概要
五大明王とは明王の内の有力な五名の総称である。
不動明王を中央にそれぞれ各方角を守護する。
それぞれ各方角と結びついた五智如来の化身とされる。
構成
・烏枢沙摩明王:北の守護者。
以上六名が・・・えっ六名?
・・・実は北方の守護者が真言宗では金剛夜叉明王、天台宗では烏枢沙摩明王となっており、五大明王と呼ばれる明王は六体存在することになってしまうのである。
六観音でも同じような現象が起こっている。
だが、安心して欲しい。八大明王というカテゴリーなら、両者が同時に入るので人数の問題は解決する!
本地垂迹説
五大明王をまとめて本地とする神として、金陵山西大寺(高野山真言宗)に祀られる「牛玉所大権現」が知られている。「牛玉所殿本殿」にその像が安置されている。図像表現としては不動明王を中心とする五人の明王の像である。
一般的な五大明王像と異なる点として、不動明王部分だけが金色である、等がある。
本来の牛玉所大権現像は秘仏となっており、別個に作られた前立像では不動明王部分の躰色は一般的な青色となっている。
牛玉所大権現は西大寺にのみ見られ、他で祀られている例は確認されていない。
新潟県長岡市の金峰神社の当初の主祭神は蔵王権現であり脇侍に不動明王と毘沙門天が祀られ、境内社の又倉神社には五大明王の残りのメンバーが四柱の「王神(上条王神・中条王神・下条王神・川西王神)」の本地として祀られていた。