概要
“加夫羅太伊”とは「ミミズ」の事で、奥熊野のある地域ではそのように呼ぶとされ、次のような話が伝わっているという。
ある日のこと。本宮村に暮らす新兵衛という名の男が、大瀬山で子供を連れて木を切っていた所、近くで騒がしい音が聞こえて来た。
新兵衛は驚いて音がした所を見てみると、山中に大小様々なミミズがウヨウヨと這いずり回っていた。
新兵衛の子は鰹脯(かつお=カツオを干したもの)を胸に抱えて持ってくると、ミミズはこれを嫌うというので、早速、鰹脯を火に入れるとミミズたちは早々に退散していったという。