概要
いわゆるパチモノゲーム機の一種。
名前や本体の外見からして隠す気が微塵もないが、本体、コントローラーの外見がどう見ても日本の某ゲーム機に酷似しているのが特徴。
中国市場における偽ゲーム機の歴史は長く、ファミコン時代から常に存在し続けているが、本機はその中でも2007年と比較的後の時代に存在が確認されたこと、ネット上だけでなくテレビのニュースにも取り上げられた事などから広く知られる事となった。勿論インパクト抜群の名称もその一因にあるだろう。日本でも、秋葉原で1500円程度で入手できた時期があった。
筐体の外観は一見パクリ元に似ているように見えるが、中身はスカスカで小さな基板が1つ入っているだけである。光学ドライブは搭載されておらず、遊ぶことができるゲームは本体の内部ストレージにあるゲーム12種類+付属ロムカートリッジのみ。なお、この小さい基板ですらもステレオ出力端子と見せかけて片方はどこにも繋がっていない(=モノラル)になっているなど、徹底的に手抜きが行われている。
一応リモコンに傾きセンサーのようなものはきちんと実装されているようで、動かすと反応はする。ただしその精度は本物のリモコンには遠く及ばず、快適にゲームをプレイできるとは言い難い。
なお、威力棒と言う言葉自体はそのインパクトなどから、後年でもシモネタ的に使われていたりする。
本体の分解動画
収録ゲーム
大半がどこかのゲームの劣化コピー、謎のオリジナルゲームである。一応Wii Sportsの「テニス」、クッキングママを模倣したと思われるゲームなど、トレンドなタイトルを取り入れる努力こそしているもののその品質は著しく低い。前世代どころか何世代も前のレベルのソフトが紛れ込んでいる、グラフィックや音声などのリソースが既存作品から違法に流用されているなど、中身はパチモノゲーム機業界ではよくあることのオンパレード状態になっている。
収録本数が少なめな割に、グラを差し替えただけで実質同じゲーム、サイコロを振るだけのもはやゲームですら無いものでの水増しなども行われている。
余談
当時世界最新の第7世代ゲーム機を真似ながらこの中身というインパクトで話題をさらったが、実は本機の登場後にもWiiがモデルとなったパチモノゲーム機は出続けている。
その中でも、「Reactor」「Zone」と題されていたシリーズは外観はWii風だが中身はメガドライブというだいぶわけのわからないことになっていた・・・だけでなく、後にセガからのライセンスを取り付けて正式にメガドラ互換機として販売されていた。これらのパチモノハードはJungletac(叢林互動科技)が販売とされているが、実はkensington(京仕敦)の別名義であり(パチモノ商品業界においては、会社名を次々と変えて摘発を逃れる手口が存在する)、事実上直系の後発機となる。
いくら世界中でメガドラのデッドコピーが作られ続けているとはいえ、こうしたハードにライセンス認証を与えるセガの適当さもなかなかのものである。
ちなみにオリジナルのWiiもコスト削減のため全ロットが中国で生産されていた。