概要
和名 | - |
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学名 | Physoschistura mango |
英名 | Rosy Loach |
流通名 | ロージーローチ、ロージィローチ、ビルマロージーローチ、ツベロスキストラ・アラカネンシス |
分類 | コイ目 ドジョウ上科 フクドジョウ科 ネマケイリニ族 フィソスキストラ属 |
体長 | 2~3.5cm |
分布域 | ミャンマー、タイ |
ミャンマーとタイ北部を流れるサルウィン川流域に生息する。
体長2.5cm程の非常に小型のドジョウで、基本的に底生魚のドジョウ類では珍しい遊泳性。
観賞魚として知られ、日本でも安価で流通する。
長らく学名が決定していない未記載種であったが、2023年11月、遂に新種記載された。
形態
とてもドジョウの仲間には見えない普通の魚のような体型が特徴。
口髭は3対6本。
成熟したオスは吻端から目を通り尾柄部まで伸びる一本の明確な暗色縦帯を持つ。
幼魚とメスは途切れた暗色縦帯と不規則な暗色斑を持つ。
体色は褐色~淡いオレンジ色。
側線は非常に短く不完全で、側線孔数は5~6個。
生態
河川の淀みや農業用水、ため池などの流れが緩やかで水草が繁茂する水域に生息する。
浮き袋が発達しており、普通の魚のように水中をスイスイ泳ぎ回る。
中層でホバリングをしたり、水草や流木の上で休んでいる事が多い。
数尾の群れで行動する事が多く、近縁種や同じく遊泳性のドジョウ類、小型魚などと混成群を形成する事もある。
小型の節足動物(ミジンコ、カイアシ類、アカムシなど)やイトミミズ、微生物、デトリタス、藻類などを食べる。
オスは繁殖期になると、鮮やかな赤色~オレンジ色の婚姻色に染まる。
1尾のメスを数尾のオスが追尾し、生い茂った水草や増水時に水没した草の根元付近に産卵する。
飼育
小さな水槽でも飼育でき、比較的丈夫な種。
餌も絞り込みせずなんでも食べるが、大食感な上餌が足りないとすぐ痩せてしまうので、餌が十分に行き渡っているかよく確認しよう。
他の魚に付きまとう行動や、同種や近縁種との小競り合いをする事がある。
非常に小型な為、小型のカラシン(ネオンテトラなど)や小型のコイ科(ミクロラスボラ・ハナビやラスボラ・エスペイ、アカヒレなど)、小型底生魚(コリドラス、オトシンクルス、パンダシャークローチ、クーリーローチ、小型ボウズハゼなど)との混泳が望ましい。
飼育下での繁殖も可能で、水草が茂った水槽にオス数尾メス1尾を放つと産卵する事がある。
時折、近縁種のPhysoschistura brunneanaが本種に混じって売られている事がある。
現地ではミクロラスボラ・ハナビが同所で採取される。