概要
CV:田中真弓
好戦的で、戦闘時はイタダキマンに変身してから巨大化して如意棒を使って戦う。
これまでのタイムボカンシリーズのようなメカを使った戦闘はほとんど行わない。
その代わりに、彼自身がイタダキマンに変身・巨大化し、自らの力で戦っている。
普段は、オチャカ校長の密命を受け、二束三文トリオと行動を共にしている。つまり「悪側にスパイとして潜り込んでいる善玉」という、珍しい立ち位置の主人公である。
母親と生き別れており、彼女の行方を捜すのを目的としている。最終回では、母を探し出すために、一人旅立った。
善側のたてまえトリオが持つ『オモンキ』のシンバルにより、イタダキマンに変身できる。
そして、二束三文トリオが妖怪をパワーアップ、またはリリーフメカでオシャカパズルを手に入れた際には、「イタダキマン二段変身」で巨大化。全身にプロテクターを装着する。
等身大・二段変身ともに、如意棒が武器。また、等身大時に腰に付けたひょうたんから、三台の「筋斗雲メカ」を取り出し、移動や戦闘補佐に用いる(イタダキマンの当該記事参照)。
毎回の戦闘ハイライトは、腰に付けたひょうたんから出す「ひょっこりひょうたん玉」。この玉を掌に乗せイタダキマンの息を吹きかけると細かく分裂し、それがゾロメカとなって相手妖怪に襲いかかる。
減らず口
その特徴として、実に口が悪い。
通常時はもちろん、戦闘時になると口が回り(演じている田中真弓氏のアドリブも相まって)、減らず口をのべつまくなしに叩く。そのため、「本当にコイツ善玉のヒーローなのか」と思ってしまう事もしばし。
以下はその一例。
- 1話
ネズミ妖怪と巨大戦の最中、敵からの火炎を受けるも効果は無く、「ムダムダ、この鎧は消防署に推薦してやろうと思ってたものよ」と言い反撃。しかし敵の装甲も厚く「こっちの鎧もそんなへなちょこ棒(如意棒)じゃ傷もつかない」と防がれる。
それに対し「なんと!ロボットアニメに影響されたか」と、ひょっこりひょうたん玉からゾロメカを作り差し向けた。
- 4話
モグラの妖怪ネクランが口上を聞いて「前置きの長い奴め」と地中から出現。しかしイタダキマンは「現れたな根暗のネクラン」と言い放ち、ギクリとしたネクランに「挨拶くらいしたらどうだ。やーい陰気のヒステリー、略してインテリめ」と言って大笑い。ネクランを委縮させた(その言いざまに、ダサイネンも「あれじゃネクランがかわいそうよ」と言い出す始末だった)。
- 5話
敵妖怪を二束三文トリオがけしかけ、巨大化させた際に炸裂。本人は端の壁で座り込み一休みしており、巨大化したのを見て「俺の口上に負けず劣らず長い段取りだったな。まーた巨大化してんでやんの。あきないねえ、けどもう少し考えろよなー、頭が天井からはみ出してるじゃねえか!(巨大化したのが室内だったため、頭部が天井にめり込んでしまってた)」とのたまった。
この後、反省会をしている二束三文トリオに対し「やっぱし進歩ないのよねえおいちゃんたち」「毎度毎度反省会したっておんなじだと思うけど、人間やめない限り」と一言。
ダサイネン「それはもうずっと前に終わったの!」
- 7話
バクの妖怪が登場し、巨大化。
「こらこら妖怪、お前恥ずかしくないのか。何かと言えばすぐデカくなりやがって。そういうのをバクの一つ覚えって言うんだ。バクに付ける薬はねえってからなあ」
- 9話
ブルドッグの妖怪相手に、口上を述べた後に高所から如意棒で殴りかかる。身構えるブルドッグ妖怪には「ドッグフードが空飛んでる」と言って気を逸らし、その隙に頭をぶん殴った。
- 10話
サソリ妖怪に対し、「お前、そんなでっかいハサミ持ってるけど、使いこなせるのか? 紙切りも出来ないんじゃないの?」と言いつつベーと舌を出した。
- 11話
「口上を変えて再び登場」と自ら言いつつ登場。それをダサイネンに「まーたこれだ、お前なんて板抱いて遊んでろ」と言われるが、「黙れヒョウタンの燻製。その顔でよくテレビに出るな」と言い返す。
- 12話
某ベルばらのオスカルを思わせる外観で、男性を憎むメスカマキリの妖怪が登場。男性を憎んでおり、登場したイタダキマンに「またまた余計なオスが出て来たな」と言ったのに対し、
「ここで会ったが『オス!』なんちゃって」
「やい男嫌いのカマキリめ、恐らくお前は男から相手されない、オールドミスなんだろー」
(これを聞いた直後、トンメンタンは「今日のイタダキマン、キッツい事言いよる」と言っていた)
この直後、鎌を出現させた妖怪に対し、
「お、やっぱりね。カマキリの武器はオカマと昔から決まってるからなあ」
(これを聞き、「オカマじゃなくて大鎌だ!」と切りかかられるも、結局如意棒に翻弄される)
いつものパターンで巨大化する相手に対し、
「毎週見る毎度おなじみのあの電波は」
「ちぇっ、でっかいのにいちいち驚いてたら奈良の大仏様は拝めないってんだ」
カイコのゾロメカが吐く糸で、繭状態にしたところ、
「そろそろ仕上がったようだから、最後のとどめといきますか」
如意棒を振りかぶり、
「とりゃーっ!とどめ……と思ったけど、そんな必要も無さそう」
と蹴りを食らわせ、相手を爆破。
- 15話
人々を襲うヤドカリ妖怪に対し、カブトゼミで飛来し飛び蹴りして登場。向き合って「暑中お見舞いイタダキマン、お中元もイタダキマン、何でもかんでもイタダキマン。ベストコンディションでただいまー! お帰りなさい(と、一礼)」。
ヤドカリ妖怪が「おのれ、ふざけた奴!」と怒るも、「なんの、ふやけた奴!」と言い返し、戦闘開始。
- 17話
イノシシ妖怪に対し、「ちょっと待て、食べる前に歯を磨こう!」
「何を場違いなセリフを!」と言われ、高所から登場。
「ハッハッハッハッハ、取り込み中悪いが、もう少し聞いてもらおうか」と口上を続け、「これでイタダキ!」と如意棒で一撃し「こんにちわ」。
その拍子にオシャカパズルが取れて、イノシシに戻った妖怪を見て「あらー、イノシシに戻ってら。シシ鍋にしよっと」と、鍋にして食おうとしていた。
ちなみに、決め台詞の「ここで会ったがこんにちは」は、「ここで会ったが百年目」と台本に書かれていたセリフを田中真弓氏がアドリブで言ったものらしい。
放送当時に児童誌「TVアニメマガジン」に連載されたコミカライズ(のなかみのる作)でもこの減らず口は健在で、
- (偽イタダキマンの回にて)「元祖、本家、家元、正真しょうめい、真実、まことのタツノコプロ専ぞくフジTV放送中、タイムボカンシリーズ7作目大ヒット大ホームラン、本物のイタダキマンとうじょー!」などと言いつつ偽物の前に登場。
- 最終回では「あ、忘れてた。主人公は最終回に正体バラさなきゃいけねえんだわ」と、必要でもないのに勝手に変身し、二段変身で巨大化。「くだらんくだらんくだらーん!」「タイムボカンシリーズ最悪のマンガになってしまった」とメタ発言しつつオシャカ学園を破壊。善玉の、主人公たるヒーローが、善玉サイドの本拠地を破壊するという、コミカライズとはいえ前代未聞のオチを見せていた。
- 最後のコマでは、「い、いっとくけど、オレほんとはすっごく人気あったんだぞ」「に……人気のあるうちに去る!これが本物の人気者なんだぞ、ほ、ホントだぞっ」と言い訳めいたセリフで〆ている(ちなみに前のコマでは「こんなのが主人公だから終わっちゃうんだよネ……」「ゼンゼン人気ないんだってネ……」などと、二束三文トリオのみならず、善側のたてまえトリオからも言われていた)。
もしも打ち切られていなかったら?
これは想定なので何とも言えないが、原典の「西遊記」に則すればラスボスが牛魔王を模したキャラクターとなり、空作の母はそのラスボスに囚われており、空作と母は再会出来たかも知れない。
ある意味彼も打ち切りの被害者かも知れない。