念は人類宣言が有名無実を通り越して消滅した状況下で、切り捨てた北側以外の帝国だった国―守りたい者たち―が滅びないこと。
それを守るために秘密でない同盟を結ぶことが、ソーマとかわした口約束の内容である。

その口約束を信じ、そしてフウガ達の勢力と事を構え、想定通りに北側に移った者たちが離反したとき、彼女は白のテラスから飛び降りた。
マリア自身は聖女という役割ではなくマリアという個人として愛されたいと願い頑張ってきたが、何年も、それこそ衝動的にテラスから飛び降りたくなるほどの心労は、無意識にでもマリア自身に聖女という役割を演じさせていたからこそだろう。
聖女として彼女を崇める者たちは彼女自身が死ぬことでむしろ神格化が進むと考える。なにより聖女とされるものがそうすれば、これ以上の戦闘に対する歯止めになる。マリアが純粋に聖女としてあがめられているのならば、それはある意味で正解だったろう。

だが、そこはぎりぎりでソーマが食い止めた。

事前に口約束を守って「フウガ側の判定勝ち」にもっていく策を立てて前もって来ていたソーマだが、当然いきなりやらかしたマリアのアドリブには真剣に怒る。
かつてソーマの似たような精神状態になっていたからこそマリアのその場のごまかしをあっさり見抜いたうえで、彼は本心からマリアを怒った。
人として愛されたいと聞いたソーマだからこそ、それに同意して人として苦しむことを選んだソーマだからこそ、そうなりたくなる精神状態を理解したうえではっきりと怒った。
聖女マリアを崇めていた者たちは讃えるだろうが、マリアという個人を愛する者たちは絶対にそんなことは喜ばないと、そしてその上で、しっかりと口約束を守って停戦にまで持ち込むことに成功する。

そしてリーシアから第一正妃として「全部受け止める」ことを許可されたソーマを前にため込んでいた全てを吐き出し、任せられる奴に任せることを王国の流儀に則り、自らのしたいことをしていいと太鼓判を押されたことで、マリアは自分に正直になる。

聖女や女皇としての箔付けもかねて伸ばしていた髪を切り、ユーフォリア王国と改めた国の王の座を、敗戦の責任も含めて妹であるジャンヌに譲ることでけじめをつけ、第三側妃としてソーマの妻になってから八茶けた。

ソーマに告げた「えこひいき」を実践するべく、歌姫、医療従事者、慈善事業家として活動し、本当の意味でソーマと「正反対故に隙が無い」あり方を体現し、ソーマ達国政側では手出しがどうしても遅れる地域の発展に思う存分尽力する彼女は、のちにこう呼ばれることになる。
―――フリードニアの天使、と。

  • 世界解明の章
  • 大陸暦1553年、27歳
結婚式を挙げて、正式に第三側妃となる。
魔王領侵攻時はソーマの意向で、リーシア、ロロアと共にフリードニア王国に残る。

  • 「英雄挽歌の章」第16話
  • 大陸暦1554年、28歳
世界大戦では、王都を離れて独自に動いている。


登場話

作中日時収録巻・出典エピソード名出来事
大陸暦1546年
10月1日以降文庫2巻戦後へのプロローグ
10月下旬文庫3巻第2章ヴァンの街角での出会い名前のみ
10月22日文庫3巻第5章撤収
10月~11月文庫4巻第2章蝦で鯛を釣ろうとしたら鮫が掛かったアミドニア公国併合
大陸暦1547年
3月中旬文庫5巻第4章聖女来る
4月15日以降文庫6巻第4章ナデンの知らないナデンマリア、歌姫もやる
4月頃文庫6巻番外編1大使の帰還
5月半ば文庫7巻第6章交渉の切り札
5月半ば文庫7巻第7章三国医療同盟王国、帝国、共和国の間で医療同盟を結ぶ
5月半ば文庫7巻エピローグ不穏な気配
9月半ば文庫8巻第1章北への道
11月末文庫9巻群像編3帝国の穿孔姫、ですわ!
大陸暦1548年
2月3日文庫10巻第2章ジンジャー、拭いさる
6月文庫11巻第4章意見交換会
8月2日~11日文庫11巻第5章盆パレード行進曲
8月11日文庫11巻エピローグ意図名前のみ
9月文庫12巻第7章初対面ソーマとマリアが直接会談する
9月文庫12巻第8章直接会談
大陸暦1549年
2月文庫13巻第8章会敵
2月末文庫13巻後日章2余波
大陸暦1550年
1月半ば文庫15巻第3章使者ガーラン精霊王国からの使者が来る
数か月後文庫15巻第5章精霊王の呪い名前のみ
数か月後文庫15巻第9章適材適所三勢力(6ヶ国)会談、シィルが女王となる
数か月後文庫15巻第10章バルム・サミットバルム医療宣言
数か月後文庫15巻幕間話リーシアとマリア
数か月後~8月半ば文庫15巻第11章終息
大陸暦1552年
4月文庫16巻プロローグ2 years after
4月末~6月文庫16巻第2章野望の再動傭兵国家ゼムがフウガの手に渡る
6月~6月末文庫16巻第3章揺らぐ帝国帝国で奴隷制度の廃止、災害発生
7月文庫16巻第5章交差し交錯する思い
7月~8月上旬文庫16巻第7章落花流水帝都包囲
8月上旬文庫16巻第8章海洋同盟の本気海洋同盟の武力介入
8月上旬文庫16巻第9章二年間の結実
8月上旬文庫16巻第10章落涙大虎ケイオス戦争終結
8月上旬文庫16巻第11章姉妹
8月上旬文庫16巻第12章決着停戦協議
8月上旬文庫16巻エピローグそれが彼女の生きる道
8月上旬頃《群像の章7》第二話『おうちにかえる時間です』トリル、ユーフォリア王国へ帰国
大陸暦1553年
1月下旬《世界解明の章》第二話『華やかなる宴の陰で(後編)』結婚式
7月《世界解明の章》第九話『轍』



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