概要
矜羯羅童子と制多迦童子は不動明王の従者である八大童子の代表格である。
矜羯羅童子は白い肌をしており、合掌しているか蓮の華を持つ。
制多迦童子は赤い肌をしており、手に細い金剛杵を持つ。
不動明王と他の神仏を配置したモチーフの中では特に作例が多い。
地蔵三尊との関係
日本で生まれた偽経『延命地蔵菩薩経』の末尾では地蔵菩薩は掌善童子と掌悪童子という存在を従えるとされている。これを地蔵三尊という。
そして地蔵菩薩の本体は「不動阿字」だとされている。阿字とは不動明王の本体である大日如来を象徴する種子である。掌善童子は白色白蓮華を持ち、掌悪童子は赤色金剛杵を持ち、仏像として造型するとそれぞれ矜羯羅童子、制多迦童子そっくりになる。
このことから、この経典は地蔵菩薩と不動明王の一体性を主張している、と見られている。