概要
1867年にヨーゼフ・ヴェルンドルとカレル・ホルブが開発し、7月28日にオーストリア・ハンガリー二重帝国軍が採用した後装式単発ライフル。当時の値段は50フローリン。
七週間戦争の結果を受けて前装式の限界を知った同軍が金属薬莢を使うそれまでより小口径の後装式銃のコンペを開いた際に、それに合わせて開発され、試験でレミントンのローリングブロック銃やピーボディ銃などを抜かして採用された。
特徴としてロータリードラムブリーチプロックという機構を採用しており、薬室後部に備えられた取っ手付きドラムの取っ手を左から右へと捻ることで薬室が開放され再装填出来る独特な構造をしている。
また弾を薬室に送り込みやすくするため、薬室が開放された状態の時にドラムが円錐状にくり抜かれており、そこに置いて押し込むだけで自然と薬室に入って行く構造となっており、迅速な再装填が行えた。
また、1870年からは小改良が実施され、持ち手にショートアングルグリップのような金属の滑り止めが追加された。
多くの人口を抱えた大国となった二重帝国は迅速な再軍備を果たすため、初期で10万丁、追加で15万丁、それから1870年までに31万6650丁、最終的に68万6000丁ほどが生産された。
世代交代の後に様々な国に払い下げられたものの、その多くが国内に残り、第一次世界大戦が始まった際も時代遅れながら不足した前線の武器を補うために用いられた。
主なバリエーション、派生型
M1873
燃え滓による動作不良やリアサイトやストックの脆弱性を改善する為に作られた改良モデル。その他にも扱いやすい改良がいくつも為された。
M1877
新型弾薬の11mm M.77弾を使用するために改良が加えられたモデル。
フィクションでの使用
タンネンベルク - 第一次世界大戦の東部戦線を題材にしたFPS。中央同盟側のKuKトゥルップのライフル兵が使用できる。
Isonzo - 一次世界大戦のイタリア戦線を題材にしたFPS。二重帝国側の兵士がM1873/77を使用できる。
性能
全長 | 1280mm |
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銃身長 | 846mm |
重量 | 4.4kg |
使用弾薬 | 11mmヴェルンドル弾(11.15×42mmR) |
装弾数 | 単発 |
口径 | 44口径 |