概要
キントラノオ目アマ科アマ属の青い花が咲く一年草で、カフカス地方から中東にかけてが原産地であるといわれる。
花言葉は「あなたの親切に感謝します。」
利用
古くから茎から採れる繊維・リネン/リンネルが衣服や生活用品に利用されており、強靱性があることから劣質のものは帆船の帆布やテントにも用いられた。
またフランス語ではランと呼ばれ、高級下着ランジェリーの素材および語源となった。
亜麻の繊維は黄みを帯びた茶色で、金髪や栗毛色の髪のことを亜麻色と呼ぶ。
また種子を絞ると採れる黄色みがある乾性油であるアマニ(亜麻仁)油は、成人病や癌予防効果のあるω-3脂肪酸の一種「α-リノレン酸」を含むために健康食品として重宝される。
さらに沸騰させた油は、工業用として油絵具のバインダーや、ワニスとして木製品や皮革の仕上げに使われている。
日本においては江戸時代の元禄年間に、薬草として江戸の小石川御薬園に試験的に導入されたという記録があるが、中国からも輸入できたために定着しなかった。
明治時代になり、栽培には冷涼地が適することから北海道や長野県の山岳地に繊維作物として導入され、また同じ繊維作物である麻が麻薬原料であるため制限されたことにより、一時は海外に輸出できるほど増産された。
しかし戦後になると化学繊維の普及から、栽培は途絶えそうになったが、2000年代になって若手の農業経営者によってアマニ油の原料として復興しつつある。