「俺は強い奴が好きだ……ただし俺より強くない奴に限るがな」
概要
賭郎の零號立会人。左耳にイヤーカフスや逆さ十字のピアスを着けた優男で、常に革靴型のローラーシューズを左足に履いており、そのローラーで片足滑走して移動する。(ローラーシューズで助走をつけたとは言え)片足の踏み込みだけで人の背丈ほどもジャンプしたり、軽めの蹴りで人の死体を十数mも飛ばすなど、立会人に相応しい高い身体能力を持つ。また、刺繍が非常に得意。
口癖は「ぐはぁ」
その正体は賭郎の先代お屋形様であり、現お屋形様である切間創一の父親で、古参の立会人である夜行や現お屋形の創一のことも呼び捨てにしている。
作中以前はお屋形様として活動していたが、立会人として人間の強さを追求し続ける伽羅に影響され、自らの内に秘める「暴」への業が抑えられなくなり、お屋形様の座を息子に譲り、立会人となる。元々若やぎ立つ男であったが、伽羅の後釜で立会人となって以降はより若々しく見えるようになったという。
(実際、過去回想では老齢に見えるが、現在は中年~壮年のように見える。)
性格は鷹揚で砕けたものだが、基本的に「強い男が好き」だと語り、夜行や伽羅など、自分が認めた強者には特に寛大。但しそれは「自分より強くない男に限る」というものであり、たとえ立場上だけでも自分よりも上=強いと思った者に対しては冷徹な殺意を露わにする。すなわち、自分より弱い者に対してのみ好意を抱ける。
また、賭郎の宝は人材であり、不必要に死なせるわけにはいかないと発言しており、優秀な人材であれば敵対する組織の人間でさえも取り込もうする寛容を持っている。
帝国タワーで登場した際、獏と「時が来たら零號を獲る」と約束していた妃古壱の意向で、自身の零號を賭けた號奪戦を行う事になる。その際は勝負前にあえて零號を妃古壱に譲ることで、前述の理由から自身の戦意を昂ぶらせるという動機付けを行った。
その戦闘能力は作中でもトップクラスであり、伽羅と相対した際は彼の無礼講(不意打ち)を見事に回避し「迷ったが、お前は好きだ(自分よりも弱い)」と評価し、號奪戦では妃古壱を終始圧倒する。
元々切間家の先祖は一国の大名の命を取り立てた超絶の忍者であり、自身及び息子である創一もその圧倒的な身体能力を引き継いでいる。
尚、息子の患う記憶障害についてはかなり以前から把握しており、元・創一付きの立会人だった栄羽が世を去った後、古参の構成員である妃古壱、丈一、能輪、棟耶に持ち回りで創一を補佐するように命じている。
嘘喰い -立会人 夜行妃古壱-
ネタバレ回避の為、下スクロール
第一話及び最終話に登場。自分の弟を探しているという若かりし頃の夜行妃古壱に相談を持ちかけられ、後に妃古壱の初の立会の場で彼に危機が訪れた際に彼(及び彼の弟)を救った。その際に立会の場でこれから起こる数々の物事の旨、物事を語り、その場を去った。
また、20代目お屋形様を就任する前、19代お屋形様の時代においても零號立会人であったことが判明した。零號を後任(磨黒燥滋であるかは不明)に譲った後20代目お屋形様を就任、伽羅が零號になり賭郎を抜けた後、再び零號立会人に復帰したと思われる。
余談
人材が宝という旨に対し、人材を失いかねない(優れたものより劣ったものが残る)リスクを伴う號奪戦を仕掛けるといった様相は一見して矛盾しているように思えるが、自身が嫌う相手を排するという気持ちや強さを我が物にするというのは、自分が賭郎の重要人物であるという立場よりも己のポリシーを優先するものなのだろう。