「世界征服をしても、新たなカベを作るだけなんだ……。」
「うん、ありがとう、ミーくん。」
概要
『コミックボンボン』で連載されていた『サイボーグクロちゃん』に登場する、北海道在住の科学者。
読みきり、連載初期では人相がかなり悪かったが、本誌連載開始とともに(性格、物理的に)丸くなり、中盤からは完全にいい人になっていた。ただ、ずっとマッドサイエンティストだが。
フルネームは剛万太郎だが、ナレーションで呼称されたことはあっても実際に呼ばれたことは一度もない(ただし、アニメ版では「おい、鬼太郎」のネタが使えなかったのか、「おい、万太郎」と呼ばれていた)。
学生時代は工学を学ぶ真面目な学生だったのだが、金運に恵まれず、大学と下宿を追い出される。そこで子猫を拾い、「ミーくん」と名づけたその猫の人気と才能で穏やかに暮らしていたが、大学時代の同級生天童勇の残虐な行為でその子猫は重症を負い、心血を注いでサイボーグとして復活させる(本人もそのバイオ工学犬のせいで義手となった)。
さらに、周囲の人間から理解を得られず、住んでいた小屋を拾った子猫ごと焼き討ちにされたことで、社会に絶望し、「あらゆるカベを叩き壊すため」世界征服を決意。ミーくんをリーダーとした「ニャンニャンアーミー」を結成する。正式に博士号を得たわけではないので、「ドクター剛」はあくまで自称。
しかし、その過程でクロちゃんを生み出し、何度も邪魔をされる。
そのうち、「世界征服をしても新たなカベを生み出すだけ」と気づき、その後は穏やかに暮らす道を選ぶ。
ただ、彼自身はアウトローであることを自覚しているらしく、ミーくん、コタローとゴミの山の中の小屋で暮らし、ミーくんの人気とコタローをサクラにした「蝦蟇の油売り」のようなテキヤ商売で収入を得て暮らしている。しかし、普通に買い物をしていたり、子供たちと遊んでいる描写があるので、事実上の市民権は得ているようだ。
ミーくんは彼の最大の理解者であり、時には愛のムチも辞さないが、基本的に剛くんのことを全て受け止める。
クロとは「喧嘩するほど仲がいい」といったところ。剛くんがクロに泣きつくことが多いが、クロがどうしようもないピンチの際は剛くんにプライドを捨ててすがる。
ギャグ編では、「トラブルメーカー」であり、またナナやチエコといったそれ以上のトラブルメーカーが登場してからはそれまでにもあった「被害者」「お荷物」ポジション(ボンボン末期の4コマでも)になっている。
シリアス編では、巨大ロボットのオーサムで空母を持ち上げたり、ライオンのダンクをサイボーグとして蘇生させたり、また世界を呑みこもうとする「悪意のカタマリ」を止めるためにミーくんと自爆する道を選んだり(不発弾だったので結局無事だったが)、と、科学者として大活躍している。