概要
漫画作品『スーパードクターK』の続編である『K2』に登場する刈矢俊一郎と相馬有朋のBLカップリング。
本編での二人
ともに倉津大学付属病院第一外科の教授と助教授(72話から准教授表記)であり、正確には不明だが15歳前後の年齢差があると推定されるのでこのカップリングは年の差カップルであり、年下攻めの年上受けである。そして受けである相馬の方が身長も高く体格も良いので逆体格差でもある。
刈矢の年齢は本人のセリフから第72話で35歳、15年後の再登場の第452話で50歳と判明しているが、相馬の正確な年齢は明かされていない。教授という役職であり若くても40代であると考えられること、後述の脳死後の臓器提供で基本ドナーの年齢が50歳以下でなければ提供されない心臓も摘出されているので、彼の享年は50歳以下であることが推測される。
二人の登場話数は以下になる。
・第62話~第64話「二人のレシピエント」
・第72話~第74話「移植医療」
・第85話~第89話「スペア」
・第452話~第454話「止まった時間」
初登場はK2第62話「二人のレシピエント」で、相馬による教授総回診の際に刈矢が夜間の救急搬送患者の処置で不在であることが触れられる。また第72話「移植医療」でも刈矢が第一外科のカンファレンスを欠席して担当患者へ処置している描写がある。
准教授という立場なのに患者への対応を最優先として総回診やカンファレンスを欠席する事や論文をなかなか提出しない事に対して相馬は小言をぼやきつつも、刈矢に対して医師として患者へ真摯に向かう態度を正しいと認めている。また喫煙者の刈矢へ何度も禁煙するよう言いつつも、第一外科の会議で相馬の隣の席にもかかわらず灰皿を用意してあったり、非喫煙者であるはずの相馬の教授室や自宅に灰皿が用意してある。
教授室に呼び出された刈矢も「お小言かな」と察しているので勤務態度について相馬から注意されるのは日常茶飯事であったと思われる。
第72話にてカンファレンスを欠席した刈矢が教授室に呼ばれたシーンで口に咥えていたタバコを相馬が取り上げて消す描写や、第452話「止まった時間」で分院にて外科手術後に外でタバコを吸っている最中に幻覚の相馬がそれを取り上げる描写がある。火のついたタバコを不意打ちで取るのは危険な事だが、それを刈矢が許すぐらいには二人の距離が近いと推測される。
これらのシーンから医局員達に怖い先生だと言われていても、相馬の刈矢への様々な甘やかした対応をしているのが察せられる。
刈矢からも相馬に対して「おっかねぇ先生」と言いつつも、移植医療の第一人者でありその弟子である事を誇りに思っている。
第72話でも患者との会話で「ウチの相馬教授」発言がある。
また第72話で移植医療の第一人者である相馬が刈矢に対して「私の後継者」と言及するシーンがあるが、他にも第452話や第453話でドクターKが「相馬の右腕」「相馬の後継者」と認めている。相馬亡き後に第二外科教授から第一外科教授となった加賀美もクローン臓器密売事件後の刈矢について長く慕っていた師を失い茫然自失であったと触れており、一旦第一外科から離して分院へ異動させて正気を取り戻させようとしていた。
第454話でかつて相馬が担当していた患者の小池亜紀子も刈矢が肝移植の担当医として挨拶に行った際に「初めて担当して下さった相馬教授といつも一緒にいらした先生」と記憶しているぐらい、二人は共にあったことがうかがえる。
第74話で肝移植がドナー側の遺族の反対により直前で中止となったが、ドクターKと共に再生医療で担当患者を救った刈矢が論文を提出している。だが移植医療ではなく再生医療についての論文であったことから相馬は刈矢の論文を握りつぶしている。その時の表情から強い嫉妬が窺える。
第85話「スペア」で刈矢が再生医療についての論文を相馬へ提出してから態度がよそよそしいことをドクターKに伝えるシーンがある。
肝移植手術で他の医局員が対応できない中、刈矢が相馬の助手に入るシーンにて田代のセリフからそれまでは二人のコンビで手術を行う頻度がそれなりにあったが、最近は少ないことが明かされている。
その手術の最中、刈矢はドナー肝とレシピエント肝の奇妙な共通点に気付きドクターKへと打ち明ける。
そこからクローン臓器密売組織と相馬の関与について疑惑が起こり、刈矢はドクターKを通じて警視庁の岡元刑事から私的な捜査協力依頼を受ける。
師の犯罪関与を信じたくない刈矢であったが、調査すればするほど相馬の関与が濃厚となっていく。
第89話でクローン臓器密売組織事件にて相馬が頭部に銃撃を受けて重傷を負った時、救命処置むなしく脳死となった後、彼のドナーカードと遺言状を元に臓器提供が行われた。その執刀担当は心臓摘出こそドクターKだが肝臓含むその他の臓器摘出は刈矢が行っている。
敬愛する師の臓器を摘出し、担当患者への肝移植含む様々な処置を行ったと見られる。
霊安室に安置された相馬の遺体を前に刈矢はドクターKや一也らと共に早過ぎる死を悼んだ。
その15年後にあたる第452話で刈矢が分院で喫煙しつつ幻覚の相馬と会話するシーンが出てくるが、そこで相馬が仕事だけでなく家事も完璧であったこと、料理上手で刈矢を相馬邸に招いて何度かふるまっていたことが明かされている。料理もレパートリーが広く、刈矢のリクエストも聞いてくれていた。
お互いに独身である事を擦りつつも、公私共に良きパートナーであったと察せられるシーンであり、それだけ刈矢にとって相馬の死が大変な衝撃であったと感じられる。
なお相馬は刈矢を「だらしなさすぎて(女に)相手にされない」と評し、刈矢は相馬を「スキがなさすぎて女も寄って来ない」と評している。
第453話でドクターKおよび一也の説得で立ち直った刈矢が第一外科へ戻り、第454話で相馬の担当患者であった小池への肝移植を無事に行う。相馬の死により止まっていた倉津大学付属病院の移植医療を再開させたのはその後継者である刈矢であった。
分院時代にタバコを吸っている最中に見ていた幻覚の相馬は眼鏡のレンズが反射して目元がはっきり見えなかったが、第454話のラストではきちんと相馬の表情が見える表現となっている。
単行本46話描き下ろし「在りし日」
第454話と第455話の間に新たに追加された話で時系列は第64話で相馬が謹慎処分となっている最中のものである。モノローグでこの2年後に相馬が亡くなり加賀美が第二外科教授から第一外科教授になることは分かっている。
とある寿司屋を貸切にした加賀美教授が相馬を呼び出して二人で話をする内容だが、この中で当時はまだ国内で認められていない分割肝移植をマスコミにリークしたのが相馬であることが触れられている。
またこの件で倉津大学医学部の倫理委員会に加賀美が働きかけたので、相馬の謹慎処分が1ヶ月と軽く済んでいることも明かされている。
加賀美は相馬を「お前」呼び、相馬も加賀美を「先輩」呼びしているが険悪ではなく、むしろ以前より親しい間柄であり後輩の後始末を何度も加賀美がやっていたと判明している。
共に教授という立場であり、以前のような軽率なふるまいはできないことを諭しているだけでなく、加賀美は第一外科の医局員達は皆が優秀であることや教授である相馬を慕っていることに言及している。相馬から何かあったら彼らの後ろ盾になってくれという申し出に対して凡人の自分には難しいと謙遜している。
賭け事が嫌いだというセリフもあり、これらからその賭け事が嫌いな加賀美が第一外科の教授を引き受けて、茫然自失だった刈矢が正気に戻ることを賭けて分院へ異動させたことへの含みも感じられる。