その色が「青と黒」に見えるか、それとも「白と金色」に見えるかで、2015年に世界中で様々な議論を呼び起こした英国のドレス。
なお、実際の色は「鮮やかな濃い青色の本体に黒いレース飾りが施されている」である。
概要
ことの起こりは、英国スコットランドのカップルが結婚式を挙げる際に、新婦の母親が「式に着て行くのにどうか」とこのドレスの写真を撮って送ってきたことである。ところがカップルの間でそのドレスの色の見え方が違っていたので、フェイスブックにそのドレスの写真を投稿して友人らにも見てもらったところ、友人たちのあいだでもやはり意見が食い違ったのだった。
すなわち、写真の色が露出オーバーで少々色が飛んでいたこともあり、そのドレスの写真を見た人によって、その色が
のいずれかに見えるという現象が発生したのである。
さらにこの写真はTumblrやツイッターなどでも紹介され、世界中の人が「どちらの色合いに見えるか」で大議論を繰り広げる結果となった。
「ものを見るときに、光の効果を差し引いて認識するか、それとも陰による効果を差し引いて認識するか?」という、色の認識の個人差が顕著に表れた事例とされる。
例のドレスはどこのドレス?
問題となっているドレスは、英国の服飾メーカー「ローマン・オリジナルズ」がデザイン・販売したものである。同社では、同じデザインのドレスで、本体の色が白・赤・ピンク・青の4種類を販売していたが、いずれもレースの色は黒であり、「白地に金色のレース」の製品は製造していなかった。
ネットでの話題化によりこのドレスの売れ行きが跳ね上がったのは言うまでもない(そして4色のドレスのうちいちばん人気が出たのは、もちろん青である)。
なお同社の発表によると、同社ではこのドレスと同じデザインで「白地に金色のレース」のドレスを1着のみ実際に製造し、コミックリリーフ(英国の慈善団体)のチャリティーオークションに出品するとのことである(2015年2月28日)。
再度書くが、例のドレスの実際の色は、「鮮やかな群青色のボディに黒色のレース」の組み合わせである。写真では色がかなり飛んでしまっていることに注目されたい。
関連イラスト
光による見え方を具体的に示した例。どちらのドレスも同じ色で描かれている点に注目。
外部リンク
ローマン・オリジナルズ社のネットカタログより「例のドレス」のページ。
http://www.romanoriginals.co.uk/invt/70931
同社のツイッター。「青と黒です!」と言い切っている。
https://twitter.com/romanoriginals