概要
体のどこにでも発生するできもの、どんな場所や状況でも催す便意に尿意、オナラ、ゲップ……本人の意思に関係なく出るこれらを「仕方ないね」とまとめた語。「所構わず」ではなく「所嫌わず」。
江戸時代のオナラ事情
いくら気を付けようとも、どんなにえらい人でも、生理現象である以上はどうにもならない。
だが、平賀源内は「放屁論」で「もし厳粛な儀式の場で放屁などしたら切腹間違いなし」と評し、良家の妻女など身分が高い女性はあまりの恥に耐えかねて自殺したり引きこもったりするほどに思い詰めたりと、放屁ひとつが命取りになるようなケースもあった模様(メンツが何より重要な時代なので、一概に誇張やでっち上げと否定できないのも恐ろしい)。
ちなみに高貴な女性ならそういう時のために専属の尼僧「屁負比丘尼」が付き従い、放屁した時に「申し訳ありません、わたくしがしました」と恥を被って場をおさめたという。
なお屁負比丘尼は嫁入りするわけでもないから恥ではないという理由で中年の尼僧が任じられたが、屁負比丘尼になるには結構条件があり、誰でもなれるものではなかったらしい。
そうしてえらい人たちがオナラひとつにも神経を尖らせていたのに対し、庶民にとって放屁はごく当たり前の事として認知されていたので、男女問わず普通に放屁していた(というかそれが自然なことではあるのだが)。中には「オナラをしたから離縁」というあんまりなケースもあったようだが、何から何まで男尊女卑とも限らなかったらしく、女性の方から離縁するのもままあった(所謂駆け込み寺もその為の施設)。
関連
ある意味この言葉をよく体現した一幕。詳しくはリンク先を見る。