概要
1億2000万年前(白亜紀前期)の中国・遼寧省に生息していた哺乳類で、名前は「爬虫類のような哺乳類」を意味する。現在のところ、ロブストゥス種とギガンティクス種の2種類が確認されている。
三錐歯目という絶滅したグループの哺乳類で、ゴビコノドンに近縁だったと考えられている(一部の研究者は独自のレペノマムス科に分類すべきとも考えている)。
恐竜時代の哺乳類としては大型の部類であるゴビコノドン科の中でもかなり大型で、ロブストゥス種は体長50cm、ギガンティクス種に至っては体長80cmと大型犬並みのサイズで、現在確認されている中生代の哺乳類としては最大となる。
こうした巨体に加え、鋭い歯と強靭な顎を兼ね備えていた事から獰猛な肉食動物だったらしく、それまでの「恐竜に生活の場を制限されて比較的安全な夜間に虫や植物等を食べる文字通りの"日陰者生活"を送っていた」という中生代の哺乳類のイメージを一変させた。
実際、2005年に報告されたロブストゥス種の化石からは、全長14cm程のプシッタコサウルスの幼体が胃内容物として確認されており、2023年には全長1.2mのプシッタコサウルスに襲い掛かったまま化石化したロブストゥス種の化石が報告されている。
ギガンティクス種ではそのような痕跡は見つかっていないものの、その体格からロブストゥス種よりも大型の獲物を襲っていた可能性が示唆されている。
一方で、四肢のつくりは半直立で、胎盤がないため子供ではなく卵を生んでいた、などの原始的な特徴により、より進化した構造を持つエオマイアなどとの生存競争に敗れた事が絶滅の要因と考えられている。