概要
リン酸とは、オキソ酸の一種である。化学式はH3PO4である。斜方晶系に属す不安定な結晶で融点42.35 ℃であり、融解後は無色の液体である。水・アルコール・エーテルに可溶である。
3価の酸であり、水に融解すると水と反応して3つの水素イオンを放出するが、3段階目の電離は非常に弱い。
利用
生物的には、DNA、ATPの構成に必要であり、またタンパク質の機能調節においても重要な役割を果たす。
工業的には、肥料の製造、清涼剤(コーラの酸味料など)、歯科用セメントなど幅広くに使われる。さらには、ハロゲン化水素の調製にも使用される。
製造法
リンを燃焼させ五酸化二リンにし、これを希リン酸水溶液に溶解させることで得られる熱合成法と、約35%の硫酸とリン酸カルシウムを反応させることで得られる湿式合成法があり、どちらも一長一短である。