概要
『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』とは、2008年11月1日にDSで発売されたヴァルキリープロファイルシリーズの3作目。ナンバリングタイトルではない模様。
略称は「VP咎」または「VPDS」。
今作は従来の「神の視点」ではなく「神への復讐を目的とした人間」の視点からの物語が展開されており、サブタイトルである「咎を背負う」というキーワードもシステムに大きく絡んでくる作品となっている。
また、世界観は前作、前々作と共通しており、今作は1の数十年前の物語である。
ストーリー
主人公「ウィルフレド」は過去に父親を戦争で亡くした。
父の死体のそばには白い女神の羽が落ちていた。彼の父は神界の戦争に参加する「エインフェリア」として戦乙女「ヴァルキリー」に選定されたのである。
「エインフェリアに選定されることは誉れである」と教えられていたが、その誉れとされる行為はウィルフレドにとっては父を奪うことと同義であった。妹は衰弱死し、母は2人の死により心を病んだことで家庭は崩壊、ウィルフレドは「こうなったのは戦乙女のせいだ」と全てをヴァルキリーに転嫁するようになり、復讐心を募らせ、力を欲した。
そして彼がいたった結論は「自らがエインフェリアとなって戦乙女に近づき、復讐を果たす」というものであった。
こうして彼は傭兵となり、戦場を転々とする日々を送ることとなる。
父の元に残っていた女神の羽を携えながら・・・。
システム
プレイヤーは、主人公であるウィルフレドを操り、アルトリア国内紛で世情の荒れている町や戦場を渡り歩き、ヴァルキリーに復讐するための力を得るため、旅と戦闘を重ねていく。
物語は全6つのチャプターに分かれており、そのチャプターで渡り歩いていく戦地も前のチャプターの行動で3つに分岐していく。
過去のシリーズとは違い、主人公に移動の自由はほぼなく、ストーリー進行上必要な場所を渡り歩く形となる。また、寄り道出来るダンジョン等もなく、各チャプターで時折現れるフリーバトル(各MAP1回のみ)がその代替となっている。
戦闘
三次元マップをターン制で動く戦闘シミュレーションパートと、VP1におけるターン制戦闘パートとの二部構成で戦闘が行われる。
シミュレーションパートで敵に接近、攻撃を選択すると、ターン制戦闘に突入する。
女神の羽
今作最大の特徴で物語の鍵となるシステム。
戦闘マップにおいて、ウィルフレドが所有する「女神の羽」を使うことにより、味方の潜在能力を引き出すことが出来る。能力値が10倍となる他、バランスを崩すほどの強烈なスキルが発動するなど、戦局を大幅に有利な方向に運ぶことが出来る。
しかし、潜在能力を引き出されたユニットは、その戦闘マップが終了した後、必ず死んでしまう。
通常の戦闘不能状態とは異なり、羽を使われたキャラクターは二度と蘇らず、使用することが出来なくなってしまう。
なお、「羽」の使用により発動した強力なスキルは、弱体化しながらもウィルフレドに継承される。
つまり、仲間を殺害してスキルを継承し主人公を強化する「仲間を生贄に捧げる」システムである。これを繰り返して咎を積み能力を高め、ヴァルキリーへの復讐を果たすことなる。
これによって「どのキャラクターを殺害するのか」「どのスキルを継承するか」ということを、プレイヤーは常に意識する必要がある。
主な登場人物
人間界
- ウィルフレド(CV:日野聡)
- 本作品の主人公。戦乙女に復讐を誓う青年。
- アンセル(CV:寺島拓篤)
- クラス:重戦士。 ウィルフレドの親友。おせっかいな面もあるが、非常に明るく仲間想い。 内心では、ウィルフレドの無謀な挑戦を止めたいと願っている。
- ダリウス (CV:鈴木貴征)
- クラス:軽戦士。 ヴィルノア軍の士官。親友であるアーネストと共にアルトリア反乱軍を支援する。
- アーネスト (CV:星野貴紀)
- クラス:槍闘士。 ヴィルノア軍の士官。基本的に曲がったことの嫌いな男で、義を大切にする騎士。
- ナタリア(CV:田中敦子)
- クラス:盗賊。 アルトリア反乱軍のリーダー。アルトリアの国情を憂い、反乱軍を率いていくことになる。
- シェリファ(CV:武田華)
- クラス:弓闘士。 アルトリア情報部隊の暗殺者。人知れず死んでいく仲間たちの姿を見て自分の未来に疑問を持ち、暗殺部隊を脱走する。
- ロクスウェル(CV:大川透)
- クラス:魔術師。 アルトリア情報部隊の魔術師。シェリファの父親。元は有力な家柄の当主だったが、ある事件により生まれたばかりの娘を守るため、表の生活を捨て情報部隊に身を投じることとなった過去がある。
- グェンダル(CV:平田広明)
- クラス:重戦士。 流しの傭兵。金のためならば盗賊まがいのことも人殺しも平気で行う。
- ヒューゴー(CV:大塚明夫)
- クラス:槍闘士。 元ヴィルノア軍指揮官で現在は傭兵。傭兵士長として人望を集める。
- ミレイユ(CV:釘宮理恵)
- クラス:軽戦士。 ミシェルの双子の姉。12歳の幼い傭兵。残酷な性格で、幼さ故もあるが、加虐的に人を殺す。ウィルフレドに興味を持ち「お兄さん」と呼んで慕うようになる。
- ミシェル(CV:釘宮理恵)
- クラス:重戦士。 ミレイユと双子の幼い傭兵。「楽しいから」という理由で戦場に立っている。ミレイユが世界の全てであり、絶対的な存在のため、姉以外に興味はない。
- ローザ(CV:中村千絵)
- クラス:魔術師。 元アルトリア宮廷魔術師。魔術を使い各地で人助けを行い、「聖女」と呼ばれる。かつて師であるセンネルを暗殺した疑いで宮廷を追われることになった。同胞であったリーゼロッテを、その暗殺の真犯人であると疑っている。
- リーゼロッテ(CV:久嶋志帆)
- クラス:魔術師。 元アルトリア宮廷魔術師。現在はよろず屋として放浪している。かつて師であるセンネルを暗殺した疑いで宮廷を追われることになった。ローザを、その暗殺の真犯人であると疑っている。
- 潮(CV:東地宏樹)
- クラス:侍。 倭国から流れ着いた侍の若者。自分を本当の息子のように育ててくれた師センネルの仇を討つため放浪している。
- フォーネル(CV:河野裕)
- クラス:魔術師。 アルトリア宮廷魔術師の青年。空席となっている宮廷魔術師長の代理として、王宮内の魔術師を取り仕切っている。バルマーとは友人関係。
- バルマー(CV:田島裕也)
- クラス:弓闘士。 アルトリアの名門武家ホーン家の現当主。フォーネルとは友人関係。家族を大切にしたいと願っており、家名のために家族が犠牲になることに非常な恐れを抱いている。
- フィオナ(CV:武田華)
- クラス:重戦士。 アルトリアの名門武家ホーン家の末娘でバルマーの妹。勝気な性格、兄を失った中、ホーン家において唯一気丈であらんとし、戦争を避けようと考え始めた家族に対して反発するようになる。
- オーギュスト(CV:木村雅史)
- クラス:拳闘士。 アルトリアの名門武家ホーン家の元当主でバルマーとフィオナの父。現在は隠居の身で、現当主であるバルマーを補佐し助ける。武人一家として誇り高く生きてきたが、次男に先立たれたことで、代々語り継がれてきた「戦死こそ美徳」とする価値観が崩れてしまった。
- ラインヒルデ(CV:田中結子)
- クラス:弓闘士。 ホーン家の前当主オーギュストの妻、バルマーとフィオナの母。当主の時代からオーギュストを献身的に支える。 今はただ、残された子供にはひたすら生き抜いてほしいと願っている。
- ラングレイ(CV:間島淳司)
- クラス:魔術師。アルトリア国第一王子。しかし母は第二王妃のため、正式な王位継承権は第二位となる。頭が良く、野心家で策略家。「セラフィックゲート」のみ使用可能。
- クリストフ(CV:立花慎之介)
- クラス:重戦士。母は第一王妃のため、王位継承権は第一位。力よりも話し合いですべてを解決したいと考える、心優しき青年。「セラフィックゲート」のみ使用可能。
- アリューゼ
- 「セラフィックゲート」のみ使用可能。
神界
- レナス・ヴァルキュリア
- 「セラフィックゲート」のみ使用可能。
- フレイ
- 「セラフィックゲート」のみ使用可能。
- オーディン
- アーリィ・ヴァルキュリア
- 「セラフィックゲート」のみ使用可能。