「変わってるよね キミは…」
「リーダーなんて どうでもいい!」
概要
CV:下野紘
クラスで孤立している男子生徒。
裕福な家に生まれるが、エリート志向の父親からは「無能」とされていた。ナナオは父のことを恐れながらも内心では尊敬の念を抱いており、父から贈られた腕時計をいつも携帯している。
学園編入時に父親から「トップを取ってこい」「お前はリーダーになるんだ」と発破をかけられるが、自己紹介でクラスメイトの失笑を買い「自称リーダー」「人類の敵」と揶揄され、ここでも「無能」の烙印を押されることになった。
心が読める転校生・柊ナナからは人間性を高く評価され、学級委員長(クラスのリーダー)を決める際に推薦されることになった。
「無能」の理由
以下、本編のネタバレ注意。
能力は「能力者の能力を無効にすること」。
ナナオ自身もこの能力についてよく把握しておらず、実家でも役に立たなかった(自分以外の能力者と関わる機会がなかったから)。
そのためナナオ本人の自己評価も低く、クラスのリーダーを決める戦い(殴り合い)も辞退することに決める。しかし、郡セイヤとの勝負に敗れた飯島モグオが激昂し、感情のままにクラスメイトに向けて火球を放つ。この時ナナオが身を呈してクラスメイトたちを庇ったことで能力が露見し、またその勇気を讃えられリーダーとして認められることになる。
放課後、海が見える場所でナナオはナナと2人で能力について話していた。
精神系の能力は能力者に触れれば無効にできるのではないか。
握手することによってナナの能力を無効にし、自分が今何を考えているか当ててみてほしいというナナオ。
ナナオが考えていたのは、クラスメイトに認められるきっかけを作ってくれたナナへの感謝だった。
ナナ「なぜ 僕は今からこの子に殺されなければならないのか だろ」
直後に、ナナオはナナに手を強く引っ張られ、飛び降り防止用のロープの向こうへ投げ出される。
とっさに切れたロープに掴まるも状況が理解できないナナオに、ナナは能力者たちこそが“人類の敵”であること、ナナが能力者たちを抹殺するために派遣された無能力者であること、将来的に敵の統率者になりうるナナオの能力を把握するために彼に近づいたことを明かす。
ナナ「人類のために 死んでください」
真実を突きつけられたナナオは、絶望しながら崖の下に落ちていった。
傲慢な能力者たちが多いなかでも良識的な人物として描かれたナナオだが、ナナが持つ端末によると推定殺害人数は百万人以上とされている。
彼の行方
上述の理由から彼はリーダーに任命された次の日から行方をくらませており、以降クラスでは欠席ということになっている。
以下、原作47話(単行本7巻)以降のネタバレ注意。
鶴岡タツミから委員会の真意と真実を打ち明けられ、自らの犯した無意味な大量殺人への罪の念から精神が崩壊し自ら命を絶とうとするナナ。そんな彼女の前に橘ジンが現れ、自身の能力である変身を行う。
彼は中島ナナオに変身した。
橘ジンの能力である変身は生きている者にしか利用できず、死者に変身することはできない。以前は中島の能力である『自身に向けられる能力の無効化』により変身することができなかったが、自身の能力の成長か、それともなんらかの制限がついたのか、いずれにせよ中島ナナオへの変身、それは彼の生存を意味する。
さらなるネタバレ注意。
「僕の前では お前らは無能なんだよ」
彼はナナに崖からつき落とされた後、実は鶴岡に助けられており正式に生きていたことが発覚する。
自らを弄んだ挙句殺そうとしてきたナナ、無能の烙印を押し罵倒する父、能力者への不信。様々な『悩み』と鶴岡の洗脳的な話術によって彼は自身の能力を覚醒させる。
彼の真の能力、それは人間の理性や認知、識別能力といったあらゆるものを無効にする能力である。人の理性を無効にし、心のタガを外し意のままに操る。視覚、聴覚等の認知を無効にし、まるで姿を消しているように見せる。そして人間の『生きる』という能力を無効にし、命を停止させる。
彼自身の心のタガを外した結果、
その姿はまさしく人類の敵である。
人の認識能力を無効化しているのは、あくまで肉眼で見た際の話であり、カメラや鏡を通すと普通に認識できる。
これが能力者の末路なんだよ
作中で最初から存在が示されている人類の敵
一般人には化け物とされており、ナナには能力者自身が人の形をした化け物と教えられている。
実はこれは紛れもない真実なのである。
能力者が能力を使いすぎた代償として人の姿を失っていった結果が人類の敵と呼称される存在なのである
そして能力を使いすぎたナナオ自身の顔面左半分は化け物となっていた…